episode.10【幕間】
今回短いです。
よろしくお願いします。
秋季球技大会から1ヶ月近く経ち、10月下旬になった。学校では、もうすぐあるハロウィンに向けてソワソワした空気が流れていた。
そんな中ーーー
『ねぇねぇ、一織はハロウィンなにするの?』
私、東堂颯はクラスメイトの1人である向田一織とLINEを頻繁に交わすようになっていた。
『うーん、どうしようかなー』
『特になんも考えてないかも><』
絵文字とか使うのが、普段のイメージからは想像つかないな、とLINEを見て苦笑いした。
『そっかー』
『あ、一織くんはやっぱりきのこだから、椎茸にでもなればいいんじゃない?』
『いやなんで笑笑笑笑笑笑』
なんでLINEをするようになったんだっけ、とふと思った。LINEのトーク画面を遡り、話し始めた頃の会話を見ると…教科書の写真を私が送ってほしい、とLINEしたのが始まりのようだ。そこからスタンプの応酬が始まって、学校の小テストになって……順番に見ていくと、随分長く話しているのがわかる。まあ、この人会話のテンポとかが自分と近くて話しやすいんだよなぁ。だからこんな長く続いてるのかな?
『そりゃあねぇ、きのこっていうアドバンテージを上手く使っていかないと?』
来ていたLINEに、我ながら意味のわからない言葉を送り返した。さて、なんて返ってくるかな?
『まあたしかにねー……って、おい!』
『流石向田くんノリツッコミ!』
『まだほとんどツッコんでないよ!!』
『てかそうじゃなくて!!』
『笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑』
ほんとノリが良くて楽しいなーこの人。なんとも言いづらいけど、話してて気が楽と言うかどこに話が着地するか分かるからとてもいい。
『まあ何やるか当日楽しみにしてるわ笑笑』
『期待しといてー、ってハロウィン明日じゃん!』
『ねーめっちゃ早い』
『てか、颯は何やるの?』
『さあ、なんでしょーねー?』
『えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ??!教えてくれないの?』
『ふふふふふふふふふふふふ』
『ちょっと企業秘密かなぁー』
『むううううぅぅ』
『笑笑笑笑笑笑笑笑』
『まあまあ、楽しみにして置いてもらって、っと。一緒に写真とろーよ』
『撮ろとろー!』
これで今日のLINEはひと段落かな、と思いスマホを机の上に置いた。向こうから続けて来ないし、スタンプでも送って終わりかな…?あれ、でも待って、なんか忘れてる気がする…
「あ」
要件を思い出し、ふたたびスマホに手を伸ばす。そうそうこれ聞いとかないとーー
『ねぇ突然なんだけどさ』
私が続きを打っている間に、一織の既読が着いた。
「いや、既読早っ!」
思わず声がでてしまった。そんな私も気にせずーーLINEだから当たり前だがーー返信が届く。
『なしたー?』
せっかく返してくれてるんだし、と気を取り直してメッセージを打ち直す。
『きのこで思い出したんだけどさ』
『うん』
『き〇この山とたけの〇の里、どっち派?』
『えー、うーーーーん』
そこから数分時間が空いた。え、そんなに悩むこと?
『え、そんな悩む?笑笑』
『そりゃあ悩むよ……』
『特大2大派閥じゃないっすか…』
『笑笑笑笑笑笑笑笑』
あるキャラクターが頭を抱えて悩んでいるスタンプが送られてきた。続けてーー
『因みに、パック〇チョとかの選択肢は?』
『なしで!』
『ないのか〜地味にきつい』
『笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑』
『うーん、悩みに悩み抜いて』
お、答えが出そうだ。
『き〇この山で』
え、それってーー
『それって共喰((』
『ねーーーー!絶対それ言われると思った!!』
『笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑』
『だから言うか迷ったのにー!!』
『それでもき〇この山には嘘を付けなかったと?笑笑』
『…………うん』
『笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑』
『嘘はいけないってこれまで教えられてきてるのでー』
『私いい子なのでーーー』
『笑笑笑笑笑笑笑笑』
『とてもいい事だと思いますよ』
『でしょー??』
『……共喰い』
『うるさいなー!』
ほんとにこの人面白いな、と思いながら続きを送る。さて、聞きたいことも聞けたしこの話はおわりにしましょうか。
『明日のきのこ、楽しみにしてるわ笑笑』
『はーい、っておい!』
『きのこじゃないってば!』
『笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑』
怒ったような顔をしたキャラのスタンプが送られ、私もそれに対してスタンプを送り返す。向こうから私のスタンプにリアクションが付いて、今日の会話は終了だ。
私はそこまで見届けてからスマホを机の上に置き、立ち上がった。
「さて、お風呂にでも入ってきますか」
明日のハロウィン、どうなるんだろう。楽しみだな〜。
ありがとうございました。




