新しい道
母が2階に引きこもったので、久々、父と話せる機会が訪れた。友人も居るし三笠先生も居るし、勇気を貰って受験は自分に無理だと話す。
「良いんじゃないか?エスカレーターで大学は面接と作文だけで良いんだろう?」と母と同意見だとばかり思ってた父は違った。
「エッ、良いの?母さんはマーチ入れって。そうしないとお父さんの会社受けれないって…」公が驚いて聞き返す。
専務と一瞬顔を見合わせた父の清貴は、会釈してから公に話す。
「お母さんは、社長のコネがあったから入れたが、原則ウチはコネ入社は認めてないんだ。
お母さんはあくまで特殊な入り方したんだよ。
だからお前は、たとえマーチ入ってもウチは受からないよ、多分。」と言われた。
「エエーーーッ!そうなの!!!なんだあ〜」公が驚いてさらに肩を落す。
「それにウチは原則国公立出身だよ。
金融は特に多岐に渡るからね。8教科くらいの受験はくぐり抜けた人材欲しいし。
マーチって基準は、塾行かなくてもその程度の大学は入れる学力の人材が欲しいと言う指標だよ。
最低限のラインだ。」父が専務と顔を合わせながら話す。
「なんだあ〜そうなんだ!お母さんが言うから絶対かと思ったよ。」と公が少し気が抜けた顔をする。
「だいたいお前金融に興味ないだろ。小学生の時に株式投資やってみろと10万渡したらゲーム買って来たじゃないか?」と父はすでに公か小6で諦めていたようだ。
「動画配信に興味あるならそっちへ行けば良いじゃないか?
この頃、顧客にも動画配信者増えたよ。
三笠道士もウチの顧客だよ。」と言い出した。
「そうなの?」公は驚いて三笠先生を見る。
「寺が廃業したからね〜動画配信者なって株式投資と不動産投資も始めてコツコツとね。お父さんの会社にはお世話になってるよ。」とウインクした。
「売れてる動画配信者の元で修行してノウハウ学ぶのが、その業界の近道じゃないか?
お前の友達の原田君が三笠道士の所で大学入ったらバイトするって。お前の事誘っていいかと先生から聞いたよ?」自分がいない所で話が進んでた。
「コイツ、勉強苦手なのにずっと無理してて、この頃授業中も独り言言うしヤバい!と思ってたんです。
お前、文化祭の短編映画の編集もサクサクってしてたしドローン撮影も夏休みのキャンプで優勝してたし、動画向いてるって。」と原田が父と三笠先生に太鼓判で勧めてくれる。
「…ありがとな…ずっとずっと母さんの希望に応えられなくて、俺ってポンコツでバカで親に迷惑しか掛けてないって…」と思い悩んでいたのか泣き出してしまった。
「お母さんなんて、狭い世界で生きてるお母さんなんて大してアテにならないよ。
君はもっと広い視野で見れば、十分優秀な子だよ。
僕なんて機械オンチだから、原田くんに強い奴が居るって聞いて大学入ったら期待してるんだよ。よろしく。」と握手を求められた。
公は泣きながら三笠と握手した。
「黒い家」の三笠のスタッフですね。公くんと原田くんは。先に「白い家」です、はい。




