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42/55

42話

その日は、累くんが言っていたように、お迎えに来ない日だった。


校門を出ると、友達が声をかけてきた。


「めごちゃん、今日、一緒に文房具屋さん寄らない?」

「え……うーん」

「お願い!新しい消しゴム見たいの!」

「……いいよ。ちょっとだけなら」


“寄り道しないで”って言われたけど、文房具屋さんは、帰り道の途中だし。

そう自分に言い聞かせて、友達と並んで歩いた。



━━━━



文房具屋さんの店内は、カラフルで、楽しい空間が広がっていた。

新しい消しゴムや、可愛いシールを見ているうちに、時間を忘れていた。

大人になったら、きっと、忘れてしまう感覚なんだろうな……。


そんな事を思っていると、制服のポケットの中でスマホが震えた。

画面を見た私は、固まった。

相手は累くんだった。


「……もしもし?」


恐る恐る、電話に出る。


『めごたん、今どこ?』


いきなりだった。


「えっと……帰り道、だけど」

『……まだ家じゃないよね』

「う、うん……」

『……文房具屋さんの近くにいる?』

「な、なんで分かるの……?」

『……帰ったら話そう。いい?今すぐ帰ってきて』


そう言うと、電話は切れた。

声は、いつもと同じ、優しい声。

なのに、逆らえない感じがした。


「愛姫ちゃん?どうしたの?」

「……ごめん、私、急いで帰らなきゃ!」


友達にはそれだけ言って、私は急いで家に向かった。

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― 新着の感想 ―
ずっと読んでたけどコメントするの初です…!毎回楽しんでます! お兄ちゃんGPSとかくまちゃんに仕込んでない?笑
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