120.消えた筍
「そうだ!山斬くん、もしかしたら使えるかもしれないからこの本を持っておくといい。」
レイジーはそう言うと、部屋のテーブルに置かれていた本のような物を取って山斬に渡した。
「これはなんなのだ?」
「これはね、粒生体や怪竹とかの情報が集まっているマニュアルなんだ。コピーはいくらでも出来るから遠慮なく貰っていってよ!」
山斬はそのマニュアルを貰った。
「レイジーさん、ありがとうございました。」
そう言って山斬は自分の部屋へ戻った。
山斬は自分の部屋で早速このマニュアルを読む。
「さて!読むか!」
そしてページを開けると、大体15〜6ページぐらいだ。
思ったより情報は無さそうだが、文字がゴマみたいに詰まってる。
脳がおかしくなるとか、身体に激痛が走るとか、怖い事が書いてある。
怖いけど、読まなければならない。当たり前だが、読んでて楽しい訳がないので、関係が無さそうな部分は全て飛ばす。
そうして6ページ読み進めた時、とある種類の怪竹で、ブニブニの付いた竹で目玉のついたラズベリーみたいなものを産み出す性質があると書いてある。
間違いなく村を襲ったのはこれだ。
丁度読み進めようとしたその時。
「コンコンコン」
このタイミングで部屋に来たのは確か圭吾だ。なので山斬は、圭吾だと思って返事した。
「なんだ?圭吾か?」
「ガチャ」
扉からは、勿論圭吾が出てきた。
「流石だな!我の想像通りの反応だ!突然だが山斬よ!君は暇であるか?因みに我は暇だ!」
「ワティフェィは暇じゃない。イカサマのババ抜きなんてしないぞ?」
「むむ!時を戻した事を疑ってはいなかったが、ここまで凄いと、流石に我でも驚くぞ!」
「じゃあ、そういう事だ。さてさて...えっと」
山斬はそう言って、マニュアルを読み進める。
「......あ.あの山斬よ..もう少し反応してくれないと我は寂しいぞ..?.....おーい..聞いてるか?おーい!」
一方山斬は圭吾を無視してマニュアルを読んでいた。
その時。
「ん?お?これは!!」
山斬は立ち上がり、声に出る程に驚くような発見をした。
「....山斬?どうした?我の声、聞こえとるか....?」
そんな寂しそうにしている圭吾に山斬は視線を向けて、
「ああ!早速だが、圭吾。お前暇だろ?ワティフェィについて来てくれないか?」
「お..おう!」
急な反応に驚きながらも圭吾は嬉しそうに返事をして、山斬についていった。
山斬が向かった先は村のとある家と家の間にある1mくらい隙間だった。
「あれ?あれあれ?」
山斬は不思議そうにしている。
「山斬よ、ここに何かあるのか?」
「あるはずなのだが...無いぞ?」
「何が無いんだ?我に話すといい。」
「ここには石を立てた様な怪竹の筍があったのだが...無いのだ。」
「怪竹?とはなんだ?」
「とりあえず、この村を襲う恐ろしい竹って言ったらよいか?で、レイジーからその竹についてのマニュアルを貰って読んだら、筍の時の絵に既視感を覚えたのだ。その筍らしき物は時を戻す前、ここにあったのだが...何故か見つからないのだ。」
そう、あの時誰かが置いたかと思える円錐型の石のような物は、筍だったのだ。




