和解
闇に囚われていたこの屋敷の人達は瘴気が身体の奥深くまでやられていたのかいくら浄化を試しても駄目だったとマリアが言っていた。
まだ正気だったフィリップ様がみんなを縄で縛り上げて調理室にみんなを集めてあるという。
そこに行くと防御壁がなければみんな闇にのまれてるかもしれないと思うほどの瘴気が漂っていた。
ここはマリアとコーリ様の力でないと完全にははらえないのではないかと思い二人にお願いした。
まずは私が調理室全体を浄化する。
そして浄化の聖なる気が満ちた状態で二人が闇の力を払うための浄化を一人一人にする。
とてつもない魔力が必要になると思うから私はそれを補佐できるようにと聖なる気を祈り続ける。
「結局私は何もできないな。」
ボソリとそういうアレク様。
「アレク様はいつもピンチの時に助けてくださってます。」
私がそう言うと
「ありがとう。」
そう言ってわたしの手を握る。
ふわっと温かい気が私に流れ込んでくる。
え?
そう思った瞬間風が舞う。
キラキラと光る羽根がアレク様と私の目の前にまいおちてきた。
その2枚の羽根にアレク様も私も手のひらを広げて落ちてきた羽を掴むと綺麗なブローチに変わった。
アレク様と私はそのブローチを見て笑顔になる。
「これは女神エリシオンからの贈り物かな?」
「そんな気がします。」
「これは…その…。リシェルの気持ちが私に向いてくれると思ってもいいのかな?」
急にそんな事言われて頬が熱くなる。
「リシェル?」
私はアレク様の持っているブローチと私のブローチを合わせるとハート型になるようになっていた。
「私は好きな人がまた私の前からいなくなるかもしれないと思って1歩踏み出せないでいました。私はアレク様のこと…。」
私が気持ちを告げようと思った瞬間
「リシェル!無事か!?」
お兄様の声。
そして、お兄様は私をぎゅっと抱きしめて
「無事でよかった。本当心配した。」
そして私を離すと
「殿下もご無事でなによりです。」
ニヤリと笑ったその表情にアレク様は無愛想に
「ご苦労。1階にライジン伯爵、いや元伯爵がいるから王宮の地下牢に連れていき陛下の沙汰をまつように。」
「すでにそのように手外してます。フィリップの監視のもとに。」
「そうか。」
「お兄様…。」
浄化が終わったのかマリアが顔を強張らせながらこちらにきた。
「本当に申し訳ありませんでした。それなのにお姉様同様かけつけていただきありがとうございました。」
深々と頭を下げるマリアを見てお兄様は
「マリア、お前とは従兄妹にはなるが従兄には変わりない。きつい言い方をして悪かったな。ちゃんと悪いとこしたって思えるようになったならそれでいい。」
そう言うと頭をポンポンと撫でる。
「ありがとうございます。お兄様。」
涙を流してそう言うマリアをお兄様は抱きしめて頭をなでてあげた。
昔のように。
良かった。
「とこでそちらは?」
「あ、私の母親違いの義兄です。」
「コーリと申します。アレク殿下よりこの度ライジン伯爵家を継ぐようにとのお話をいただきました。至らない点が多々あると思いますがよろしくお願いします。」
そういうコーリ様にお兄様は
「いや。妹達が世話になった。今後もよろしくお願いします。」
そう言って握手をした。
そして…
「エリック。きてくれてありがとう。」
「いや。お前のことだから大丈夫だと思ったがリシェルもこちらに向かうと言うし、アレク殿下やそれにマリアの事も気になったからな。」
「闇の力に取り込まれて、マリアに剣を向けてしまった。それをアレク殿下やリシェル達が助けてくれた。リシェルを傷つけた私達を助けに来てくれた。」
「そこがリシェルの良いところだ。自慢の妹だからな。」
「そうだったな。小さな頃からリシェルはそんな子だった。」
「だろ?まぁでもお前にはマリアがいるし、リシェルもきっと近々幸せを掴むことになるよ。嫌だけどな。」
「相変わらずシスコンだな。」
「みんなに言われるから言われ慣れたよ。」
少し離れた場所で笑い合うお兄様達。
何を話してるかは聞き取れないけど和解できたみたいで良かった。
私の事で仲良かった二人が不仲になってるのは悲しすぎだから。
良かった。
隣に来たアレク様が
「みんなが笑顔でいられて良かった。」
「そうですね。笑顔が戻って良かったです。」
私の言葉に笑顔を向けてくれるアレク様。
滅多に見せない笑顔に私は心臓がドキドキしてるのわかってますか?
きっと頬が赤くなってるはずだから気づいてるよね。
そっとアレク様を見るとアレク様のほうがなぜか耳まで真っ赤で
「今の笑顔は反則。」
ぼそっとそう言われた。




