清貴
「こんなプロジェクトに私も参加させて貰って良いのかな?」清貴は今、同期でホープの葛西菅子のデスクに呼ばれてる。
同期だが彼女は京大出でMBAも取得した才媛だ。
そのせいもあって腰が引けていたのだが、まさか彼女の方から清貴に指名があったのだ。
「ずっとファンド畑だった私には、不動産とか仮想通貨とか多岐にやってたアナタが必要なのよ。よろしくね。」と握手を求められる。
「彼女から説明するわ。よろしくね、大河内さん。」と呼ばれた若い秘書からプロジェクト内容が話された。
「つまり、顧客が資産運用で個別に専門家に頼んでいた不便を取り除き、こちらで顧客にカスタマイズしたチームを組んで不動産、仮想通貨、株、金などを総合的に運用する訳だね。」清貴の目がキラキラしてる。
「そう、私なんてファンドマネジャーとして何人もの顧客の株をまとめて運用してたけど、お客様は1人1人事情も違うのに…と思っていたの。
だから、客主体で資産運用を総合的に考えるチーム制の会社作り…面白いと思うのよ。
どう?あなたも一口乗らない?」とスカートから出でる長い足を組み替える。
「そうだね。やはり暗号資産とかスピード勝負のものは決断が遅いと損をする。そういう無駄を無くすためにも顧客カスタマイズされたチーム制は面白いと思うよ。」とずっと尊敬してた女性と談義できるのは楽しい。
「私がチームマネジャーとして役員会にも提案するから、アナタも参加して欲しいのお願い。頼りにしてるわ。」と言われて有頂天になりながら彼女の執務室から出る。
ファンドマネジャーなので彼女の部屋は完全防音だ。
「あーーーーッ、ドキドキしたあ〜
本当にありがとうね!ずっと好きだったけど、22歳で突然結婚して子供できるし。奥手の私には成す術が無かったのよ。株の専門なっちゃったし、彼とは全然接点なかったから〜」急にヘニャヘニャと葛西菅子が机に突っ伏す。
「上田清貴さんは、仕事の虫ですから。こういう話を持ち出すと簡単に釣れますって!」若い秘書がニコニコと耳元で囁く。
「でも、大河内さんのお母さんのアイデアなんでしょ?すごいわね、素人なのに。」葛西菅子が驚く。
「財務省からこちらの花村アセットマネージメントに葛西さんから引き抜かれた時から母が企画温めていたんですよ。
役員会の唯一の女性の野崎さんは、母の妹の高校時代の友達なので。
実家にも良く遊びに来てて人柄は十分知ってるそうで。」と微笑む。
「社内の渋メンを集めて逆ハーレム作ろうって。」と若い秘書が葛西に笑う。
「役員会の野崎さんって、頭は良いけど変な人だとは思ってたの。いつも胸元ザックリ開けてるし。
旦那さんはほとんどアメリカ支社から帰宅しないし。
謎だったのよね〜
まさか男好きとは!」葛西菅子が足をバタつかせて喜ぶ。
「それもメンクイ、筋肉フェチですから!」大河内がクスクスと笑う。
「男の子と合コンする時、大阪大学だとお持ち帰りしてもらえないから、神戸大に入ったって!聞いて驚いたわよ!
そんな人もいるのね〜」と葛西菅子が驚く。
「でも、すぐに上司に見抜かれてあれよあれよと言う間に女性初の役員に成っちゃったって!旦那にアメリカに逃げられたって!
面白過ぎる〜っ!」と2人でキャッキャッと女子トークに花を咲かす。




