↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新生ワッフル店小春庵の日常  作者: 小春庵


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
9/49

新メンバー出揃う

土曜日、麗花の初勤務の日だ。


「おはようございます」

天真爛漫な麗花だが、今日はさすがに緊張している。


「麗花さんおはよう。よろしくね」

春子はニッコリして、スタッフルームに案内する。


麗花はカフェエプロンを着けてすぐに出てきた。真凛ほどではないが麗花もかなり細い。

そして同じ格好をすると藍子にさらに似ていた。


「引継書はご主人が買いに来られた時にお渡ししたんだけど、目を通してくださったのかしら?」


「はい。できる限り覚えてきました」


「ありがとう。じゃあ実際に店の中を回って説明するわね」


春子は店内を説明しながら一周し、麗花は引継書に書き込みながら真剣に聞く。


「最初は私が接客するから、麗花さんは見ていてね。ワッフルは今多めに焼いて、しばらくは大丈夫だから」


言っている間に早速カップルが入ってきた。


「いらっしゃいませ」

春子は注文カウンターに立つ。


「店内でお召し上がりですか?」


「はい」


「私ホットコーヒーにしようかな」


「オレ、アイスにするわ」


2人は小声で相談し、男性がまとめて、

「じゃ、白沢抹茶2つと、ホットコーヒー1つ、アイスコーヒー1つで」

と注文する。


春子はリピートしながらレジを打ち、カップルは代金を支払う。


春子はまずコーヒーマシンに向かい、麗花に説明しながらホットとアイスを1つずつセットした。


そして厨房前の作業台に行き、トレーを2つ並べた。


「じゃ、私と同じようにしてね」


手にアルコールをスプレーし、お皿にワックスペーパーを敷き、さっき焼いたばかりでまだ温かいワッフルを乗せる。


小さいカップにカトラリーとペーパーナプキンを入れる。


その間にコーヒーも出来上がったので、2人で1つずつ取りに行って、トレーに乗せる。


「はいOK!じゃ、持っていきましょう」


麗花はホットコーヒーの方のトレーだったので、女性の側に行き、

「お待たせいたしました」

と置く。


春子は男性のほうに

「お待たせいたしました」

とアイスコーヒーの方のトレーを置いた。


2人はお辞儀をして中に戻る。


「麗花さん初回からいい感じよ!ちゃんと女性の方がホットなのも聞いて覚えてたのね」


「ありがとうございます」

麗花はホッとしたように表情を緩めた。


「こんな感じで回数を重ねていきましょう。すぐに慣れるわ」


その後、持ち帰り用のワッフルを包んだり、外国人への英語の接客をしたりと、いろんなパターンを春子と一緒に練習していく。


合間に春子は厨房でワッフルを焼くので大忙しだ。


午後になり、真凛が出勤してきた。


「おはようございます」

「よろしくお願いします」


麗花はある程度の接客は1人でもできるようになってきて、真凛も2回目の勤務なのでかなり慣れてきた様子だ。春子はホッとする。


「2人ともちゃんと社会経験があるし、コミュニケーション力が高いタイプだし、習得が早いわね」


そこへ源田が来た。

「まいどー」


「あら源さんおつかれさま。お二人は初めてよね?新しく入ってくれた、主婦の麗花さんと、アルバイトの真凛ちゃんよ」


「よろしくお願いします」

2人はお辞儀をする。


「おう、よろしく!オレは源田っていって、小麦粉や卵や砂糖なんかを納入してるんだ。春ちゃんとは同い年で友達みたいなもんなんだよ」


2人ともニコニコ聞いている。


「君、麗花さん?アイちゃんに似てるなぁ。アイちゃんって言ってもわかんないかもしれないけど、前のスタッフさんで」


「藍子さんですね、知ってます!保護猫の関係で知り合って、仲良しなんです。というか私、藍子さんの紹介で入ったんです。それと夫がここの常連っていうのもあるんですけど」


「え?そうなの?アイちゃんと血のつながりはなく?」


「残念ながらないんですけど、大好きで、お姉さんみたいに慕ってます」


「へぇー。そりゃ偶然だねぇ。で、君は真凛ちゃん?学生さん?」


「いえ、22歳なんですけど、フリーターです」


「ほほう。じゃあここにも結構たくさん入るかもしれないんだね。オレともよく会うことになるな。オレは不定期だけどしょっちゅう来てるから」


「そうなんですね!これからよろしくお願いします!」


「がんばって働いて春ちゃんを助けてやってな」


「はい、わかりました!」


「じゃ、またな。2人ともがんばれよ」


「ありがとうございます」


「源さんありがとう」


源田が帰ると春子は、

「じゃ、麗花さん今日はそろそろ退勤時間ね」


「ありがとうございました」


「また来週よろしくね」


「はい!来週もよろしくお願いします!」


麗花は退勤ボタンを押してエプロンを外したが、

「あ、私ワッフル買って帰っていいですか?」


「もちろんよ」


「今まで主人がしょっちゅう買ってきてくれてたんですけど、初めて私が買って帰るっていうのをやってみたくて」


「あ、じゃあ私が担当していいですか?」


「わ、じゃあ真凛ちゃんお願いします」


春子は微笑ましく見ている。


麗花はいったんスタッフルームに行き、バッグも持ってお客様状態になって戻ってくると注文カウンターに立った。


「小春オリジナルと、白沢抹茶と、白沢ほうじ茶を1個ずつ、合計3個、持ち帰りでお願いします!」

と注文する。


真凛はリピートしながらレジを打つ。


麗花は、

「クレジットタッチでお願いします」

と言い、真凛が操作して麗花がタッチする。


「カードお控えとレシートでございます。お包みいたしますので、少々お待ちください」

真凛がお辞儀し、麗花が

「はーい」

と言う。


真凛が包んだワッフルを紙袋に入れて、

「お待たせいたしました」

と渡し、麗花は

「ありがとうー!」

と嬉しそうに受け取ってパチパチと拍手をした。


春子も、

「完璧」

と一緒に手を叩く。


真凛が

「全然緊張せんとできました!こんなにリラックスしてできたん初めてです。麗花さんありがとうございます」


麗花は、

「あれ?真凛ちゃん関西出身なの?」


「あ、そうなんです。神戸人です。気が緩むと関西弁になるんです」


「えーそうなんだ。なんか可愛い」


「真凛ちゃんが関西弁になると、気を許してくれてる感じで嬉しいわよね」


「ですね」


「えー!でも接客の時は出ないようにしますね」


「そんなに気にしなくていいよ」


みんなで笑い、麗花は

「じゃ、真凛ちゃんありがとう。春子さんお先に失礼します」

と夫へのお土産を手に嬉しそうに帰っていった。

この物語はフィクションです。作中に登場する人名や地名、校名、お茶やフルーツの銘柄などはすべて架空のものです。一部実在の名称と同じものも混在しますが、実在の人物や団体などとは一切関係ありません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。