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半月の服と昔のネタと

お久しぶりです

「という訳で今日、お前の服を買いに行ってきます」

 半月との奇妙な同棲生活を始めてからはや数日、どうやら半月はまだここに居座るつもりらしく、そしてまたどういう訳か、男も半月にここにいて欲しいと思っている。

 ここで、一つの問題が発生する。

 半月の着る衣服が無い。

 いつも男の服を勝手に漁って着ている。

 上着だけならまだ、彼シャツ、という文化も無くはないわけだし、構わないかもしれないが、下着まで男物、というのはやはり些か頂けない。

 男が履いたものを半月が履き、半月が履いたものを……明らかに犯罪の香りしかしない。

 という訳で、衣服を買いに行くこととなった。

 幸いにも、物欲控えめな男の貯金残高には、服を買ってもまだ充分に生活していけるだけの数が印刷されている。

 そんな男の考えを元に発せられた言葉に、猫モードの半月は尻尾を立たせながら飛び上がり、人モードになった。

 猫モードの時に服を着ているわけもなく、また、着ていたとしても収まる訳がなく、あられもない姿が顕になる。

 もう、そうなることは予測できていたので、男は事前に目を逸らしておく。

 これも、ここ数日で気づいたことだが、眼帯はデフォルト装備らしく、モードチェンジをした際も、眼帯の下は窺い知る事は出来ないようだ。

 そして男は、飛び上がった勘違いをしている半月に釘を指す。

「聞こえなかったのか半月? 俺は、買ってくる。 と言ったんだ、お前はお留守番だ」

「ニャっ……ニャンで!?」

 あまりにショックな出来事だったのか、人猫入り交じった姿と声音で反応する半月。

 どうやら、半月は猫耳にもなれるらしい。

 一瞬、まさに人ならぬ美しさと可愛らしさに体の温度が上がった気がするが、頭を振り払って邪念を追い払い、理論武装を固める。

「だってそもそも、お前、着る服が無いじゃんそれに洋服店は動物禁止だし、お前の身なりじゃ変な所に連れていかれる可能性もある」

「…………」

 半月は黙りこんだ。

 どうやら、自分にこの口論で勝ち目が無いことを理解したらしい。

 このまま引いてくれると助かるのだが……。

 そんな事を思った矢先、半月は先程から何一つ変化のない姿で、男に抱きついた。

「ニャー!連れてって連れてって、連れてってニャー!」

 まるで欲しいお菓子が買ってもらえない子供が、親に泣きつくように体を擦り付けてくる。

 目の前でピョコピョコと動く猫耳に、腰のあたりから生えているように見える尻尾は、とても愛くるしく、好奇心と何かいけない部分が刺激されそうだった。

 そして何よりも……。

「あ、あたっ、あったって……」

 胸筋の辺りに押し付けられる女性特有の柔らかさ、決して下を向いてはいけないと首の筋肉を総動員して、前を向く。

「分かってる癖に……あ、て、て、る、ニャ♪」

 もう男の理性のリミッターは一杯一杯だった。

 煩わしげに震える自らの両腕が、段々と半月の体に近づいて行く。

「キャッ、冷たいニャー」

 手が半月の背中に触れ、半月の嬌声が狭い部屋に響き渡る。

 段々とその手を上に持ってきて、遂に半月の肩に手をかけるまでに至った。

 男と半月の目がバッチリ合う。

 半月は僅かに微笑むと、そっと瞼を閉じて唇を気持ち前に出す。

 不味い……そろそろ本当に理性が……。

 それからしばらくの静寂が訪れた。


「ニャハハ……、逃げられちゃったにゃー……」

 男は何とか、間違いを侵さずにあの部屋を脱出する事に成功していた。

 決め手になったのは、リビングに飾ってあった、写真立てに入っていた家族写真。

 家族に見られている気がして、一瞬だけ理性が元に戻り、その隙になんとか、財布だけ持って部屋を逃げるように後にしたというわけだ。

 我ながらよく頑張った方だと思う。

 皆がマフラーやら、手袋やらを付けている寒空の下、男だけは、ジーンズにシャツ一枚といった軽装備で熱を発しながら駆けていった。

めちゃくちゃ遅くなりました。

えーっと、かなり遅くなるかもしれませんが、完結だけは絶対にさせるつもりですので、お暇な時にでもチェックして頂けると嬉しいです。

あと、感想、ありがとうございます!

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