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白い家  作者: たま


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9/18

不吉

2階に閉じこもっていると、やがて公(こう)も帰宅して清貴と公でみゆきを説得に2階に来たが無視し続けた。

清貴は、みゆきの母に電話してその女性と連絡を取ろうとしたが、成人した孫がたまに顔出ししてくれるだけで従兄弟の実家にその奥さんはけっして接触してこないそうだ。

その20年前の葬儀後、香典を亡くなった従兄弟の父が、奥さんから奪うように持ち帰り警察沙汰になったのだ。

その話しを聞いて清貴も公(こう)も三笠も専務も呆れて諦めてしまった。

必死でみゆきの母は言い訳したが、従兄弟の父が息子の香典泥棒した事に変わりはない。

「みゆきさんが謝る事すら許すとは思えないね〜それじゃあ。」と一旦帰ってしまった。

「いやあ〜お義父さんの葬儀で一瞬顔見た人だと思うんだけど、まさかね〜弟さんがそんな事してたとは。」と扉の外で清貴が一層みゆきの実家に失望してるのが伝わっただけだ。

みゆきは、寝室から実母に文句の電話をする。

「なんで言っちゃうの!黙ってよって話したじゃん!あの奥さんが、従兄弟のお姉さんの嫁ぎ先にまで電話して従姉妹のミキちゃんエラい目に遭ったのに!」と文句を言ったが母はゴメンゴメンと謝るだけだった。


三笠という男が、依代と言ってたのは、あの暗闇坂のポポちゃん人形だろうか?とふと思った。

窓から夕暮れに山のシルエットしか見えないが。

すごい古そうな人形だった。確かにあの葬儀の頃、従兄弟の家で子供が遊んでいたオモチャだったかも?

奥さんが念を込めてずっと持ち続けていて、髪型も似せて片目を潰した?

階下が静かになって考え出すと怖くなってきた。

隣の息子の部屋には、友人が来てるようだ。話し声がしてる。

『あそんでる場合じゃないでしょ!勉強しないで、あんな怪しい霊媒師に私の話するなんて!』だんだん腹が立ってきた。


「ちょっと!静かにしてよ〜って、お友達勝手に呼ばないで!っていつも言ってるでしょ?」と公の部屋をノックもせず開けた。

「お父さんに許可取ったよ。それに彼が三笠先生につないでくれたんだ。お母さんからもお礼して!」と私に指図してくる!

なんで皆勝手に!

ココは私の家なのよ!

みゆきはイライラが絶好調だ。

「はん?!迷惑よ!生霊なんて居るわけないでしょ?

アンタまでおかしくなったの?」と扉をしめた。

「お父さん、しばらく外で泊まるって。家に帰らないって言ってたよ〜

ちゃんと仲良くしてよ。夫婦でしょ?」と公まで誰かの入れ知恵か?みゆきに意見してくるように。

「ああ〜家族はお母さんの言う事聞いてハイハイと返事してれば良いのよ!私だって実家で母に口ごたえなんてした事無いのに!」とみゆきは愚痴をこぼす。

今までこの家の男は、誰も私に楯突かなかったのに!

誰かに入れ知恵されて、だんだん外の人と同じ様に!

白い家だけは、みゆきの聖域だったのに!

「私の後ろに生霊ですって?居るわけないでしょ!

そんな非科学的なもん!」とプリプリしながら階段を降りようとした瞬間、

ズダダダダダーッと階段を踏み外して滑り落ちた。

運動神経が良いので途中で手すりにつかまって止まったが。

背中と腰が擦ってヒリヒリする。

かかとが歳のせいかカサカサになって滑りやすいのでこの頃は夏でも靴下を履いているのだが…カッカして履き忘れていた。

公(こう)は気づいてないのか部屋で友人と話し込んでる。そう言えば、久々明るい顔をしていた。

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