124.5人組のやんちゃな子供達
山斬は宿を飛び出した後、村に行った。
(5人組のやんちゃな子供達...いくらでもいそうだが、探すしか無いな.....)
山斬が思い出して探しているのは、前回、行方不明になった子供達である。
事前に知らせることによって、事件を防ごうという訳なのだが...
「どこにいるのだ?しっかり聞いておくべきだったなぁ....」
山斬は少ない情報で、見つけるのに苦戦していた。
山斬は”5人組のやんちゃな子供達“ということしか知らない。
曖昧だが、村人にこれで聞く以外の方法がないので、山斬は思い切って言う事にした。
そして丁度目の前に中年の男がいたので、話しかける。
「そこの村の者ぅ!この辺に住んでいる、5人組のやんちゃな子供を知らないか?」
「ゲッジョとかケロブイとかいるグループか?」
「ゲッジョは知らんが、ケロブイって奴がはなんか聞いた事があるぞ...」
山斬はしばらく考えた末、思い出した。
(そうだ!村人が言っていた行方不明になった子供の一人だ!)
「そうだケロブイだ!そいつらの所に連れてって欲しいのだ!」
「ん?..ならそこで遊んでいるぞ。」
その村人が指差した先には、20mぐらい先に10歳前後の少年5人組がいた。
山斬は早速駆け寄り、子供達に話しかける。
「少年達!怪我は無いか?」
とりあえず現段階での安全確認。だが...
「なんだ魚!なんの用だよ!?」
警戒されてしまった。
まあ、山斬の見た目の都合上、話を元々つけていないと、怪しまれるのは当然なのだが。
「魚じゃない!人魚とか魚人とか少しかっこよく言ってくれ!で早速話なのだが...」
「オッサン着ぐるみ脱いだら〜?」
「これは体だ!着ぐるみでは無い!」
「ねーねーうろこ取っていい?」
「ダメだ!ワティフェィの鱗は色々な用途があるため他人は使用厳禁なのだ!」
「...ワテイフェイって......何それ?」
「ワティフェィはワティフェィだ!」
「ねえねえ、なんか臭い。」
山斬は、無邪気で好奇心旺盛な子供達は、口々に山斬に質問をする為、山斬は話を逸らされまくった。
そして埒があかないと思った山斬は、
「パン!」
と手を強く叩き、
「ワティフェィについての話はここで終わりだ!話を端的に済ませるぞ!いいか?森の奥には行ってはいけない、それを君達に伝えに来た。」
「なんで行ったらダメなの〜?」
「えっと....アカイヨだ!アカイヨという動物が観測されたのだ!だから危険だ!」
(アカイヨなんて真相は知らんが、取り敢えず一旦信じ込ませなければ!)
「なんで俺たちに、言うんだ?」
「お前達が勝手に行動する可能性が高いと村の人から聞いたからだ!」
山斬は、無理矢理話題の方向転換をして、森の奥の危険性について話をする。その話にも子供達から質問責めに合うが、山斬はそれに合わせてリズムよくもっともらしい嘘をでっち上げていく。
「とにかく!森の奥は危険だ!入っちゃいけないぞ!?」
「....分かったよ。」
「アカイヨなんて本当にいんのか?」
「皆んなが騒いでるんだから、多分いるんじゃない?」
「ヒニー姉ちゃんが嘘だって言ってたけど?」
「まあ、危ないのは分かったよ魚オッサン。行かなきゃいいんだろ?」
「ああ。ワティフェィ達も、調査中だが、危険な事は分かっている。くれぐれも注意して欲しい。」
山斬はそう言って、宿に戻る事にした。




