焦り
「なんか…依代はお焚きあげしたのに。
あのベンチもなぜあの形なのか?追えないし。
要所要所押さえられてる感じがするんだよなあ〜
結局、その生き霊も捕まえられないし!」三笠が珍しくイラついてる。
「霊なら、三笠さん強いけど相手は生きてる人間ですからね〜」白田さんが苦笑いする。
「みゆきさんの縁者なら確実に追えるはずなのに
なんで住所も電話番号も途中で追えなくなるんだよ?
おかしいじゃないか!」三笠が事務所で机に足を乗せる。
「なんか、すみません。僕も母から聞き出したいんですけど、なかなか上手くいかないし。
それにこの女性…引っ越し魔みたいですね。行政も混乱して追いつけてないような…物件も何軒も持ってるみたいで人に貸してもいるから、結局本人がどこに居るのか?分からない。」公も頭をかく。
「みゆきさんのお母さんからムサコのタワマンと聞いたけど、そこはすでに人に貸してたそうだね。
でも行政の手続きしないで移動したみたいで、たまに溜まった書類を取りにくるけど、こっちから連絡先は知らないとか!
格安でタワマン貸す条件とか!
全く掴めないんだけど!」三笠が頭をかく。
「孫もたまにお祖母さんの所に顔出すけど、今なにしてるのか?どこに住んでるのか?何も知らないって?
おかしくないか?」三笠が頭をひねる。
依代は、消したのに…みゆきさんの背後にいる者は全く消えてないのだ。
暗闇坂の依代を消した報告に白い家に行ったのだが、
みゆきさんの後のバケモノは…そのままだったのだ。
三笠は頭を抱える。
「公務員って情報もとっくに辞めてたし。一体今どこにいるんだよ?
そして、なんでこの家からみゆきさんの後から消えないんだ?」三笠は嫌な予感が頭から離れない。
みゆきは、婦人会から会長外されたが今は学校のPTAの仕事を全うしなくてはいけないのだ。
車もやっと車検から戻り、また5km先のエスカレーター私学へ出掛ける。この地域はほぼこの私学のためにあると言っても過言ではない。
ここに幼稚園から小中高まで揃っているのだ。学園都市なのだ。最寄り駅が町田なので、自然と公は町田しか知らないのだ。
しかし、大学だけはなぜか渋谷なのだ。
おかげでこのエスカレーター校出のアーティストは渋谷系と呼ばれるらしい。
公が予備校の模試でD判定でも、高校には指定校推薦がある。それが貰えれば!公はほぼ無試験でマーチ入れるのだ!
そのために、みゆきは婦人会放ったらかして学校の食堂にずっと通っていたのだ。
この学校が教育熱心な親に人気なのは、指定校推薦の割り振りが親で決まるのだ。
この幼稚園から小中高ある学園なのに敷地に食堂は一つしかないのだ。
そこに食材を持ち寄り食堂のお手伝いを自ら勝手出る父兄の子は指定校を貰いやすいと先輩お母さんから聞いたのだ。
つまり、物資と人件費用による献金体制なのだ。
コロナ以降どこも人手不足で日本語通じる安い労働力が足りないのだ。
2300名が在籍する学園のランチに献金と奉仕が、マーチ大学指定校推薦への勝利の道なのだ。
みゆきは公のお尻を叩きながら、裏で自分が叔父のコネで入社出来たように頑張っていたのだ。
みゆきの叔父は首相を何人も出してる政治研究会に所属しコネクションを広げて大手企業への発言権や募金を募り、育英組織を発達させそこからまた自分の思想を受け継ぐ政治家を輩出していたのだ。
その恩恵でエリート夫を捕まえたみゆきは、また自分も公のため法に触れないゆるい裏口入学ルートを模索していたのだ。




