バケモノ
片っ端から霊媒師や除霊を専門とする所へ電話してみた。が、どこもみゆきには胡散臭い。
生霊と関わらなくても、よく肩とか背中叩いて祓ったり簡単にしてるのテレビとかでも見た。
みゆきもそれで祓いたいのだが…
その従兄弟の嫁さんと関わりたくないのだ。
中には電話中に見えるとか言い出す除霊師も。
しかし、胡散臭いすぎた。信用に足る相手は見つけられなかった。
とにかく身辺が変なのは確かだ。
長年住んで素足で階段なんか何回も降りてる。
さすがに近頃カサカサだが、それにしても滑って落ちるとか…ありえない。
あれから変な夢は見ないが…やはり頼るしかないのか?あの三笠とか言う霊媒師を。
依代と三笠が言ってたのは、暗闇坂の人形だと思う。
もう自分で行くのは嫌なので、せめてアレだけでも三笠に処分して貰おうか?
色々悩む。
この頃、予備校行ってるはずの公が早く帰ってきたりして、みゆきに話しかけてくる。
「母さん、気になる事があるんなら三笠先生に話そうよ。先生が心配してたよ。」公が心配してくれるのはうれしいのだが…
「…あの暗闇坂から母さんが突き落とされる夢あったんじゃん。あの山のてっぺんで母さんソックリの髪型の赤ちゃん人形が捨てられてたの。
…多分、夢の人形にソックリなの。
依代って、あの霊媒師が言ってたのはそれだと思うのよ…分からないけど。」他の霊媒師より話がマトモだった、仕方ない。
「分かったよ!先生に話してみるよ。
そうか、あの夢は僕の妄想じゃなかったかもしれないんだ。良かった〜」と公が少しホッとしたようだ。
「アンタ!それより帰り早すぎない?ちゃんと予備校行ってるでしようね?」とみゆきが言い出したので公は逃げる。
「大丈夫!大丈夫!明日、居残りするから10時過ぎるかも。じゃ!」と自分の部屋に逃げてしまった。
今夜も清貴は帰らないと連絡があった。
きっと女が居るのだ。
あの探偵事務所はちゃんと調べているのか?
こちらから問い合わせるのが、どうもシャクなのだ。
風呂でゆっくり半身浴をする。
保湿に良いと聞いたボディークリームを片っ端から試していく。とくにカカトとひじは念入りにすり込む。
夏場なんて昔は足がベタベタしたのに。
この頃、夏場でも手足の先がガサガサだ。
「身体から水分が抜けていってる感じするわぁ〜いやねぇ〜」と蒸気で塗り込んだクリーム類を浸透させていく。
湯船でウトウトしてると風呂の水蒸気が立ち込めて前が見づらくなる。
目がかすむ。
不意に肩をスゴい力で抑え込まれた。顔が水の中へ。
鼻と口だけ、水の中だ。
目は水面上で周りを見渡すと水面に自分の顔が映ってる。
が、その後ろに目だろうか?顔の半分以上が目だけの女が居る!
口は…見当たらない。と思ったら顔が真っ二つに割れて歯が縦に舌が何枚もある…バケモノが水面に映っていた。
「探偵事務所の女やあの霊媒師が見てたバケモノって、これなの?」みゆきは、必死で浴槽の両端を掴んで足で浴槽の中を蹴って抵抗した。
長い指のようなものが、みゆきをどんどん浴槽に沈めていく。
幽霊じゃない!生き霊だと言ってた!
だったら…
「何すんのよ!私は善意で、アナタが恥かかないようにしてあげたのよ!
勝手に何怒ってんの?バカじゃない?」力いっぱい怒鳴って後を振り返った。
が、誰も居なかった…
「母さん!大丈夫?何があったの?」公が心配して脱衣場まで来てくれた。
こんなの警察が調べたって、ただの溺死扱いだ。
得体のしれない者に殺されるなんて!嫌だ!
あんなに肩を押さえつけられたのに跡もない…
人が人を呪うと言うのは、本当に怖いことかもしれない…
小5の時、イジメらしいイジメされてて結構マジで「シネ!」と思ってたら、まさかの弟くんが事故死して…アレは気まずかったなあ〜本人にシンデ欲しかったのに。
思わず1年後一緒に遊園地誘って行ってしまった。でも、まだ引きずってるんだよね〜本人。
弟の死を願ってた自分が許せなくて。弟の代わりに女衒宿の女将やってる。(飛田みたいなの)
もう潰しても良いのにね〜今は外人さん向けの宿として頑張って続けてる。
(半世紀気にしてる私も私だが)
今回も願掛け失敗しないように!
本人が骨壺なれ!他の人は、ダメ!




