3品目 唐揚げ殺人事件
今日は唐揚げの気分かな。
昼飯を食べた後、見つかった死体の場所へ行く。運転はもちろん自分、松尾。助手席には相変わらず澤田が乗っている。
「澤田さん今回の死体はどんな人なんですか?」
「驚くなよ松尾。」
「えっ、はい…」
「今回は今、一世を風靡している超人気女優の空井 藍だ。」
「えっ!?そ、空井藍ってあの!?」
「そうだ。俺の娘も好きなんだよ…」
「超綺麗ですもんね…前に見たテレビでは女性からも男性からも人気で様々なジャンルの役を完璧にこなす、演劇の女神に愛された人だと紹介されてました。」
「あぁ、努力家でストイックな1面も持って誰からも愛されるような人が…こんな死に方とはな…」
「こんな死に方?」
「さっき電話で神田が軽くどんな状況か教えてくれたんだよ。」
「どんな状況なんですか?」
「もう着く、見た方がはやい。」
「わかりました。」
現場は空井藍本人の家らしく、家の周りには野次馬が集まっている。中に入ると神田がおり、死体のある場所まで連れていってくれた。現場はお風呂場だった。
「ウッ…」
「す、すごい匂いだ…」
「油の匂いです。」
平然とした顔で神田が言う。先に着いていたから慣れているのだろう。お風呂場を除くと、空井藍の死体が猫足のバスタブに全裸で入っている。バスタブは水ではなく油で満たされており、空井の死体は肩まで油に使っている。
「ひ、酷いな…」
「後、やはりまたあれがありました。」
神田は前と同じ封筒を手渡してくる。封筒には『唐揚げ』と書かれている。
「またか…」
「あのオムライスの時と同一犯ですかね…」
封筒を開け、中に入っている3つ折りの紙をだし読む。やはり、小説のような書き方の文章。
『彼女は唐揚げが食べたかった。しかし、彼女の親はそれを許さなかった。唐揚げのような油物は太る原因になると、彼女の口に入れさせることは無かった。彼女は人生で1度も油物を口にさせて貰えなかった。そうして親の引いたレールに沿って女優となった。しかし、相変わらず親には油物を禁止されていた。食べたい、この口に1度でいいから入れたい。彼女は願った。ここまで執着しているのはきっと幼少期から彼女は食べさせて貰えなかったからでは無いだろうか。きっと彼女の人生がこのようになったのは彼女の親が彼女を束縛し、苦しめたからでは無いだろうか。私も悪魔ではない。彼女には食べたかったものを食べさせてあげたとも。とても、喜んでいたよ。私はいいことをしたよ。ねぇそう思うだろ?』
「こいつ…ふざけやがって!」
「最後方の文章は警察への当てつけ、ですかね…」
「早く捕まえなければ…」
神田に封筒を返し、現場を調べる。




