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007

 ゴブリンを倒してから4日が経った。

 その間にゴブリンを5匹、ホーンラビィにいたっては30匹ほど狩っている。

 レベルも1上がった。


 今のステータスは以下の通りだ。




名前:グリム

性別:男

年齢:8歳

種族:普人族(覚醒種)

レベル:5


スキル:【裁縫Lv9】【守護魔法Lv2】【雷耐性Lv8】【治癒魔法Lv2】【算術Lv1】【氣操術Lv2】【見切りLv2】【解体Lv1】

エクストラスキル:【鑑定】【ステータス操作】【異空部屋】【無限収納】【スキルポイント増加】


スキルポイント:0


賞罰:「盗み」




 増えたスキルポイントは【スキルポイント増加】を習得するのに使った。

 これはレベルが上がることで増えるスキルポイントを1から3に増やすことができるスキルだ。


 【氣操術Lv2】の武技アーツは『集氣』。

 手や足など、体の一点に氣力を集中させて攻撃することで爆発的な衝撃を生む。ただ、普通に使えば氣力の消費が激しい。氣力が少ない俺が使えばすぐにバテる。


 まあ、それも普通に使えばだ。消費が激しいのは常に氣力を集中させつづけることが原因。なら、例えば地面を蹴るほんの一瞬だけ使って消費を押さえることはできないか?


 最初のうちは氣力を一点に集めるのに時間がかかって無駄な消費が多かった。その後、1日中練習してなんとか瞬時に氣力を集中させることはできた。

 しかし、いざ踏み込む時に使ってみると、盛大に吹っ飛ぶ。氣力の制御に集中しすぎて体がバランスをとれない。逆に吹っ飛ばないように気をつけると、踏み込む瞬間と氣力を集中させる一瞬が噛み合ない。

 もっと無意識でも氣力を制御できるくらいじゃないと駄目だ。


 モンスター狩りを休み、氣力の制御を練習した。

 立った状態で手に足に氣力を瞬時に集中させ、すぐに散らす。

 何度も、何度も繰り返し2日後には飯を食べている時でも身体を洗っている時でもいつでも何をしていても自在に操れるようになった。


 棒立ちの姿勢から片足に少し力を入れる。同時に『集氣』を使って氣力を一瞬だけその足に集中させた。次の瞬間、俺はそれまでいた場所から5メートルは離れた場所に立っている。端から見ればなんの動作もなく一瞬で移動したように見えるはずだ。




【氣操術Lv2】武技(アーツ)『集氣』が派生『氣動法』を習得




 武技アーツになったことでさらにスムーズに移動できるようになった。この武技アーツと見切りスキルがあればそうそう攻撃を食らうことはないだろう。


 実際に、2匹のゴブリンを相手にしても圧倒した。

 レベル3〜4で複数のゴブリンを狙いどんどん狩っていく。2匹ほどいたレベル5のゴブリンを合わせて狩った数が30匹を超えた。


 おかしい。これだけ殺してレベルアップがない。そういえばレベル4になってからレベル3のホーンラビィを狩りまくってた時もレベルが上がったのはレベル5のゴブリンを殺した後だ。もしかして、レベルが同等か、またはそれ以上のやつを殺さないとレベルは上がらない?

 だとしたら、レベルを上げていけばいつかこの森にいるモンスターじゃレベルが上がらなくなるかも。まあ、そうなったらその時どうすればいいか考えればいいや。


 俺よりもレベルが上のモンスターを探しながら歩くと上に違和感を感じた。見上げると口を大きく開け、牙を剥き出しにした蛇が目の前に降ってきていた。咄嗟に『氣動法』を使って後ろに跳ぶ。


 危なっ!

 すぐに【鑑定】をかけてみる。




種族:ポイズナスネーク

レベル:6

状態:正常

スキル:【毒牙Lv3】【温度感知Lv2】【跳躍Lv3】【気配遮断Lv1】




 1メートルほどの蛇のモンスターだ。しかも、毒系のスキル持ち。


 ホーンドナイフを構え、『氣動法』で後ろに回り込む。地面に這うポイズナスネークの頭目がけてナイフを振り下ろす。ナイフが頭に刺さる直前、頭が横に動いて躱された。躱した勢いのまま、振り下ろした俺の腕に巻き付こうとしてくる。


「嘘だろッ」


 なんとか『氣動法』で巻き付かれる前に距離をとることに成功したけど危なかった。


 死角からの攻撃を避けられた。スキルにある温度感知……ピット器官か。厄介な。


 いくら『氣動法』の燃費がいいとはいえ、一度の戦闘中に何度も連続して使えばすぐに氣力が切れる。

 俺は『氣動法』での奇襲を諦め、相手の出方を待つ。しばらくの睨み合いの後、ポイズナスネークが体をバネのようにしならせ、跳び掛かってきた。軌道は直線的、見切りスキルでしっかり捉えている。

 目の前に迫ってきた時を見計らって『シールド』で防ぐ。ポイズナスネークが激突した『シールド』を消し、今度こそナイフの刃が頭を貫いた。

 さすが守護魔法、安心の防御力だ。


 ポイズナスネークの死体を【無限収納】で仕舞い、周囲を確認しようとした瞬間、足下にまた違和感を感じる。

 急に体にかけていた『プロテクト』が消え、足首に激しい痛みが走った。


「いッ」


 足下を見るとポイズナスネークに噛み付かれていた。


「いったいな!」


 痛みを我慢し、噛まれなかったほうの足に『集氣』で氣力を集中。噛み付いているポイズナスネークを思いっきり踏み付けた。


「ギュェッ!?」


 やっと離したところで踏み付けたまま、頭をナイフで突き刺した。ビクッと体が跳ねた後に動かなくなる。


 ナイフを引き抜き、ポイズナスネークの死体を仕舞おうとすると急に苦しくなって立ってられない。まさかと思い、『キュア』をかけると身体が白い光に包まれる。


「ハアハア……」


 だいぶ楽になり呼吸も落ち着いてきた。

 あれが毒状態か。二度とくらいたくない。

 噛まれて血の出ている場所に『ライトヒール』をかけて治す。


 足を狙ってくるモンスターもいるのか…。

 いままで靴なんて履いたことなかったから気が付かなかったけど靴、作ろうかな。

 ちょっと前に靴の素材になりそうな奴がいたことを思い出し、サーチで探す。

 離れた場所にいたが見つけることができた。




種族:ハードカウ

レベル:6

状態:正常

スキル:【突進Lv2】【剛皮Lv2】




 いかにも防御力の高そうな牛のモンスターだ。


 さっきの戦闘を思い出す。

 ポイズナスネークが襲ってきた時に感じた違和感。接近されるまでは何も感じなかった。あれは、たぶん氣力。

 ポイズナスネークが持つ氣力を感じ取ったのではないかと思う。気配遮断のスキルで気付かれにくくなっていたみたいだけど、攻撃の瞬間は氣力を押さえられなかったのだ。


 モンスターは俺を食うために襲ってくる。食うとは生きること。氣力は生きる力。

 つまり、攻撃してくる時に一番氣力が漏れ出る。それを感じることができれば不意打ちをくらう確率が減る。


「モオォォッ」


 わざとハードカウの前に姿を晒して投石で挑発する。

 集中しろ。怒りが奴を攻撃的にして氣力がだだ漏れになっているはずだ。


 目を瞑る。

 生き物が呼吸をするように無意識に垂れ流している氣力を探れ。

 ハードカウがいるほうからもわっとした感覚がする。たぶんこっちに向かって突っ込んできてるのだろう。


 もわっとした感覚が一気に膨れ上がった。それと同時に『氣動法』で横に避ける。


「モオォッ!?」


 隣を勢い良くハードカウが通り過ぎた。その勢いのまま過ぎ去り、後ろにあった木にぶち当たったようで目を開けるとハードカウが凹んだ木の前で昏倒しているのが見えた。




【氣力感知Lv1】を習得




 そういうスキルあったのか、見逃してた。

 スキルを習得したことでさっきよりも周囲の様子がわかる。自分の氣力も感じられ、ハードカウと比べてその量はかなり少ない。


 昏倒しているハードカウに止めをさして氣力の感じられなくなった死体を【無限収納】で仕舞い、異空部屋へ転移した。



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