表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/88

王者の道(5)



《御呼びかぇ?》


 その甘ったるい声色にネージュ、ミルヒは背筋を凍らせた。ヘルツは怯えてうずくまってしまう。


 空洞の天上そらから、それはゆっくりと優雅に舞降りてきた。


《ホホホ、愉快愉快。逃した鳥が自ら遣ってきたのぅ》


 魔体ー第三番サード、リーニエが淫靡な笑みを浮かべて言う。


「こいつらを全員始末しろッ!」


 インハルトが手を振り払って叫ぶ。しかし、それを遮るように声を上げたのはザイデルだ。 


「――待て、リーニエ!」


《おやおや、これは主殿マスター。興奮しすぎて良ぅ見えなんだ》


「リーニエ、俺の言うことが聞けるな。もう殺戮は止めるんだ」


 彼は声色を変えず、静かにそう言った。リーニエはうーんと唸って首を捻る。


第三番サード、何をやっている。さっさと奴等を殲滅するんだッ!」


 インハルトが叫声を上げるが、リーニエは動かなかった。翡翠の双眸がザイデルだけを静かに見つめている。


「しっかりしろヘルツ」


 ザイデルは辛うじて立ち上がったヘルツの肩を抱く。


「いいか、今から言う俺の言葉をよく聞いてくれ。俺達が隙を作っている間に、フレーテ様をこちらに連れてくるんだ。いいな、お前にしかできない」


「そんな、ことできな……」


「こんな勇気のないお前を、クロイツ見たらが何て言うだろうな」


 ドキリとヘルツは顔色を変えた。


 ネージュが振り向くと、「やろう」と声を出さずに口を動かした。ミルヒもヘルツの肩に手を置いて頷く。


「わ、私も、お、お手伝いします」


 陰で震えていたバイスもおずおずとやって来た。


 ヘルツは唇を噛むと、微かに頷く。


「どうした。早く、奴らを殲滅しろッ!!」


《――そう。そう、妾は殺戮の女神よっ》


 強いインハルトの言葉に、彼女は大きく高笑いした。



「違う、リーニエ。それは間違いだ。俺が教えたのは何だった」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ