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不変と恋の戦争物語  作者: 萩原慎二
夏の花咲く恋日和
37/41

誘拐犯は純情の持ち主

前回のあらすじ川柳

       茜連れ

        蕁麻楓

         去ってった

少し落ち着こう。

茜が楓に連れて行かれて、まだそこら辺に居ると思ったら居ない………どう言う事なんだよ。

やばい、茜がどこに居るのかが完全にわからなくなった。

きっと遠くには行ってないだろうが、そもそっも一階か三階のどちらに行ったのかもわからん。

しかし………なぜ茜は抵抗をしないのだろう。

何か理由があるのか、それともただただ面倒臭がっているだけか………。

まあいい。とりあえず探そう。



ただ我武者羅に探していても意味が無い。ある程度検討をつけてから探そう。

さすがに茜でも、校内から出ようとしたら抵抗はするだろう。

それに、人の目がつくところには居ないだろう。

茜はそれなりに有名だから、見かけて気がつかない人はあまり居ない。

それに、茜が有名になるに伴って、いつもそばに居る俺も少々有名になった。

なら、クラスのやつらに見つかったのなら、不思議に思われて俺に連絡が来るだろう。

なら後は、空き教室・屋上・人気の無い階段とかか………。

だめだ。候補が多い。

一階と三階。もしかしたら二階もあり得るが、そんな広範囲&候補多数な状況、一人で探すのは無理がある。


なら、もう一人呼ぼう。

俺は、ポケットから再び携帯を取り出して、履歴から電話をかける。

電話は3コール鳴って、そこでやっと繋がった。


「翌檜。俺だ、正木だ」

『ああ、まあ表示でわかるがな。どうした?』

「単刀直入に言うが、茜が誘拐された。犯人は同じクラスの楓だ。苗字は知らない。探すのを手伝ってほしいんだ」

『なるほどわからん。本当なのかそれ』


まあ………疑いたくなるのはわかる。実際俺も最初は戸惑ったからな。


「事情は見つけた後、部活で説明する。とりあえず今は手伝ってくれ」

『………まあ、わかったが。何も言わんさ。で、俺はどこを探せばいい?』

「とりあえず一階を探してくれ。空き教室とか人目が少ないところとか」

『ああ、わかった。それじゃ』


そう言って、翌檜は電話を切った。

これで、とりあえず俺は三階と屋上を探すだけでよくなった。

一階は翌檜に任せて、俺はさっさと三階へ行こう。



三階へ着いて、俺は空き教室をあらかた回った。

しかし、茜と誘拐犯がもし一階に居なかったら、居場所は屋上でほぼほぼ確定だろう。

それを確認するため、俺は携帯を手にとって翌檜へ電話をかける。


「翌檜、俺だ。とりあえず三階には居なかった。そっちはどうだ?」

『一階には居ないな。とりあえずだいだいは見て回ったけど』

「おう、わかった。後はもういいから部室へ行っててくれ」

『ああ、あんまり遅くなるなよ』


そう言って翌檜は電話を切る。

さて………後は屋上に行ってチェックメイトだ。

俺の予想が正しければ、二人は屋上に居るはずだ。

もし、校内から出ていればその時点で詰み。今日の内で発見することはできないだろう。

だから、

屋上に居てくれることを望む。



そして、俺は勢い良く屋上の扉を開ける。

しかし、そこには人の影すら無かった………。


「………はあ、いなかったな。ダメだ。もう手詰まりだ」

「と、言うとでも思ったか?後ろに居るのはわかってるぞ。誘拐犯さん」

「あれ、ばれてましたか」


俺は後ろを振り向く。

屋上の入り口の上。梯子を登って行けるそこに楓は居た。

すぐ隣には茜が居て、楽しそうにニコニコ微笑んでいる。

この状況楽しんでるの?こっちは探すのにすごい苦労したのに。


「茜てめぇ………何で楽しんでやがんだ」

「いや、誘拐されるのってこんな感じなんだなぁって」

「それで?随分と楽しんでいるみたいじゃないですか?こっちの苦労も知らずに」


まあ、ここで茜を説教しようとしても意味が無い。説教したいのは楓のほうだ。


「それで、誘拐犯。目的は何だ」

「あなたに話す義理はありません」

「はあ………犯人が強気な態度を取るなんて世も末だな」

「わかったらさっさと消えてくれませんか?」

「急に毒舌だなぁ………性格変わりすぎじゃない?二重人格?」

「いいえ。こちらが本当の姿ですよ」

「そうですか………」


驚いた。

いつも周りに振りまいている笑顔は嘘で、こっちの方が本性だったとは………。

まるで俺みたい。


「とりあえず、茜を返せ。もう部活が始まってんだ」

「それでハイどうぞ、って返すとでも思っているんですか?それなら誘拐なんてしませんよ」

「だよな………なら、本当に目的話してくれない?じゃないとただの意味のわからない行動に捉えるよ?」

「そうですねぇ………このままじゃ埒が明かないので、話すとしますか」


コホンと咳をついて、楓は話し出す。


「私、可愛い物を集めるのが趣味なんですよ。だからです」

「うん………うん?」

「だーかーら、可愛い物を集めるのが趣味なので!茜さんをさらったんですよ」

「ああ………理解したわ」


うん、理解した。こいつはヤベェ奴だ。

可愛いものが欲しいからって人さらうとか、頭の螺子五・六本くらいぶっ飛んでんじゃないの?


「それで、どうしたら返してくれる?」

「なら………勝負です!茜さんを賭けて勝負です!」

「嫌だ」

「よし!なら内容は………ってえ?勝負しないんですか?」

「ああ………別に勝負すること自体はどうでもいいが、景品として茜を賭けたくないんだ」

「ま………正木!」

「………あれって、素でやってるんですか?」

「うん、だいたいは素だよ」


茜と楓がヒソヒソと話しているが気にしない。


「それより、本当に返してくれない?」

「なら………なら!どちらが茜さんにふさわしいのか勝負です!」

「ああ、それなら良いよ」

「あ、良いんだ」

「よし!そうと決まればさっそく勝負です!家庭科室に来てください。私は先に行ってます!」


そう言って楓は俺達を置いて家庭科室へと走っていった。


「………部室行くか。茜」

「ええ………うん、まあわかったよ………」


そう言って、俺と茜は文化研究部へと歩いていった。

楓との勝負には目もくれず………。

萩原慎二です!

随分と茜の回?が長引いてる気がしますが、とりあえず気にしないことにしました。

もう一話分、もしくは2話分くらいは使う可能性はあるので、皆さんが楽しめる作品を作れるように努力します!

誤字脱字、感想等も受け付けております。

ブックマークなどしてくれると嬉しいです!

次回予告川柳

    勝負して

     楓と正木

      どちら勝つ?(そもそも勝負は?)

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