122.鉄人兵団ズ
山斬は宿で晩飯を食べ終わった後、
宿の外へ出掛けた。
それを見た圭吾は、山斬を不思議に思い、追いかける事にした。
山斬は両手を腰に当てて、空を見上げていた。
圭吾も空を見ると、
満月に白い小さな影が沢山付いている。
鳥だろうか?
しかし光を反射している。
そして、その影達は次第に形を現して、ロケットのジェットの音と共に山斬の方へ向かって来る。
鳥では無い、空を飛ぶ物体。
その物体は、人型の形になっていくのが分かった。
鉄人兵団だ。数は、ざっと1000体。
そのロボットの光沢が、月光を反射させ、まるでアイドルスターが1000人いるかのような輝きを放っている。
ムラや傷一つなくコーティングされた美しい銀色の金属光沢。
四股を後ろに回して、その四股からジェットが出ている。
それが、一つ一つ、綺麗に人型になっていて、ロボットにしては、スマートな形をしている。
山斬は戦闘アンドロイドと言っていたが、そのままアンドロイドって感じだ。
「カッコいい。」
圭吾は思わず口に出した。
山斬はそれに気付く素振りをするが、
その鉄人兵団は、山斬の前に着地する。
山斬は再び、鉄人兵団の方に向く。
着地も、横に100、縦に10の形で綺麗に右手から順に素早く着地し、完璧な整列を見せる。姿勢も完璧。
そしてその内の一体が、山斬に話しかける。
「到着いたしました。山斬様、何か御用ですか?」
機械で作っている声と分かるが、ボーカロイドよりもちょっとぐらい綺麗に喋れている。
「山斬、このロボット達は....なんなんだ!」
圭吾は興奮と動揺を隠せないまま山斬に聞く。
「ああ、これはワティフェィ自作!最先端光砲術式戦闘アンドロイド:ソラミネル達だ!今日は、こいつらに村中を見張ってもらう!」
「凄いぞ山斬こんなロボット見た事が無い!」
圭吾はしばらく目を光らせていたが、ふと一つ疑問が湧いた。
「....だが、一つ聞きたい。こんなに強そうなロボット達が居るなら、これを使って戦ったらいいんじゃないか?」
「それがな、考えたんだが恐らくダメだと思う。」
「何故だ!これほどまでに強そうなのに!カッコいいのに!」
「まず、こいつらは正面で戦うタイプの戦闘機じゃないのだ。どちらかと言うと、人間の繊細な思考や行動などをする為に出来ている。一体デカい敵とかなら大丈夫だろうが、無数の敵を処理する能力は無い。そして粒生体の量だが、怪竹という媒体が物理的にかなり大きい為、恐らく粒生体は想像を絶する程に増える事が出来るだろう。とにかく全員守るのはまず不可能だ。」
「そうか.....それにしても凄いな!どれぐらいの年月をかけたんだ?見た感じ、山斬は若く見えていたが........まさか!幼児の頃から天才という名付けて“|超越せし完全思考回路脳"という事か!?」
「一年で作った。」
「イチネエェェェン!!!!!!???」
圭吾は驚きで声が裏返っていた。
「ああ、記憶は失っているんだが、作り方や仕組みなどが完璧に覚えている。何か記憶を引き出す為のトリガーになるかなと思って作ったんだが、なかなか思い出せなかった。」




