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23話
教室は、朝から夕方まで授業中以外は基本、賑やかだ。
(……小学生、だなぁ)
そう思いながら私は自分の席に座って帰る準備をしていた。
前世の記憶があるせいか、どうしても周りの子たちが幼く見える。
もちろん、見た目は私も同じ“1年生”だけど。
「愛姫ちゃん」
声をかけてきたのは、優くんだった。
同じクラスだけど、私とは離れた席のはずの彼は、気づくといつも近くにいる。
「愛姫ちゃんは、静かなほうが好き?」
「……うん。みんな、元気だね」
「だって、学校楽しいもん」
その答えに、ここにいるのは私以外は、みんな小学生だと、改めて実感した。
校門へ向かう途中で、何人かのクラスメイトが手を振ってきた。
名前も顔もちゃんと覚えてる。
話しかけられたら、普通に話せる。
でも……
「また明日ね」
そう言ってくれるのは、優くんだけだった。
私は小さく手を振り返した。
正直、この学校での友達は、優くんだけでいい。
そう思うと、不思議と不安はなかった。




