道を祷る
最新エピソード掲載日:2026/11/08
――そして、契約は遺伝した。
千年続く道明寺家に生まれた主人公の少女・祷(いのり)は、八百万の神々から力を借りて【怪異】を祓う【御神座様(おみくらさま)】の血を継いでいる。神のごとく崇め奉られる暮らしはしかし、「地に触れてはならない」という契約がゆえに、籠の鳥も同然だった。祷の従者である與一(よいち)は、自由に歩けぬ彼女の「地」となり「足」となり、献身的に彼女の日常と【怪異祓い】を手助けしていた。四六時中を共にし密に触れ合う2人が惹かれ合うのも、当然の帰結だった。
17歳の誕生日を迎えたその宴の席で、祷は道明寺を牛耳る老中たちから、「18歳になったら結婚してお世継ぎを作れ」という、事実上の命令を伝えられた。なんとなく、このまま続くのだろうと思っていた與一との暮らしに、突如として現れたタイムリミット。それでも、分家の仲間と協力して怪異を祓い、神職としての務めを果たさなければならない。合間に挟まるお見合いは、綱渡りのように繊細なバランスを保って成り立っていた2人の関係性を崩し始める。最後の1年は、刻々と過ぎていった。
初めのうちこそ、祷の置かれている状況の特殊性から破談になることが多かったお見合いだったが、一人の青年が現れてから事態は急速に動き出す。財閥の御曹司で、文武両道、才色兼備。非の打ち所など一つもない好青年と名高い彼との、縁談はトントン拍子に進んでいった。
来る祝言の日。お仕着せの白無垢を身に纏い、お祷はその胸中に大きな決意と覚悟を秘めて式場に臨む――
千年続く道明寺家に生まれた主人公の少女・祷(いのり)は、八百万の神々から力を借りて【怪異】を祓う【御神座様(おみくらさま)】の血を継いでいる。神のごとく崇め奉られる暮らしはしかし、「地に触れてはならない」という契約がゆえに、籠の鳥も同然だった。祷の従者である與一(よいち)は、自由に歩けぬ彼女の「地」となり「足」となり、献身的に彼女の日常と【怪異祓い】を手助けしていた。四六時中を共にし密に触れ合う2人が惹かれ合うのも、当然の帰結だった。
17歳の誕生日を迎えたその宴の席で、祷は道明寺を牛耳る老中たちから、「18歳になったら結婚してお世継ぎを作れ」という、事実上の命令を伝えられた。なんとなく、このまま続くのだろうと思っていた與一との暮らしに、突如として現れたタイムリミット。それでも、分家の仲間と協力して怪異を祓い、神職としての務めを果たさなければならない。合間に挟まるお見合いは、綱渡りのように繊細なバランスを保って成り立っていた2人の関係性を崩し始める。最後の1年は、刻々と過ぎていった。
初めのうちこそ、祷の置かれている状況の特殊性から破談になることが多かったお見合いだったが、一人の青年が現れてから事態は急速に動き出す。財閥の御曹司で、文武両道、才色兼備。非の打ち所など一つもない好青年と名高い彼との、縁談はトントン拍子に進んでいった。
来る祝言の日。お仕着せの白無垢を身に纏い、お祷はその胸中に大きな決意と覚悟を秘めて式場に臨む――