表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
終末ゾンビと最強勇者の青春  作者: 緑豆空
第七章 アークパンドラ編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

697/710

第697話 勇者、紛争地帯へ

 俺達は、国境の監視所を通らずに、森や草原の中を通り抜けてウクライナに入った。道なき道を進み、足が取られれば俺が車を持ち上げた。そのおかげで、バイオリンクに操られている人らに見つからずに、ウクライナに入り込むことができた。


「紛争地帯だけに、もう警察なんかも、機能していないだろう」


「そもそも、車が通ってないですね」


「この先の都市は、恐らく壊滅状態だろうからな」


 クキの話を聞きながら走っていると、あちこちに戦闘車両や、焼け焦げた普通の車の残骸が出始めた。もはや、通常の生活が行われている感じはしなかった。


 ツバサが言う。


「多分、ドローンが近づいているわ」


「どうするか?」


 するとクキが答える。


「恐らく、俺達を確認した訳ではないと思う。偵察機だろうが、墜としていい。敵も味方も無いからな。こんな所を走っているマイクロバスは異常だから、下手をすると攻撃されかねない」


「わかった」


 聴力強化を施し、ドローンが飛んでくる方向を捉える。


「空接瞬斬!」


 遠くの空に浮かぶドローンが、真っ二つに斬れて落ちていく。


「どうなるか?」


「恐らくは、故障したと思うか、攻撃されたと思うか、破壊された機体を見つけなければ分からないさ」


 そこで、タケルが言った。


「で、どうすっかだな?」


「この状態から考えても、通常の状態ではないはずだ。このあたりは恐らく、ロシア側が占領している」


 そこで、シャーリーンが言った。


「思うに……この紛争……」


「ああ」


「アークパンドラの、ジェネシスプロトコルオーダーが、絡んでいるんじゃないでしょうか?」


「の、可能性は高いと思う。どちらが、どうなっているかも分からないが。関与は間違いない」


 すると、アビゲイルが腕組みをしながら言う。


「ミスターヒカルは、ゾンビ因子の影響を受けていない人いあいましたよね?」


「会った」


「奴らの仲間には、なりたくないと言っていたと」


「そのとおりだ。だから、街にはいかないと言っていた」


「そう言う人……もっといるんじゃないでしょうか?」


「というと?」


「ロシア周辺では、ファーマー社が一部供給をストップしましたから。あの物質が入って来なかった場所もあるはずです。完全にゾンビ因子が無い地域も、あるかもしれません」


「確か、他の国でもそんな事があったか」


「はい」


 ゾンビ因子の件が引き金となって、紛争が起きた可能性があるという事だ。


「なんにせよ。やはり、人の平和を奪ってるという事か」


「そう言うことです」


 クキが、完全に決断する。


「なら、ドネツクに行けば、何か手がかりを得られるかもしれん。ここからは、最前線は危険だからな。注意して進まねばならん」


「わかった。ドローンは全て撃墜する」


「そうしてくれ」


 車通りの無い道を、ひたすら西に向かう。するとそのうちに壊れた家や、ビルが目に飛び込んで来る。ミサイルや爆撃で壊された、学校や庁舎などだった。


「どうするか……兵士が三人ほど歩いてる」


「だが……隊列を組んでないな」


「なにかから、逃げてる感じじゃないか?」


 その足取りは重いが、俺達の車を確認すると、林の中に逃げ込んでいった。


「ドローンだ」


 俺はまたバスから身を乗り出して、ドローンを消し去る。


「空接瞬斬!」


 ドローンは落ち、音は消え失せる。


「どうやら、ドローンに追われてたみたいだな」


「教えてやるか」


 クキが、窓を開けて言う。


「ドローンは墜とした!」


 だが、特に返事は無かった。気配はただひたすら、俺達から距離を取るように離れていく。


 その時だった、遠くから爆音が響いた。


 パン!


「……手榴弾か、小型の爆弾だな」


「やはり、紛争は続いている……か」


「そういうことだろうな」


 俺達はいつしか、紛争地帯に足を踏み入れていたのだった。


「みんな。念のため窓から離れて、床に座った方がいい」


 クキが言うと、皆が座席から離れてしゃがみ込む。


「レベル百解放。気配感知! 最強化! 範囲拡張!」


 更に、気配感知の範囲を拡大する。あちこちに点在している気配と、人が固まっているところがある。


「さっきみたいに、少人数でいる奴らもいれば、人数が多いところもあるようだ」


「たぶん、人数の多い所が、敵の駐屯地である可能性がある。それか、中隊規模かも」


「んじゃ、そっちか」


「ああ、気を付けて行ってくれ」


 俺の指示で、道を曲がりバスは、人の多い地域を目指す。


「あの森だ」


「なるほどな、でも、どっちの軍隊だ……?」


 タケルが言った。


「つうか、どちらにせよ無条件で攻撃されるんじゃねえの?」


「大丈夫だタケル。俺の気配感知の方が、発見が早い」


「りょーかい」


 俺達の車が砂利道を走り出すと、その集団に動きがあった。


「俺達に気が付いたぞ」


「攻撃は任せたぜ。ヒカル」


「ああ。進め」


 そして俺達は、その人らがいる場所へと進んでいった。


 そこで俺は剣技を繰り出す。


「空接瞬斬! 二連!」


 ドン! ドン!


「撃ってきた。砲撃だ」


「撃墜したのか?」


「そうだ」


「音が……後か」


 俺達はいよいよ、紛争地帯に突入し、どちらの軍か分からない人間達と、交戦状態に突入する。


「恐らくは、ミサイルランチャーの可能性が高い」


「どっち軍なんだろうな?」


「わからん」


 森に隠れているのが分かるが、きっと普通の兵隊ならば、さっきの砲撃をもろに受けていただろう。


「て、いうか。出てこないね」


「確かに……隠れてる……」


 ミオが、首をひねりながら言う。


「バイオリンクに操られている人なら、まとめてかかって来たりするかも」


「という事は、ゾンビ因子を持っていない可能性もあるか」


「まあ、一概には言えないけど」


「空接瞬斬! 二連!」


 ドン! ドン!


「またか?」


「そうだ。クキ」


「俺達を、どちらかの兵隊だと思っているんだろうな」


「操られているのか、自分の意志で戦っているのか?」


「流石に、ヒカルでも判別は出来ないだろ?」


「そうだな。敵から逃げるか、接触を試みるかしかないだろう」


「いきなり攻撃を仕掛けて来るから、かなり危険ではあるか……だが、どうなっているか分からんな」


「なら、突撃しよう。全ての攻撃は俺がかわす。タケル、行け」


「あいよ!」


 そうして俺達は、攻撃を仕掛けてきた、森の中に潜む軍隊の方に向かってひた走るのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ