122.すり抜けという名のバグ
そして山斬は、ロボット達に指示を出す。
「部隊αは、村の周りを等間隔に見張るように頼む。部隊β、γは一体ずつ10人単位で、住民を見張れ。残り2部隊は、その他の森の動物、状況を見ていて欲しい。.....あと、1112!1112はいるか!?」
「はい、ここに居ます。」
1112はロボット達の一番奥の列に他のロボットと共に並んでいて、1112は前に出てきた。
見た目は他のロボットと同じだ。強いていうなら、1112と胸に小さく刻まれているくらいだ。
「お前には、重要な任務がある。散歩しているボラバンさん達を見張って欲しい。一番信用出来る、君だからこそ頼める仕事だ。」
「えっ!はい、分かりました。」
ロボットにしては反応が人間のような驚き方をする。
まあ、一年で鉄人兵団を作り上げる奴が作っているのだから。
という理由で圭吾は疑う様子も無かった。
「さあ、そろそろ時間だ!作戦開始だあああ!!!」
山斬の掛け声と共に、ロボット達は、ジェットで飛んでいく。
そして天に上がったロボット達は、村に分散していく。
部隊ごとに、円形に飛んで行ったり、村を満遍なく分散して行ったりと部隊ごとに綺麗な弾幕を作っていた。
それを山斬と圭吾は見上げてしばらく見た後、
山斬は圭吾の方を向いて言った。
「ワティフェィ達も、行くぞ。」
そういうと、山斬は走って村の方に向かう。
圭吾は山斬を追いかけながら、山斬に問いかける。
「お、おい!我らが何が出来るというのだ?あの鉄人兵団が全てやってくれるのでは無いか?」
「ああ!ただ、一つだけ残してある。まあほとんどの確率で意味は無いだろうが、一応な!....ほら、ここだ!」
「ん..?ここは..」
そこは、怪竹の筍が埋まっている場所。一応軽く、埋めてはいるが、掘り起こした後がバレバレだ。
「あのロボット達はワティフェィの自信作だから信用してもいい!と、言いたい所だが、ロボットは所詮プログラムによって構成されているので、複雑な判断を一部簡略化している。その為、すり抜けが発生する可能性がある。それを俗にバグと言うのだが。だから、信用する為にもワティフェィ達直々に見張らなければならないのだ。幸い、敵は夜行性だからここに確認にくるぐらいはあるだろう。無意味にはならないと思う。」
「なるほどな。」
「あの茂みが隠れるのに丁度良さそうだぞ。1時間ぐらいあそこから見張ろう。」
山斬と圭吾は、筍から20mくらい離れた茂みから、筍を見張る事にした。
「さーて、どこから来るのだあ?」
そしてしばらく見張るが、誰も来ない。
20分ぐらい見張ったぐらいに、
大きな人混みが通った。
「おお!あの人混みはなんだ?あの中にいるじゃないか?」
圭吾がそう言って興奮するが、山斬は...
「違う、あれはボラバンさんの散歩で群がっている村人だ。」
そうして特に何も無いまま、時間が経過した。
「どうやら、何も来なかったようだな。我らに警戒されたのかもしれない。」
「そうか...ワティフェィ達の存在に気づいたのかもしれないな。....ん?」
山斬は、圭吾に会話を返している時に、ふと筍の埋まっている場所が気になった。
「どうした山斬?」
「ほら、そこの土が少し迫り上がっているのだ。」
山斬はそう言って土を手で掻き分けるとそこには!
筍が成長していた。
栄養を吸収して、土深くから、地面スレスレまで明らかに成長していたのだ!
「こ....これは..」
「有り得ない....有り得ないぞ!誰が、いつ養分を与えたのだ!ワティフェィ達の視界をすり抜けて誰が養分を与えたのだ!」
「....あの村人の群れじゃ無いか?.....」
「いや、それなら明日アノに聞けば異変に気づいてくれる筈だ!すべては明日分かる。多分。」




