↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「それなら魅了にかからないようにしようぜ!」  作者: イチイ アキラ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
52/62

52 閑話。悪役令嬢の愛犬。

 お約束は拾っておきたいスタイル。


「わんこ、かわいすぎかよぉ……っ!」

 そしてそれを抱っこするオーレリア(生きた推し)の姿。

「尊い……」

 拝みたいのをギリギリの理性で抑えつけるリィナである。生前、彼女が「姫」をどのように扱っていたかおわかりだろう。


 余談になるが後を任された従姉妹は「祭壇かよ」と小さくつぶやいたとかなんとか。


「えーと、シュナウザー……ですか?」

 あまり犬に詳しくなかったリィナであるが。生前の知識を総動員して思い出す。

「あ、お兄様がそう言っていたわ。このお髭が可愛いのに立派で素敵なの」

 素敵と言われてわかるのか、オーレリアの膝上のお犬様も満足そう。


 彼 (オスらしい)は真っ黒なミニチュアシュナウザーだった。手足やその髭も真っ黒な。眉毛の奥もつぶらな黒い瞳で愛らしい。三角な垂れ耳が、また。

「そういえば灰色じゃなくて白いのや黒だけのもいるんだっけ……?」

 さすがオーレリア様の愛犬。珍しい個体であると、リィナの理解力は早い。


「私のお友達を紹介させて」

 お呼ばれし、オーレリアの部屋に通されて。先ずはお友達の先輩(・・・・・・)をご紹介していただけた。

 それは愛犬。

 立場あり、今まで人間のお友達ができなかったオーレリアのお友達枠を長く埋めていたのはこの犬なのだとリィナも察し。

 オーレリアのお友達。

 人間で初めては自分だと、謎の感動と共に。

「はい、よろしくお願いします! えーと、なんとお呼びしたら……?」

「シュヴァルツ、て名前なのだけれど……」

 シュヴァルツ。

 黒。

 捻りはないがなるほどである。


「シュワちゃん(・・・・・・)て呼ぼうとしたらお兄様に止められて」

「ですね。止めたほうが良いですね」


 リィナにも即座に止められて、オーレリアは「お兄様と同じ顔してるわ?」と首を傾げていた。

 リィナの脳内にはその時のメルヴィンとおなじく――Hasta la vista, baby.


「だからルーちゃんと、呼んであげてね?」

 オーレリアによろしくされたら否やはないのがリィナの身上。

「はい! よろしくお願いします、ルーちゃん様!」

「うむ。よろしくな、小娘」

 ……。

 



「……ところであれ、なんすかよ?」

 新装備の銀縁眼鏡がちょっと怖い。

 「取り巻きA」の話のあとに。

 そう来るとは思っていたメルヴィン。心の準備は。覚悟完了。

「あれ。しゃべる、わんこ」

 しかもなかなかのイケボ。


「……北の凶魔獣て、知ってる?」

「おとぎ話の?」

「それ」

「どれ」

「凶魔獣」

「凶魔獣?」

「それ」

「黒いミニチュアシュナウザーでしたけど? 髭が丸くにトリミングされたかわいすぎな」

「わんこって普通お風呂苦手なんだろうけど、あいつ好きなんだよ。ブラッシングも。すごいよね」

「それはすごい」

「でかいと妹の膝に乗らないじゃない?」

「……。」


 突っ込ませろよおおお!

 と、リィナの内心では雄叫びが響いていた。


 当たり前かもだが、この世界にもおとぎ話や言い伝え。物語は存在し。

 それは史実であったり、そうしたものに関わるものであったりする。

 恐ろしいことや存在を示唆するものや――封印を解かないようにと、語りのなかに含めるもので……。

 

「……えーと、五年くらい前だったかな?」

「そうでしたね」

 ルカに確認したら頷かれた。

「レオナルドの冒険について行ったら封印解けて」

「何しとんじゃおどれら」

 思わず敬語も身分も何もかも吹っ飛ぶリィナさん。いや世界中の総ツッコミ代表である。


 凶魔獣。

 それはおとぎ話で大陸を滅ぼしかけた存在である。

 時の勇者たちが封印したのではなかったか。


「いや、本当すみません」

 下手したらこの国どころか大陸が滅んでいた危機である。

「でもまぁ、いまはオーレリアのお友達だから」

 自分はお友達二号で、とんでもない一号がいると判明したリィナは、がくりと膝をついた。それは親戚のおばさまたちにどこか似ていた。

「でも、シュヴァルツがほどよい護衛もしてくれていてね。ほら、番犬兼ねて?」

「私と母が駆けつける前に狼藉者を仕留めてくれたことも。おかげで館の警護は私も休めて。シュヴァルツ様は頼りになります」

「そうそう、オーレリアに気が付かれないようにしてくれたり。案外気が回るんだよね。年の功かな?」

「伝説が本当なら何百歳なんですかね?」

「あーあ、学園がペット可なら良かったなぁ」

 決してペットとしても悪くないのだとメルヴィンは必死に説明する。


 何故ならば。


「悪役令嬢に凶魔獣がセットて……」

「フラグにならないよう、頑張ります……」

「本当、頼んます……」


 いつか何かのフラグになりませんように。



 そんな凶魔獣は、今日も悪役令嬢の兄が作る犬用おやつに満足していた。

 悪役令嬢の膝の上で。



 悪役令嬢ざまぁものは、悪役令嬢サイドに聖獣なり魔獣なりし存在が必要だと!思いました!マスコット枠…!

 そしてシュナウザー、めっちゃ好き…。ときにペンギンやドラゴンよりもw


 空白(わちゃわちゃ)の七年間も書きたいけど、それたぶんジャンルが恋愛じゃないと思う…ので…。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。