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不変と恋の戦争物語  作者: 萩原慎二
春恋編
17/41

テストの希望と絶望

前回のあらすじ川柳

       歓迎会

        腕が折られて

           正木死ぬ(すぐ治ったよ!)

体育祭が終わり、文化研究部限定一年生歓迎会も終わった。

今更ながら紹介するが、我が学校『楼陽高校(ろうようこうこう)』は、夏休みが他の高校に比べて少々長い。

そのため、今の季節は夏休みをどのように過ごすかを計画している生徒が多数いる。

もちろん。文化研究部の皆も楽しみながら考えて………る訳ではない。


「正木さん………テストが不安です………」

「牡丹が?珍しいな」

「そ!そんなこと無いですよ。あんまり成績よくなくて」


そう。夏休み前の定期テストについて悩んでいた。

俺と山吹先輩以外が。

うちの部員は成績が中の上。もしくはTOP10に及ばない者が多い。

俺と山吹先輩が飛び抜けているだけで、勉学面では普通な者が集まっている。

こうやって自画自賛をしているとおかしいように聞こえるが、自覚してないたちの悪い天才よりはマシだと思っている。


「………というか、私と石蕗以外は成績はどうなんだ?あまり把握してなくてな」


そう山吹先輩が聞くと、皆深刻な顔をして言う。


「13位です………」

「22位よ」

「52位!」

「9位です」


それぞれが答える。

茜だけ酷くね?

でも。この学校は各学年約200人で、その中で50位くらいならまあまあいいはず。

けど。山吹先輩にはそう思われておらず、少しのお説教を食らった。


「お前ら、皆勉強をしろ!」

「「してますよ〜!!」

「してるのにこの順位か!?もう少し上げられないのか!?」

「が、頑張ってはいるんですよ………」

「頑張りが足りないから満足した順位を取れないんじゃないのか?」

「……………」


後輩'sが山吹先輩に叱られている。

それを見てすこし心がチクリとした。確かに山吹先輩は頭が良い。それは俺でもびっくりするぐらいだ。けど、それが人を貶していいと言うわけではない。


「山吹先輩、それくらいで止めておきましょう」

「だがな!」

「怒る前に勉強をしましょう。その方が効率が良いです」

「………す、すまない。少し感情的になってしまった………わるかった。鬼灯と七竃」

「い、いえ!全然いいですよ!」

「ええ………全然いいわよ………」


山吹先輩の謝罪を聞き、牡丹はなんともないと振る舞っているが、皐月は見るからに落ち込んでいる。

………どうしたものか。

そう考えていると、茜がそっと手を上げる。


「べ、勉強会をしてはどうでしょうか」

「勉強会?そんなの、効率が悪いのでは無いのか?」

「いや!ここは頭が良い部長と正木がそれぞれに教えるのがいいと思いますよ!わからないところをスラスラ教えれるので」

「ふーん………なら、私は2年生に教えた方が良いだろう。石蕗は1年生に教えた方がいいな」

「そういうことです!早速やりましょう!楓、行くよ!」

「は、はい!」


そう言って茜と楓は勉強道具を持って山吹先輩へと突撃していく。

そのとき、茜がホッとした顔を見せたのを俺は見逃さない。

あいつ………空気を変えることができたのか!


「ま、正木さん………勉強。教えてくれますか?」

「正木!べ、勉強教えなさい!」


後輩'sがお願いをしてくる。目には山吹先輩に叱られたからか少し涙が浮かんでおり、その姿はとてもとても萌えます。


「いいぞ!何でも聞いてくれ!」


俺の光の速さ並みの即答が決まって、皆は勉強をすることとなった。

………毎回思うけど、この部活もう『文化研究部』って名乗らないほうがいいと思う。ほとんど活動してないし。

というかそもそも顧問すら知らない。山吹先輩は知ってるようだが、口外を禁止されているらしく、教えてくれない。

………大丈夫なの?この部活。





只今、文化研究部にはシャーペンの芯と紙が擦れ合う音しかなっていない。

勉強会とは何か、そもそも山吹先輩はそれを知らなかった!

茜の質問のマシンガンには対応しているが、顔を時々見るととてもイライラしているように見える。


「正木さん。ここを教えてもらってもいいですか?」

「んあ?すまん。どこだ?」

「ここです。解き方がわからなくて………」

「ああ、ここはな。こうして…………こうすれば解けるぞ」

「こうだけじゃわかりませんよ………」

「す、すまん」


山吹先輩の心配をしている暇では無かった。

牡丹は13位。皐月は22位。二人とも高くはあるが俺や山吹先輩と比べると低い順位。教え甲斐がありそうだが、残念ながら俺の説明は感覚的な物が多いからあまり役に立っているようには見えない。


ふと外を見ると、雨が降っていた。そんなに強くはないが、しばらく止みそうには無いだろう。

………お茶でも淹れるか。

皐月と牡丹はあまりわからないことは無いようだし、皆に淹れてやるか。

そう思って立ち上がろうとすると、牡丹と皐月に袖を掴まれる。


「ん?どうした?二人とも」

「正木さん………私、実は理系が全然だめなんですよ………教えてくれませんか?」

「わ、私もね。理系がちょっと………苦手だから。教えてくれない?」

「そうか、わかった。徹底的に教えてやるよ」


そう言って、試しに数学のテストを二人に出してやる。丁度今回の範囲のところで、応用を少なめで出してやった。

すると、何ということでしょうか。

応用だけ全て間違っているじゃないですか。しかも両方とも。

………え?ここまで苦手で前回大丈夫だったの?


「お前ら………これは」

「うう……今回は丁度難しい範囲から出てくるので。あんまり自信が無いんですよ………」

「私も……これはだめだわ」

「うーん………まぁ、とりあえずどこらへんが苦手かはだいたいわかったから、それぞれ克服していこう」

「「今の短時間で!?」」


俺達の効率はどんどん上がっていく。

後輩に教えるのは楽しいし、復習にもなる。一石二鳥とはこのことを言うんだろう。


教えてるときに、山吹先輩と茜のやり取りが聞こえてくる。


「山吹先生!できました!」

「どれどれ………全部間違ってるじゃないか!?何故だ!?」

「あれれ?山吹先生に教わった通りやったのに………」

「私はこんな方法を教えた覚えはない!やり直すぞ!」

「サーイエッサー!!」


………まぁ、先程みたいにギスギスした雰囲気じゃなくて良かった。

あの雰囲気が続いていれば俺も教えづらくなるし後輩'sも聞きづらくなるだろう。


「正木さん!次は理科を教えてください!」

「理科を教えなさい!」

「おう!わかった。皐月、言葉は丁寧にな!」

「うるさいわよ!勉強に集中しなさい!」


そして俺は科学の問題を作っていく。

中学の基礎ができていれば大体はできるから基礎がほとんどでいいだろう。

すると、何ということでしょうか。

半分くらい基礎が間違っているではないでしょうか。

………理系教科が駄目なのは本当らしいな。


「お前らには科学の基礎を1から詰め込んでやる!」

「はい!お願いします!」

「頼りにしてるわよ!先生!」

「とりあえず用語を覚えろ!完璧に覚えるまで今日は帰さないぞ!」

「なら泊まります!」

「おい、牡丹?」


少しでもスイッチが入れば皆集中してくる。

まあ、もともと勉強ができない子達ではない。集中すれば頭にスラスラ入り、結果に反映されるだろう。

後輩'sが暗記している間は休憩だ。今度こそお茶を淹れてこよう。

お茶を淹れようとしていると、今度は山吹先輩と楓の声が聞こえてくる。


「先生。こうでしょうか!」

「ふむ………うん!大体いいぞ。次は更に難しい問題を出すから、なるべく全部解け」

「はい!頑張ります!」


楓はビシッと敬礼のポーズをして問題を解き始める。

山吹先輩も俺も、だんだんと良い教え方がわかってきたようだ。

皆の学力は目に見えてわかるほど上がっている。この調子で行けば全員TOP10に入れるのではないだろうか。茜が少し危ないが。


少し時間がたった後、牡丹と皐月がバッと顔を上げる。


「正木先生!覚えたと思います!テストをお願いします!」

「おう。じゃあ行くぞ!」

「はい!」

「物理からの問題。位置エネルギーと運動エネルギーの和を何と言う?」

「仕事率です!」

「やり直せ!!」


牡丹が本当に13位を取ったのか疑ってきた。いくら文系の教科でいい点を取っても13位に入れるとは思えない。

得意分野があるのだろうか。


「正木!次は私よ!」

「おう!じゃあ行くぞ」

「科学からの問題。酸性の水溶液とアルカリ性の水溶液を混ぜ合わせたときに起こる、お互いの性質を打ち消しあう反応をなんという?」

「大和反応!!」

「どうしてそうなった?やり直せ!」


やばい………後輩'sの理系のできなさが心配になってくる。

本当よくこれで高順位取れたな。

というかなんだ、大和反応って。

何?小どころか中も通り越して大まで行っちゃった?大丈夫この人。


「正木先生!お願いします!」

「私もお願い!」

「よっしゃ行くぞ!」

「生物からの問題。糖に反応して赤褐色の沈澱がおきる溶液のことをなんという?」

「「ヨウ素液!!!」」

「惜しいけどやり直せ!!」


そんな感じで勉強会は進んでいった。

グダグダではあるが、まあやらないよりはマシだろう。



「それで、お前らはちゃんと勉強になったのか?」

「はい!正木さんのおかげで理系教科がだいぶ強化されました!」

「さつきは?」

「私も、それなりには上がってると思う」

「そうかー………うーん………心配だな………」

「お前は過保護過ぎるんだ」


ポンと、丸めた教科書で頭を叩かれる。

振り返ると、そこには丸めた教科書を装備した山吹先輩が立っていた。


「あれ、二人はどうしました?」

「ああ、茜と楓なら飲み物の買い足しに行ったよ」

「そうですか………テストまで後少しですし、もっと勉強したいんですがね……」

「うーむ………なら、どこかファミレスでやるのははどうだ?今更部の夜間使用は通らないだろうし、そこならあんしんして勉強ができるぞ?」

「え?でも、ファミレスって店員さんとかの迷惑になりませんかね?」

「そこらへんは大丈夫だ。私の父の友人が開いている府がある。そこなら多少文句は言われないだろう」


流石山吹先輩。

お家の関係って便利だなと改めて理会した俺だった。




それから何日間も同じようにテスト勉強をして、それぞれは力を蓄えていった。

そしてテストが終わり………。


「おい、お前達。テストは何位だった?私は1位だ」

「俺も1位でした」

「私は3位でした!」

「私は23位!かなり上がった!!」

「9位です!正木さん。ありがとうございました!!」

「12位。ふん!まぁ?当然の結果よ!」


とまあ、皆はそれぞれが良い結果を出せたので良かった。

しかし、勉強会の疲れか俺と山吹先輩以外の皆は翌日軽い風邪を引いて一日休んだ。

お疲れ様!

まいど!萩原慎二です!

最近なんかハイペースじゃね?って思うようになりました。

話速えよ!って方は文句でも言ってくれれば嬉しいです。

誤字脱字、感想等も受け付けております。

ブックマークなどしてくれると嬉しいです。

次回予告川柳

    合宿はね

     買い出しから

       始まります(また買い物かよ)

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