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ローザタニア王国物語 〜A FAIRY TALE〜  作者: 月城 美伶
真夏の夜の悪夢 ~Le cauchemar de Vincent~

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第3章 真夏の夜の悪夢 ~Le cauchemar de Vincent~ 第三話

 セシルとシャルロット様は不気味なほど全く人気のないお城の中を駆け抜け、シャルロット様のお部屋があるフロアまで戻ってきて角を勢いよく曲がると、セシルは何かに思いっきりぶつかってしまいました。


「ぎゃっ!!」


勢い余ってセシルは吹っ飛ばされそうになりましたが、そのぶつかった物体…真っ白な制服を少し着崩したヴィンセントがセシルの手を取ってすっ転ぶのを防いで受け止め、そのまま二人は抱き合うような形でストップいたしました。


「なんだ…ヴィンセント様でしたか…よかった…」

「なんだとはなんですか。姫様をお連れしているのに前方不注意ですよ、セシル」

「す…すみません…姫様の危険を回避しようと…急いで走って逃げてきましたので…」

「は?」


ヴィンセントはスッと優しく震えているセシルを支えながら離しました。全力疾走で息も絶え絶えなセシルは、呼吸を整えようと必死に頑張りますがガタガタと震える身体が邪魔をして呼吸を整えることに手間取っております。


「セシル?」

「あ…あの…っ」

「まずは深呼吸して落ち着いてから話しなさい」


セシルは一つ大きく息を吸いました。そしていったん落ち着いたかのように見えましたが、それでもまだどこか動揺しているように見えます。


「ヴィンセント様…何やら怪しい影を…お城の書庫の前の廊下と…中庭で…見たんです。そしてシャルロット様の方に寄ってきたので…一目散に逃げてきました…」

「怪しい影?」

「本当よ、ヴィー!私も見たわ」

「いやいや…動物が森から降りてきてウロウロするならともかく、このお城は人がそう簡単に侵入できない造りになっています。センサーも反応していないし動物か何かの見間違いじゃないですか?」


セシルとシャルロット様の訴えに訝しげなヴィンセントは眉を顰めて二人を見ておりました。セシルは震えてはいるものの少し落ち着いたのか、呼吸がだいぶ整ってきておりました。


「でも…人の影ほどの大きさだったので動物ではないかと…それに尋常じゃないスピードでした…」

「まぁとにかくすぐに警備隊に見回りしてもらいましょう。姫様はお部屋にすぐに戻りましょう」

ヴィンセントはシャルロット様の手を取って足早にシャルロット様のお部屋の方へとエスコートされました。

「姫様、私はセシルを送って行きますから絶対に部屋から出ないでください。私外から鍵かけますんで」


シャルロット様をお部屋に押し込むように入れそう告げると、シャルロット様が何か言う前にドアを閉めて懐から鍵を出してすぐに施錠してしまいました。


「さあセシル、戻りますよ。そしてケヴィンに城の周りを見回りしてもらうように言いに行かねば…」

「は…はい」


ヴィンセントはまたもや早足で歩き出しました。セシルはヴィンセントに置いていかれないように頑張って駆け足でついて行きます。

二人の忙しない足音が廊下に響くのでした。


・・・・・・・・


 「んもぅ!ヴィーったらせっかちなんだからっ!」


ヴィンセントに詰め寄ろうとした矢先に素早くドアを勢いよく閉められてしまったシャルロット様はやり場のない怒りを発散するように、分かりやすく地団駄を踏んでプンスカされておりました。


「それにしても…さっきのは何だったのかしら…人間っぽくなかったし…動物だったのかしら?それともまさか…幽霊?」


シャルロット様がぶつくさ独り言を言っておりますと、いきなり背後からガタンッと大きな音がしました。


「きゃっ!…って…風が吹いただけじゃない…っ!」


肩が上がるほど驚いたシャルロット様は恐る恐る振り返りますと、鍵が甘かったのでしょうか外から吹いてきた突風で窓が開いてしまいました。

胸に手を当てて自分自身に言い聞かせるようにまた大きな独り言を言って窓に近づくと、そっとバルコニーに出て目下に広がるお庭を覗きました。


「確かに…ウチのお城は森と繋がっているから小動物とかキツネとか…動物がよくいるのよね」


所々に外灯はあるものの、真っ暗なお庭はとても静かでした。しばらくお庭をぼんやりと見つめておりますと、スゥッと少し冷たい風がシャルロット様の横を通り過ぎました。

シャルロット様の足元の影がユラッと揺らぎました。そして段々と濃くなっていき、影はシャルロット様と同じくらいの大きさまで立ち上がりました。さしてそのままシャルロット様に背後から覆いかぶさってスゥ…っとシャルロット様の中に入って行きました。


「寒い…」


寝巻きだけのラフな格好だったシャルロット様はブルッと身震いすると、無防備なお肌をさすりながらお部屋に戻り窓をちゃんと閉めると急いでベッドに潜り込みました。洗い立ての石鹸の香りとよく寝られるようにとばあやが焚きしめてくれたラベンダーの香りがするお布団に、まるでシャルロット様は小さい子どものようにグルンっとくるまりました。


「早くヴィー戻ってきてくれないかしら…」


ボソッとシャルロット様は呟かれると、柔らかいお布団の心地よさにうとうととし始め、だんだんと大きな瞳がしょぼしょぼしてゆっくりと閉ざされていきました。


「何だか…とても…眠いわ…」


シャルロット様はそう呟かれると、そのまま小さな寝息を立てて眠ってしまいました。


・・・・・・・・


 「それで?貴女がその怪しい影を見たのはこの辺りですか?」

「はい…」

「何者かが通った跡などはなさそうですけどねぇ。セシル、貴女の気のせいでは?」


ヴィンセントとセシルは先ほどの件の書庫辺りにやってきました。眉をひそめて怪訝そうな表情のヴィンセントは腰に手を当ててキョロキョロと辺りを見回しております。


「ですが私も姫様も何か怪しい影が凄いスピードで移動したのを見たんです!」

「木の影では?先ほどから風が強いですからその見間違いではないですか?」

「そう…でしょうか?」


確かに先程より時折強い風が吹いてきております。その風に揺らされた木の影を見間違えたのではないか…とセシルも一瞬思いましたが、どこかまだ納得がいかないのか考え込むように黙り込んでしまいました。


「まぁとりあえずケヴィンに見回りを強化するように伝えましょう。さぁ行きますよ」

「あ…っはいっ!」


ヴィンセントは埒が明かないと思ったのかフゥッと溜息をつきセシルを促してスタスタと歩き始めました。セシルは駆け足でその後ろをついて行きます。

二人が去って誰も居なくなった書庫の廊下では、どこからか風が入り込んできたのかユラユラと照明が動いておりました。しばらくすると、遠くの方から何かがやって来ました。

お庭から迷い込んだのでしょうか―――…黒い猫が一匹と廊下を歩いておりました。そしてふと顔を上げて、照明の影が揺れているのが映し出されている書庫のドアの取っ手の部分をジ…っと見つめております。尻尾をパタパタしてタイミングを見計らってその影に勢いよく飛びかかると、書庫のドアがギィーっと鈍い音を立てて開きました。頭をコツンとドアに当てて中に入って行くと、窓辺にある棚の上にスッと飛び上がり喉を鳴らしてゴロンっと横になりだしました。そしてそのまま、外の騒ぎを気に留めずに瞬く星明りに照らされながら静かにスゥスゥと寝息を立てて寝入ったのでした。


・・・・・・・・


 「外では見回りで騒がしいのになんて平和な人なんだ…」


セシルを恋人の傭兵ケヴィンに引渡し、警備隊にお城をしっかり見回るようにと命令をして小一時間ほど仕事をした後、シャルロット様の様子を伺おうとお部屋に戻ってきたヴィンセントは、スゥスゥと気持ちのよい寝息を立てて眠り込んでいらっしゃるシャルロット様を見て呆れたようにボソッと呟きました。


「あー…もう布団蹴ッ散らかして…っ!風邪ひきますよ、姫様!」


シャルロット様は非常に寝相が悪く、お布団から身体が半分以上はみ出ております。ヴィンセントはお布団を引っ張ってシャルロット様に被せようとしますが、まるで錘石のように重たくなっており全く動く気配がありません。


「体重軽いくせに…何なんですかこの頑なに動かない感じはっ!」


ヴィンセントは姫様、と声を掛けて肩を優しく叩きます。しかし一向にシャルロット様は起きる気配がなく、寝息だけが聞こえてきました。


「…姫様、起きてください。風邪をひきますからちゃんとお布団に入ってください」


さらにトントン肩を叩きましたがシャルロット様は全く動きませんでした。


「姫様失礼しますよ!」


ヴィンセントが大きな溜息をつき、シャルロット様のお布団に手を突っ込み腰の辺りを支えて起こしました。


「う…ん…」


身体を思い切り起こされ、シャルロット様は起きたのか反応がありました。まだ瞳は瞑ってはおりましたが、眉間の辺りが動き何やら少しお声の反応がありました。


「姫様、私です―――…ヴィンセントです。風邪ひくからちゃんとお布団に入ってください」

「う…」


まだ寝ぼけているのでしょうか、フラフラしたままの様子のシャルロット様はヴィンセントの首に手を回すとそのまままるで抱っこ人形のようにヴィンセントに抱きついたまま動きませんでした。


「え…?」


予想外のシャルロット様の動きに驚いたヴィンセントは動きが止まってしまい固まってしまいました。


「…姫様?…って寝てるじゃないですか。ちょっと離してください。姫様っ!」


ヴィンセントがシャルロット様を引き離そうと首に回された手を優しく取ろうとしました。しかしその手は一向に解けることは無くむしろ強くなっていきます。何だかおかしい…と思った矢先、ヴィンセントはシャルロット様のお顔を見て息を呑みました。

エメラルドのように輝いているはずの瞳が真っ赤に妖しく光り、蛇のような鋭い視線でヴィンセントを見つめております。そして腕の力がまるで屈強な男のようにグッと強くなりヴィンセントの首を絞めつけるように絡みつきます。

苦しむヴィンセントを見てニヤニヤ笑うとそのままヴィンセントを押し倒し、シャルロット様は馬乗りになって上からヴィンセントを見下ろしております。


「姫様…?っ!!」


身の危険を感じたヴィンセントは身体を動かして逃げようとしましたが、何故かヴィンセントは動くことが出来ずにシャルロット様にマウントポジションを取られたままの状態で捕らわれておりました。

シャルロット様は相変わらずヴィンセントを上から見下して妖しい笑みを浮かべておりました。そして瞳が更に赤く光ったかと思うともの凄い速さでヴィンセントの首に手を掛け、信じがたい程強い力で思いっきりヴィンセントの首を絞め始めました。

すぐにヴィンセントも反応して自分の指を手の間に入れて完全に閉められるのを防いでおりますが、それでもシャルロット様の力は強くてギリギリと音を立てて首を閉めようとしています。


「…姫様…っ日頃の恨みですか…っめっちゃ力…入っているじゃないですか…くっ!」


ヴィンセントは必死に逃れようと抵抗しますが、シャルロット様の手に筋がたくさん浮かんでくるほど強い力で締め付けます。


「ぐ…っ!」


ヴィンセントは冷や汗をかきながら、呼吸が浅くなって意識が若干遠くなっていくのを感じました。このままではヤバい…と思い、左手をベッドサイドのランプの方へと伸ばしました。そしてそのまま指を伸ばしてランプを押してベッドサイドから落としました。

ガラスで出来た重厚な作りのランプはガシャンっととても大きな音を響かせて粉々に割れました。

その音に驚いたシャルロット様がふと力を緩めた一瞬を、ヴィンセントは見逃しませんでした。シャルロット様を跳ね除けて今度はヴィンセントがシャルロット様を下に組み解き形勢逆転したようになりました。


「…一体どうしたんですか姫様…っ!じゃないな…お前は誰だ…っ!」


ゼイゼイと荒い呼吸のヴィンセントはシャルロット様の両手を素早く掴んで頭上に置いて固定しました。

ク…ッと一瞬顔をしかめたシャルロット様でしたが、またにニヤッと笑いだしてヴィンセントを見つめています。

バタバタバタ…っと廊下から足音が聞こえてきました。そしてドンドンと激しくノックされると返事も聞かずにすぐさま勢いよく開かれました。


「シャル、何だ今の音は!…って…え?」


ウィリアム様が先程のランプが割れる音に驚かれて慌てて駆け付けたのでしょう。しかしドアを開けてみて別の意味でまたとても驚かれ、言葉を失っておられます。


「え…ヴィンセント…えっ!?」

「陛下!勘違いしないでください!!今、姫様が姫様じゃないんです!」

「え…?どういうことだ…?」

「とにかくっ!姫様の様子がおかしいんです!陛下、危ないから来ないでください…っ!」

シャルロット様が暴れるように動きだし、ヴィンセントを跳ね除けようとしました。

「…っ!なんて力だ…っ!!」

「姫様~っ!!」


再びヴィンセントが押しつけられそうになったその時、ウィリアム様の横をばあやが素早く走り抜けました。そして一目散にシャルロット様とヴィンセントの近くに駆け寄ると、ポケットから何か小さな小瓶を取出し、シャルロット様目掛けて中に入っていた水を振りかけました。

するとシャルロット様は聞いたことの無いような声の悲鳴をあげて苦しみだしました。


「ばあや!?貴女今いったい何を…っ!?」

「ヴィンセント様、危ないから退いてくださいっ!!」


サッとヴィンセントを除けさせ、ばあやはさらに小瓶の水をシャルロット様に振りかけます。シャルロット様はしばらく苦しみ悶えておりましたが、段々とその声が弱くなっていき徐々に動きがゆっくりになっていきました。一瞬ビクッと大きく体が反り上がると、シャルロット様の身体から黒い影がニュッと出てきましたが、段々と影の色が薄くなってフッと消えてしまいました。


「!?」


ウィリアム様とヴィンセントは声にならない声で驚きましたが、ベッドに倒れ込んでしまったシャルロット様の方に急いで駆け寄りました。


「シャル、大丈夫かっ!?」

「う…ん…」


ウィリアム様に抱き起されて頬をペチぺチと優しく叩かれて、眉頭を少しだけ動かされてシャルロット様は反応しました。そしてうなされたように少し声を出されるとゆっくりと大きな瞳を開けられました。


「お兄様…?それにヴィー…?」

「シャル、気分は悪くないか?」

「…ばあやまで一体…何事?…ってあら?どうして私濡れているの??」


ウィリアム様、ヴィンセント、そしてばあやが心配そうにシャルロット様の周りを囲みます。ウィリアム様はばあやに何か拭く物を、と言ってクローゼットからタオルを持ってくるように伝えます。ばあやはすぐに走り出してタオルを持ってくると、シャルロット様のお顔を優しく拭きながら話しかけます。


「姫様ご無事でよかったです~!聖なる水とは言え、水をぶっかけてすみません~!!」

「聖なる水…?」

「ディナーの時に幽霊の話をされていたでしょう?それで念のため姫様にお渡ししようと持ってきたのですよ~!」

「何でそんなん持っているんですか…」

「私の親戚が霊峰と呼ばれるピレーヌの山の近くに住んでおりましてね、奇跡の泉として有名なルドルの泉の水を腰痛持ちの私に少しでも効くようにってよく送ってくれるんですよ。それでね、このお水聖なる水とも言われているみたいでしてねぇ、それでまぁお守りじゃないですけど姫様にお渡ししておこうと思っていたんですよぉ」

「ねぇちょっと…皆さっきから何を言っているの?」

「シャル何も覚えていないのか?」

「何のこと?私、ずっと寝ていたんじゃないの…?」


シャルロット様は全く皆が話していることの内容が分からない様子で大きな目をパチクリさせながらウィリアム様に問いかけます。ヴィンセントはマジか…と言ったような表情で頭を抱えると、ウィリアム様とアイコンタクトをされて頷き、制服の乱れを整えました。


「シャル…お前は…多分幽霊に身体を乗っ取られていたんだ」

「えっ!?ど…どういうこと??」

「にわかに信じられん話なんだが…さっきのお前は今まで私たちが見たことがないような行動をしていたんだ。それに…尋常じゃないほどの禍々しさが溢れていたんだよ」

「…え?」

「姫様、先ほどのことは何も覚えていらっしゃらないんですね?」

「えぇ…」


ヴィンセントがいつもよりちょっと優しいトーンでシャルロット様に問いかけると、シャルロット様は困惑しながら小さくそう呟きました。

その答えを聞かれたウィリアム様とヴィンセントは顔を見合わせ、すぐにウィリアム様は優しくシャルロット様の手を取りギュッとシャルロット様の肩を抱きました。


「お兄様…?」

「ヴィンセント、明日は朝一番で大司教の所に行こう。その手筈を頼む」

「承知いたしました」

「シャル、今日は一緒に寝よう。さぁおいで」

「えぇ…」


ウィリアム様に優しく手を取られてベッドから出ると、シャルロット様はフラフラと足取りで歩き始めました。ウィリアム様はすぐに危ないと駆け寄りシャルロット様を抱き上げました。


「きゃ…っ」

「ふらついていて危ない。このまま私に掴っていなさい。ばあや、すまないがガラスを片付けておいてくれるか?私はシャルロットを休ませるよ」

「かしこまりました」


ウィリアム様は颯爽とシャルロット様を抱きかかえたまま自室へと戻って行かれました。シャルロット様は少し恥ずかしそうでしたが、どこか嬉しそうに照れ笑いをしたままウィリアム様の首に腕を回してしがみつく様に抱かれておりました。

お二人がお部屋から出て行かれると、ヴィンセントとばあやは顔を思わず見合わせました。


「ヴィンセント様大丈夫でしたか?」

「まぁ…大丈夫と言えば大丈夫ですが…何かこう…なんていうんですか?こう東の国の言葉で言う『キツネにつままれた』様な感じです」

「的確な表現ですよね…。しかしまぁ…とんだ災難でしたねぇ」

「全くですよ!まぁ被害者は私で良かったのかも知れませんね。陛下の身に何かあったら一大事です」

「そうですねぇ」

「幽霊ねぇ…。本当に居るものなんですかねぇ」

「何とも申し上げられませんねぇ。ですが先程私たちの目で見たことが本当であれば…居るのかも知れませんねぇ」

「…幽霊でも会いたいと願えばもう一度会えるんでしょうか」

「え?」


ポツリと独り言のようにヴィンセントは呟きました。ばあやは聞こえなかったようで聞き返しましたが、ヴィンセントはすぐに話題を変えてしまいました。


「…いえ、なんでもありません。さぁばあや、早い所片付けましょう。明日も早いですから」

「はい…」


ばあやは箒を取りに走って部屋を出ました。ヴィンセントは少しシャルロット様のお部屋を見回したあと、そのまま静かに部屋をあとにされたのでした。

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