表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現代陰陽師生活  作者: さば
7/18

紬の修行

俺たちは昼間の買い物を終えて自宅に帰ってきた。そして夕食を済ませ紬と二人で練習のため庭に出た。


「紬が契約している式神は犬神だっけか?」


「うん、お父さんも雪さんも最初は犬神がおすすめだって言ってたから。それに私も最初は犬系か猫系がいいなって思ってたから!」


流石に父さんも助言して、雪が面倒見てるんだもんな。それに自分の意志で決めてたみたいでよかったよ。たいていの場合これにしなさいって決められたパターンだと上手くいかなくなるからな。


「それならよかった。それに犬神はいい選択だよ、あの子たちはこっちがしっかり大事にすれば同じようにこちらを愛してくれるからね。それに契約者とともに成長するとも言われてるんだ。大事にしてあげてな。」


「うん!私ね葵の契約してる犬神のクロちゃんが最初に見た式神だったからね、二人みたいなパートナーになりたいんだ!」


そうか…そういえばあの時が紬が初めて陰陽師を見たときだったのかもな…


そう思うと感慨深いし、なんか紬が元気で嬉しいよ。


「必ずなれるよ。俺がそばで教えてあげるしね!まず犬神は一日にどれくらい呼べるの?」


「うーん、まだ2時間くらいが限界かなあ…。これって少ない?」


俺が使う式神術と日本の陰陽師が一般に使う式神術の違いはここにある。一般的に高位の精霊は別としても、犬神のような比較的契約しやすい下位の式神に対しては戦闘など必要な時にのみ呼び出せばいいという認識である。それは召喚や維持にも霊力を使うためとされるからである。そして高位精霊たちは自分の霊力や魔力で存在を保てるため例外とされている。しかし実際には下位の式神であっても契約者との絆や繋がりのようなものが強まるたびに消費される霊力は少なくなる。


「理想で言えば犬神なら常に出せるようになるといいかな。みんなは俺の式神術がが特別だとか霊力が多いからできるって言うけどね、みんなできることなんだ。頑張ればね。それもよほど特別な精霊でもない限りは必ずね。まずは毎日呼べる限界まで呼んで遊んであげるといいよ。少しずつそれで仲良くなることが大事なんだ。」


「葵の式神たちがずっと呼んだままにできるのはみんなと強い繋がりを持ってるからってこと?そしてそれがさらに強い信頼を生み出す…ってことだよね…?」


「そうなんだよ!紬は優しくてかわいいからね、きっと式神と信頼関係を築けるよ。それに紬は俺の式神にも懐かれてるからね、自信をもって接していくといいよ。」


精霊の中には男じゃないとダメとか女の子じゃないと嫌だとか制限のあるやつも珍しくないからな、素質だけじゃどうにもならないこともある。まあそういう条件とか相性も大事になるけどそんな情報ばかり仕入れてもまず仲良くなる方が早いからな。実践あるのみってやつだ。


「とりあえず呼んでみるね。けど私の犬神ちゃん見ても笑わないでね…?なんかみんなが呼ぶ子たちとちょっと違うの…。私はかわいいし好きなんだけど…ちょっと変だって言われることもあるから…。」


人の式神ちゃんを笑うなんて失礼な奴だな。個性があるからな、式神にも。


「お父さんも笑いはしなかったけど、変わった子だなって苦笑いされちゃって…。」


あーの親父まじかよ!まあきっとフォローしようと思ったんだろうけど不器用すぎるよ!


「じゃあいくね!ポチ!来て!」


ポチって名前のセンスは俺に近いな…。きっといい陰陽師になりますよ、これは。


「わん!」 


グレーっぽい毛並みの子犬?くらいの大きさの子が召喚された。


「ねえ?小さいでしょ?みんなこんなに小さい子どもの犬神は見たことないって言うの。もっと幼い子でももっと大きい子を召喚できるんだって。私センスがないのかなあ…。」


んー何から言うべきかだな…。 いやだってさあ…こいつそもそも犬じゃねえよ!

わん!って鳴いてるけどさあ…俺の目はごまかせないんだよなあ…。


「…あー紬よ、犬神ってのはね犬の妖なんかをまとめた呼称なんだよ。そういう観点で言うとさ、この子はね犬神じゃないです、狼です。狼の妖はもう一種の高位精霊だから今の紬の霊力と相性が良かったのがこの子だったんだと思うよ。向こうが気に入ったのかもね。センスの話になるとかなりいいと思うよ。狼はかなり貴重だし、子どもはめったに見るもんじゃないから父さんも気付かなかったんだろ。」


俺はフェンリルなんかを連れてきたりしてるし狼系の子どもを見てるからわかったけど、初見じゃ一瞬だまされたかもな。とはいえまさか狼系が来るとはなあ…。最初の式神としては難易度が高いかもな、まあ子どもなのは救いか…。


「じゃあこの子と仲良くなっていいんだよね!?やったあ!ポチ!改めてよろしくね!」


まあ嬉しそうだからいいか!正直この子くそかわいいし!慣れたらフェンリルちゃん紹介するか、両方とも女の子だから仲良くしてくれるといいけど。


「まあとりあえず呼べるだけ呼んであげてよ、けど最初のうちは家の敷地内でね。あとは改めて父さんにも紹介した方がいいかなあ…。」


「でもなんでこの子と契約できたんだろう…。私は犬神とって思ってたの。違う種族の子が来るのは珍しいんだよね?」


「んー多分だけどね、紬は俺のクロがイメージが強かったんじゃないかな。それもあの子の大きくなったバージョンの。それでイメージがオオカミに寄ったのと、あとは何によりポチちゃんが紬と契約したかったんだろうね。あ、あともしオオカミだってなって名前のイメージが合わなくなったら早めに違う名前を付けるのも手だよ、イメージのずれは少し大変だし式神側の混乱しちゃうからね。」


「んー確かにオオカミならポチって感じじゃないかも…?よし!じゃあ毛の色が灰色だからグリスよ!よろしくね!」


「わん!」


まあ紬に頼もしい味方ができそうでよかった!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ