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月の国の先輩  作者: ぬぱ


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4/5

花火と夏の夜空

山道をしばらく進んでいると一つの公園へとたどり着いた

 「着いたよ!ここが私のお気に入りの花火スポット!」

 そう言って先輩は僕の方へと振り返り両手を広げた

 ここからは神社や田んぼ、この町が一望でき、正面には大きく花火が見れた

 僕たちはその公園にあったベンチに座り花火を見た

 「……きれいですね」

 「そうだね」

 「この場所からだと全部の花火が見れてすごい迫力ですね」

 「そうでしょ!お気に入りの場所なんだ!」

 「ほかに人もいないおかげで落ち着いて見れるのもいいですね」

 「そうだね、見てみて!あの花火すごくない?」

 「キャラクター花火すごいですよね」

 そこから僕たちは空一面に広がる花火に夢中になっていった

 夜空に輝く色とりどりの花火はとても美しく、そんな花火を眺めている先輩の横顔はいつも以上に美しく見えた

 

 しばらく時間がたち花火がクライマックスになってきたころ一つの大きな花火が満月の月と重なった

 その時月が薄紫色に光を放った

 「うわぁ……」

 あまりのまぶしさに僕は一瞬目を閉じてしまった

 その時横にいた先輩が

 「悠君ごめんね、ちょっと我慢して」

 そう言って僕の手を掴み走り出した

 さっきの光のせいだ一時的に目が見れなくなっていたためどこへ向かっているかはわからなかったが、僕は先輩を信じてついていった


 山の中をしばらく走って行くと開けた草原へとたどり着いた

 そこは蛍が飛び交いとても幻想的で、美しい草原であった

 「いきなりごめんね……」

 「僕は大丈夫ですよ、何があったんですか?」

 「少し身内の問題で追われてて、巻き込んじゃってごめんね」

 「そうだったんですね……」

 「こっちの道進んでもらったら山下れるから、気を付けてね」

 先輩はそう言い僕を道へと案内した

 「先輩はどうするんですか?」

 「私はここで追手が来るの待ってるから、私が向き合わないといけない問題だし……」

 「僕も力になりますよ!先輩をおいて僕だけ逃げるなんて出来ません!」

 「大丈夫だから、悠君には関係ないよ!」

 「どうしても先輩の力になりたいんです!僕、先輩のことが好きですから!」

 その時僕は今まで先輩に対して抱いてきた思いを口にした

 その言葉を聞いた先輩は驚いた表情をしていた

 僕もいきなり出た自分の言葉に驚き、少し恥ずかしくなり顔をそむけた

 少しの間沈黙が流れた

 その沈黙を破るように先輩が口を開いた

 「ありがとう!私も悠君のこと好きだよ!」

 あまりの言葉に僕は驚き固まっていると先輩が僕の方へと近づいてきた

 「……先輩?」

 僕が困惑している中先輩は優しく僕を抱きしめて

 「好きだよ、悠君」

 そう一言口にした後先輩は僕にキスをした

 僕は蛍舞う幻想的な草原の真ん中で憧れの先輩とキスをした

 いきなりのことに驚いていと、照れくさそうに頬を赤らめている先輩僕のことを見つめていた

 お互い少しの間見つめあっていると、草むらのほうからがさがさと音が聞こえてきた

 音のしたほうへと視線を向けるとそこにはウサギの耳を生やした和服の人がいた

 「姫様、ご帰宅の時間です月へお戻りください」

 そう和服の人が先輩へと話しかけた

 「……姫様?」

 僕が困惑しながら先輩のほうへと視線を向けると、先輩の頭の上にウサギの耳が生えていた

 「今まで隠しててごめんね、実は私月の国の姫だったんだ……」

 いきなりのことに状況が吞み込めていない僕を置いて

 「私、月での姫としての生活が嫌になってこの地球に来て、一般的な生活にあこがれて学校にも通っていたんだけど周りは私のこと特別扱いとして接してきてだから、悠君との何気ない会話や遊んでいる時間がとっても楽しかった!ありがとう!」

 そう言うと先輩は僕に背を向けて和服の人の方へと歩いて行った

 そんな先輩を止めようと声を出そうとしたとき

 「姫様、この人間どうしますか?」

 和服の人が鋭い目つきで僕の方を見た

 「凛、この人は私のとって大切な存在だから一切の接触をしないで」

 そう先輩が和服の人に言った

 だんだんと離れていく先輩に対し僕は

 「先輩……!」 

 そう呼びかけた

 すると先輩は立ち止まり僕のほうへと振り返った

 「悠君、今までありがとう!だいすきだよ!さよなら……」

 そう言って僕の前から姿を消した

 そのとたん僕は酷い睡魔に襲われ僕の意識は闇へと沈んでいった……

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