お姉様の優しさ〜マリアside〜
そんな日が続いていてイライラが続いていた。
そんな時にたくさんの荷物が届いた。
びっくりして慌てて中を確認すると…。
お姉様からのドレスと食べ物そしてそこで暮らしていくための知恵が書かれた分厚い本と言っていいくらいの手紙。
私の大好きだったドレスや小物。
お菓子も入っていた。
短い手紙には
《そろそろマリアも限界だと思うのでこれを贈りました。その地でも育つ薬草や野菜の種を送ります。育て方は書いてあります。あなたが決めたことなのだからフィリップ様とともに頑張りなさい。》
短い手紙…。
だけどお姉様の優しさが滲み出ている。
そして、お姉様直筆のこの地で暮らす為の色んな知恵。
真面目で勉強家だったお姉様らしい。
このお菓子私が好きだったもの。
こんなにたくさん。
それにこのドレス。
小物も。
あんな事した私にこんな風に優しくしてくれる。
お姉様は昔からそう。
私が何しても許してくれた。
悲しそうに微笑んで。
会ってくれないなんてはじめてだった。
それだけの事を私はしてしまったんだ。
はじめて罪悪感が私の中にわきおこってきた。
お姉様…。
私はお姉様からの手紙を読んで、汚れても良さそうな服も何着も送ってきてくれていた。
それに着替えると種と鍬とシャベルを持って外に出る。
そこには何人かのメイドと騎士達もいた。
私の姿を見たみんなはびっくりした顔をしていた。
わがまま放題言ってたから…
「みんな、ごめんなさい。私も手伝うわ。あとこの種もまきたいの。お姉様から送られてきた中に入ってたの。何かあったときの為に。薬草よ。万能の薬草と言われているもの。まずはこれを植えて何かあったときのために備えたい。」
私の言葉にみんな顔を見合わせると笑顔になって、
「わかりました。マリア様。ご指示いただけますでしょうか?」
騎士の一人がそう言う。
私が頷いてみんなにお姉様からの手紙の内容を教えていったの。
みんなお姉様からの手紙の内容に
「さすがはリシェル様です。」
「才女だけはあります。」
「こんなわかりやすい指示ができるのはさすがだな。」
口々にみんなお姉様を褒める。
やっぱりお姉様は凄い。
少しの嫉妬心が出てくるけどそれはいつも感じていた事。
私はにっこり笑って
「お姉様は本当努力家で凄いのよ。私にはできないけどやれる事はやっていくわ。お姉様の優しさに報いるためにも。」
私の言葉にみんなも
「お手伝いします。」
そう言ってくれた。
ホッとした。
そして私達は薬草づくりに野菜作りをはじめて1ヶ月がたつ頃には薬草や早い野菜ができ始めてきたんだ。
そんな頃…
私はよく夢を見るようになる。
暗闇にとらわれる夢。
キルフィスには大きな湖がある。
湖には魚介類も生息している。
その湖は川から海へと繋がっているみたい。
その湖に行くようになってから暗闇にとらわれる夢をみるようになった。
瘴気が満ちてきている。
誰かがそう言っていた。
魔物が襲ってくる前兆かもしれない。
この屋敷は魔物が襲ってきても大丈夫な作りにはなってるし、結界もはられているからこの中にいれば大丈夫だという。
なので収穫できるものは収穫して、確保できる食料は確保するようにした。
ここ最近それで忙しかった。
屋敷内で育てられるものはプランターにうつした。
それは突然やってきた。
外に出た瞬間、真っ黒いモヤが私を包んだ。
「マリア!」
フィリップ様が慌てて私のもとにやってこようとするけど身体が動かすことができない。
声も出せない。
フィリップ様…。
心配そうな顔。
フィリップ様心配しないで。
そんな顔しないで。
声を出したいのに出せない。
意識がプッツリと切れた。
「マリア…」
誰かが私を呼んでいる。
温かい。
この温もりは…。
知ってる。
お姉様…?
お姉様の魔力がギリギリなのを感じた。
なぜかわからないけど私の中での何かが満ちてきてるのがわかる。
魔力?
それがお姉様に吸い寄せられるような感覚。
お姉様に私の魔力が渡せるのかもしれない。
お姉様に私の魔力をそしてこの黒いモヤが消せるなら消して。
お姉様に手出しはさせない。
強い気持ちでそう思った。
その瞬間、ピンクと白の花びらが舞った。
意識は朦朧としてるけどお姉様の魔力が戻った気がする。
その瞬間、黒いモヤが消え去った。
そしてお姉様も消えそうになっている。
お姉様の声がかろうじて聞こえたのは
気をつけて!
と
助けにいくから!
そしてお姉様が心配しないでというような優しい笑顔。
私もお姉様に笑顔を返した。
お姉様にひどいことした私を助けようとしてくれる。
また罪悪感がふつふつとわきおこる。
私はあんな優しいお姉様の最愛の人を奪ったのだ。
いままで感じた事のない気持ちになった。




