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42話
その日は、累くんが言っていたように、お迎えに来ない日だった。
校門を出ると、友達が声をかけてきた。
「めごちゃん、今日、一緒に文房具屋さん寄らない?」
「え……うーん」
「お願い!新しい消しゴム見たいの!」
「……いいよ。ちょっとだけなら」
“寄り道しないで”って言われたけど、文房具屋さんは、帰り道の途中だし。
そう自分に言い聞かせて、友達と並んで歩いた。
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文房具屋さんの店内は、カラフルで、楽しい空間が広がっていた。
新しい消しゴムや、可愛いシールを見ているうちに、時間を忘れていた。
大人になったら、きっと、忘れてしまう感覚なんだろうな……。
そんな事を思っていると、制服のポケットの中でスマホが震えた。
画面を見た私は、固まった。
相手は累くんだった。
「……もしもし?」
恐る恐る、電話に出る。
『めごたん、今どこ?』
いきなりだった。
「えっと……帰り道、だけど」
『……まだ家じゃないよね』
「う、うん……」
『……文房具屋さんの近くにいる?』
「な、なんで分かるの……?」
『……帰ったら話そう。いい?今すぐ帰ってきて』
そう言うと、電話は切れた。
声は、いつもと同じ、優しい声。
なのに、逆らえない感じがした。
「愛姫ちゃん?どうしたの?」
「……ごめん、私、急いで帰らなきゃ!」
友達にはそれだけ言って、私は急いで家に向かった。




