143.恐怖という束縛:めんどくさい
8月12日 午前7:30 3回目、3日目
ぼんやりした雰囲気に朝日が身体に当たっている。
「.........んん?ワティフェィ、寝てたのか。」
山斬がベットから起きると同時に
「コンコン!」
ドアをノックして応答を待つ事なく入ってきたのはアプシュルノだった。
「昨日の散歩、色々言いたいんだけどいいかしら!?」
少し怒り気味だ。
「近づくな!まだお前は容疑者だぞ!」
山斬はアプシュルノが容疑者である事を忘れていない。
「え!?んんんぬ...」
アプシュルノは渋々部屋の外に出て離れた状態で話を続ける。
「昨日何したか覚えてる?」
「ん...ワティフェィは何かしたのか?」
山斬は全く心辺りがない。
というか、鈍感なのだろう。
「色々よ!まず、なんで途中で帰っちゃうの!?もっと色々話したかったのに..そして周りの人はともかく、またここでも、なんで私をまだ疑うのよ?」
「.......」
山斬は黙りこくる。
「山斬、なんでか言ってよ。私、怒らないから。」
「....実は、お前が..少し怖いんだ。」
「え?なんで..」
アプシュルノは急激に落ち込んだ口調になる。
「お前が暴走して周りの人間を傷つけた記憶、お前から逃げて死にかけた記憶...忘れられないぐらいに怖かった。悪は自分の近くに潜んでいるかもしれない。そんな思いに、容疑者であるという事が余計に怖くなってくるのだ。」
山斬の精神は疲労していた。
訳の分からない恐怖から、身近な人が、自分を襲うかもしれないという恐怖。
一向に減らない容疑者や、思考のし過ぎかもあるだろう。
そして軽率な行動を取れば、余分に人が死ぬ。
それによって、山斬自身が自分にプレッシャーをかけて、精神を圧迫し、余計に慎重になってしまう。
山斬はそんな状態で、緊張や恐怖が混ざって山斬にのしかかっていた。
「二つ共、私が原因じゃないし...って言い訳よね。ごめんなさい。」
「いや、そうだ。この程度でへこたれているワティフェィが全部悪い。悪かったな。」
「.........めんどくさい奴だなっ」
アプシュルノがボソっと言い放った。
「..!ああ、そうだな..」
(優しいアプシュルノが呆れるほどにどうしようもない奴なのか...馬鹿だな。ワティフェィは。)
「いや、違うの。そういう意味じゃ無くて、昔の事思い出しちゃったっていうか、何というかね..」
アプシュルノは焦って誤解を解こうとした。
「それより、私は山斬にどうやったら信用してもらえる?やっぱり互いにこの状態嫌でしょ?どうしたらいいかしら?」
「ワティフェィが恐怖を克服する..はごめんだが難しいと思う。トラウマになりそうなんだ。」
「...なら、私が信用されるように頑張ればいいのかしら、何か手伝える事あるかしら!?」
問題の解決をしようとアプシュルノは急激に元気になった。
こういう所はまだ子供なのだろう。
「なら、一つある。ウプイを殺す怪竹を除去する作業だ。まあまあ危険な仕事だ。それでもアノ、手伝ってくれるか?」
「もちろんよ!」




