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第零の章
わたしはとっても不機嫌だ。
今は役場の小部屋。
その椅子の上。
乾季。
キャラバンの季節。
見知らぬ土地。
初めて会う人々。
出会い。
あー。
懐かしき旅の日々。
窓の外は、雲ひとつない青空。
どこまでも、どこまでも青い空。
乾いた風が吹いている。
キャラバンを。
人々を。
荷物を載せて。
いろんなものを、この村へ運んでくる。
あーもう!
なんで!
なんでわたしが行けないの!
「菖蒲さんには、村で外から来るキャラバン隊の相手を……」
ばん!
机を叩く。
「そんなの誰でもいいじゃない!」
机の上に積まれた束を指差す。
「ぜーんぶ、どこにあるかも、いくらかも、ここに!」
ばんばん、と束を叩く。
「ここに! 載ってます!」
「でも、菖蒲さんがいた方が速くて正確で……」
「あなたがやんなさい! リーダーさん!」
「いや、わたしはキャラバン隊で外へ……」
「あ?」
「……」
「自分ばっか!」
「はい……すみません」
ーーわかってます。
ーーわかってますけど。
ーーやっぱ、言いたいよね!
もう!
担当者なんて、
いや!




