131.圭吾、死す。
山斬達が宿に帰ったのは、晩飯前のタイミングだ。
宿に入ると晩飯を椅子に座って待っているアプシュルノがいた。
「アノちゃん、圭吾くんの様子はどうだい?」
「えっと...元が変なのか、変になっちゃったのか分からない状態です。また難しい言葉を並び立てて月がどうとか言ってました。」
また圭吾の厨二発言が発動しているのだろう。
一部真実らしいが。
「で、アノよ。圭吾の身体は無事か?」
「ええ、興奮してたからきっと元気だと思うわ。それにさっきビザリくんが圭吾くんの部屋へ行って様子を見てくれてるし。でもしばらくベットから出れそうに無いらしいから優しくしてあげてね。そうだ、山斬にとても会いたがってたから会いに行ってあげたらどうかしら?」
「そうだな、そうさせてもらおう。」
そう言って山斬は、圭吾の部屋に向かう。
圭吾には、暴走時に伝えようとしていた事は何か聞きたかった。”おあいいう“からは、オラ生きるとか長弄るぐらいしか思いつかないので、やはりしっかり本人に聞いた方がいい。
コンコン。ドアを2度ノック。
「圭吾、早速だが聞きたい事が.........!!!」
山斬は明るく話しながら入っていったが、その光景を見た瞬間。目を疑い、思考が止まる程のショックを受けた。
ドアを開けるとそこには、
圭吾がベットの上で、死んでいた。
圭吾は腹部から血を出していて、布団に紅く滲み出ている。
ビザリは横たわる圭吾を見つめて先が赤くなっている包丁を持っていた。
「あ...アアアアアウアアアアア!!ビザリテメ...」
「違イマス!!ビザリハ殺シテイマセン!!」
「じゃあその包丁に付いている血はなんだ!!」
「コレハトマトデス!厨房デ切ッテイタトマトデス!
ソレニ、死因ガ出血ナラバ、モット血ガ出テイル筈デス。」
「そんな言い訳...........本当..なのか?」
山斬は反射的に言い返そうとしたが、確かにビザリの証言通り、包丁にはトマトの塊がの欠片がついており、圭吾の腹部を見ると、確かに致死量程の血は出ていない。
布団越しとはいえ、大きさは直径10cmくらいのシミになっていて、とても出血が死因とは思えなかった。
そして山斬の大声を聞いて宿にいた皆んなは、圭吾の部屋へ集まって来た。




