再会
「あーよーく分かったよ、俺の息子がどんだけトラブルメーカーかがな。なまじ才能あるくせに陰陽師やらねえから外で環境変えさせたら今度はもっと面倒なこと持って帰ってきたなほんと…」
案の定帰宅早々に怒られる俺、それを見る妹の紬。 姉の椿なんて飽きて部屋に帰っていった。 全くなんでこんなことに…
こんなことなら先に帰って怒られるべきだったな…
俺のプランじゃ久しぶりの再会とかっこよくなった兄を見せる予定が、紬からしてみると帰ってきたら兄が父親に怒られ呆れられ 計画通りとはいかなかったぜ
「イギリス、イタリアからは許可取ったんだよ。まあ俺もミカエルなんて大物が出てくるとは思ってなかったけどさ!けどこれって俺悪いかなあ!」
報酬は何がいいって聞いてきたから天使との契約にチャレンジさせてほしいっていっただけなんだよ。だって天使なんて日本じゃ契約する機会なんてないからさ…
ちょっとした好奇心だったんだよ!そもそも何年もミカエルと契約できたやつがいないとか日本に天使との契約者がいないのも俺のせいじゃないじゃん…
「まあなんだ、とりあえずお前ミカエルとかフェンリル君とか外で出したりしゃべったりすんなよ。少なくともお前が陰陽師やるつもりないならこれ以上自分の価値を高めるようなことはしない方がいい。お前が5歳くらいのときに鳳凰との契約に成功した話が流出したのが今でも縁談話につながってんだ。」
鳳凰ってのは俺が最初に契約した精霊で朱雀とか不死鳥とかも同じ存在らしい。まあ不死鳥は複数個体がいるって話もあるけどな
「さすがに雪とか光明以外には話してないし話すつもりもないよ。って言ってもどっかから話は漏れるだろうけどね。」
実際光明も俺が海外でなんかやったってことは知ってたからな。エクソシスト連中から情報が漏れるのも時間の問題だろう。ま!漏れたら漏れたでそん時考えようか!
今から考えたってしょうがないしね
「まあ葵よ、なんにせよとりあえずよく帰ったな。もう少し説教が必要かと思ったが、紬もお前と話したそうにしているからな。」
しゃあー!説教終わり!長かったぜほんとに…
「さあ紬おいで、話したいことがいっぱいあってね。少し長くなるが付き合ってくれるか?」
「はい!私も話したいことがいっぱいあったんです!私いま雪ちゃんのところで陰陽師としての修行してるんですよ!」
なんだと… 俺は妹の陰陽師デビューに家を留守にしていたというのか…
しかも雪のところってことは世良のやつ知っていやがったな…!
とはいえ紬が陰陽師を目指すとはなあ…感慨深いぜ… けどまあ不安がないって言えば嘘になるな
「調子はどうだ?順調か?紬のためなら俺は全力で協力するぜ。使い魔の扱いなんかはいまでも得意なんだよ。」
「雪ちゃんもそう言ってました。陰陽師として最高の才能を持ってるって、私もそう思います!」
陰陽師になって妹からちやほやされるのもありだな…
とはいえ雪がそんな風にねえ… あいつにも面倒ばかりかけてるな。
「ちょっと!お説教が終わったなら教えてよ!私も葵と話したかったんだから!」
このいま騒いでいるのが姉である。紬が可愛い系なら姉の椿はきれい系であるといえるだろう。しかしまあお世辞にも性格がいいとは言えない。というのも俺のことも紬のこともかわいがってはくれているがよその家や敵にはかなり苛烈である。普段は別な家で一人暮らししているが今日は俺の帰宅に合わせて帰ってきたらしい。陰陽師としてかなりの能力を持っており父さんを除けば現状の久我家のエースでもある。見た目に合わずかなりのパワータイプで俗に言う魔法的なものである呪文もメインは身体強化系である。
「はいはい落ち着いて、別に葵も今日また帰るとかじゃないんだから。紬はお説教の間もおとなしく待ってたんだから少しは譲ってあげなさい。」
このめちゃくちゃ落ち着いた女性が俺の母である。出身はほとんど一般に近い家系であるがうちじゃあ一番肝が据わっていると思う。俺が絶対に逆らわないと決めている存在でもある。
「まあ俺も話したいことはいっぱいあるしさ、みんなで落ち着いて話そうよ…」
この騒がしさもなんか家に帰ってきたなって感じがするよ
向こうじゃあ世良と基本二人だったからな、モデルの仕事関係の人もさすがに家には呼んでないしね。
「じゃあ葵くんの膝の上乗ってもいいですか…?」
かわいいなまじで!やっぱり帰ってきてよかった!散々説教されたし呆れられたけどさ!
「大歓迎です!」
ーー翌朝
「今日はどこに行くんだ?」
「父さん、いやあ雪ちゃんのところにね。俺がいない間に紬も世話になったみたいだし、そのお礼と編入する高校の話が聞きたくてね。そろそろ始まるらしいからさ」
冷静に考えると俺のいない間に妹の面倒と昨日も俺らの迎えにまで来てもらったからな、感謝しかないよ。
「帰国がギリギリになってしまったもんな。まあ事情を聞いたらむしろよく帰ってこれたよ。それから紬が陰陽師目指してるって話、黙ってて悪かったな」
やっぱり俺だけ聞かされてなかったパターンか?まあ確かに聞いてたら反対してたかもな…
「いやいいよ、あいつが自分で選んだことだからさ。なんなら俺より大人っぽくなってるかもな。じゃあ出かけてくるよ」
ーー
「葵さ、向こうでちゃんと勉強してたの…?明日から通うのに全然勉強できないじゃん…」
ふ、まさか自分でもここまでできないとはな… てか日本の高校生すごくね?
英語と国語以外全くわからん!数学なんて聞いたことないことばっかりだよ!
あ、歴史はちょっとわかる…!
「基本イギリスじゃあ勉強って勉強はしてなかったなあ。仕事か遊んでるかの二択かな!」
「はあ…うち一応さ進学校なんだけど。これからはしっかり勉強しなよ、私も手伝うからさ。それに陰陽師として復帰しないなら進学しなきゃじゃない?あーまあでもモデルの仕事とかあるのか」
改めて振り返ると俺一般社会の勉強も陰陽師としての勉強もしてないってやばいか… けどこの数学ってのは俺には無理だよ! 陰陽師に数学って必要!?
「うちの学校陰陽師関係の学生もかなりの割合でいるんだけどさ、一般の大学とかに進学する人ももちろん大勢いるのね。それでもうち高校を出ると陰陽師関係の企業とかに就職が有利みたいな話も聞くしね。進学実績も結構よくてさ、勉強できる子は多いから葵もある程度はできないとやばいかも…?だって陰陽師の実績もないんだから」
あーれこれ詰んでる?しかも二人で勉強ってさ、もっと甘い空気でやるんじゃないの?イギリスのレイチェルさんが言うには日本の学生の勉強会は勉強なんてしないって言ってたよ!もちろん俺もそういうのを期待してたわけじゃないけどさあ!こんなに怒られるもんかなあ!?
「やっぱりさ、葵には陰陽師が一番だと思うよ…。モデルとしてももちろんかっこいいと思うよ、でもやっぱり陰陽師していた頃が一番楽しそうだったし…。まあこんなこと言われてもうざいだろうけど、向こうで活躍したって聞いてうれしかったんだ。復活してくれるかもってさ。」
急に真面目な感じになると照れるな…
「雪…ありがとう。俺も真剣に考えようと思ってたんだ。紬の面倒見てくれてるんだろ? あいつが立ち直ってるわけだしな!やる気でないなんて言ってられないかもってね!」
「そういってくれるのは嬉しいんだけどさ、勉強からも逃げちゃだめだよ…?」
ばれてらぁ… まあでも本当に数学って難しいね… まじでベクトルってなんだよ!




