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母の背中と、私の股関節。 〜変形性股関節症、手術への決意〜  作者: 水瀬 悠里


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【第7章|第8章】

第七章:名医との邂逅、そして直感


ようやく呼ばれて診察室に入ると、そこには「名医図鑑」で見た通りの印象の医師が待っていた。


B医師の説明は、驚くほど丁寧だった。

模型や図面を使い、私の関節が今どうなっているのかを可動域を測りながら紐解いていく。


私が投げかけた不安や疑問に対しても、一切包み隠さず、真摯な回答が返ってくる。


さらに、私が迷っていたA病院との「術式の違い」についても、メリット・デメリットを含めて明確に解説してくれた。

情報の霧が、一気に晴れていく感覚。


この瞬間、私の中に「この人なら」という確固たる信頼が芽生えた。



第八章:三十分の決断


「二月いっぱい、休職しています。二月中に手術は可能ですか?」

私の問いに、医師はスケジュール帳をめくり、顔を上げた。

「……月末なら、できるよ」

「じゃあ、もうここに決めます。お願いします」


大きな手術の執刀医を、出会って数十分の「直感」で決めてしまった。

けれど、それは決して投げやりな判断ではない。


毎日痛む足を引きずりながら、これ以上「どうしよう」と迷い続ける時間は、もう私には必要なかった。


自分の足で歩いて、自分の目で見て、自分の心で納得した。

そのプロセスこそが、私にとっての正解だったのだ。

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