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91.真夜中の完全なる奇襲

真夜中の丁度日をまたぐ位の時間帯になった。


昼に、村と森との間に簡易的な柵ができた。

木の棒で洗濯物を干せそうな形の物が、連なって村を囲っている。

真夜中は暗くなっていて、村の人口密度も大して高くないせいか見張りの目を掻い潜るのは容易だろう。


問題は傷まみれのソフィーを連れて行く事だ。

レイジーに聞くとソフィーはどこでも戦闘用の台車を召喚出来るらしいので、とてつもない荷物にはならないが、騒ぎを起こさない為にも、出来るだけ暗く、出来るだけ見張りが沢山いない時間帯に行きたいところだ。

だからといって無茶苦茶に遅く行っても体の負担がある。

よって12:00ら辺がベストだ。


そして村の西側で、柵の近くに森探索部隊と集まることにして、今に至る。


「皆んな!今の所順調だね!」

「でっかい声は出さないで下さいよ!レイジーさん!」

ソフィーは身体の負担を減らす為に出来るだけ暗い日陰を経由して来ていて、日陰から声を張り上げずにレイジーに突っ込んでいた。


「ごめん。で、ソフィーと圭吾くんと山斬くんと僕の4人で全員だったね?」

「それで全員だと思います。一つ聞きたいのですが、我黒龍の力は使うタイミングってありますか?」

「んー出来るだけ減らすように努力するよ。バイトに負担をかけたくないからね。」


正直何を言ってるが分からないが、何とかちゃんと返してあげるレイジーだった。


「じゃあ皆んな、山斬くんはビザリくんから借りたレーダーを頼む。僕とソフィーが主戦力。圭吾くんはサポートに回って欲しい。」


3人は頷いて返事をする。


「一度行く前にレーダーを使っておきたい。山斬くんちょっと使ってくれるかい?」


「わかりました!」


「ピピピン!ピピピン!」


そして山斬はレーダーを起動する。そうすると丁度今から向かおうとした方角に反応が出た。


「おお!このまま森に入ったら敵を見つけ出せる!」

レイジーはこの大きなチャンスを喜んでいた。


「よし、行こう皆んな!」


レイジーと圭吾は行こうとするが、山斬はソフィーが西、つまり今から向かう方向にある空の月を見ていたのが気になって声をかけた。


「ソフィーさん、どうかしたのですか?」


「いや、月を見てアノちゃんを思い浮かべていただけよ。あの子本当に月が好きだから。」


「そうですね、.....行きましょう。ワティフェィが支えになりましょうか?」


「いい、別に1人で行けるわ。」

そして森に入った。






森は暗くて怖かったが、しばらくすると慣れてきた。




その時。

「グググググググググググググググググググググゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!」

村の方から変な音が聞こえる!小さな穴の音でもない何かの音。だが山斬には聞き覚えがあった。



「!!!この音は!皆んな、一旦森の探索は中止だ。村の方に戻ろう!」

レイジーが形相を変えて迫ってきた。


顎のシワがちょっと増えたぐらいだが。


そして4人は走って村に戻る!

そうすると、村にはあの会社や周りの建物を破壊したあの竹が100本、いやそれ以上に生えている!



森を抜けて竹の所に行こうとして、

丁度森を抜け出した位に

「うううう!!!」



何とソフィーが体を丸くして倒れこんだ!



「大丈夫か!?ソフィー!?山斬くん、ソフィーを日陰に連れてって安静にしてやってくれ!きっと体に負荷をかけ過ぎたのが原因だから、命に別状は無いと思う!」


「はい!」


山斬はソフィーを森の日陰に連れ込み、レイジーと圭吾は村へ向かう!


「ソフィーさん!大丈夫ですか!?」


「行かないと...」


「安静にして下さい!」


「行かないと!」


「レイジーさんの指示です安静に...」




「行かないといけないって言ってるでしょ!!!」






森に4、5度ほどこだまする程大きな声でソフィーは山斬を怒鳴りつけた。





「貴方も見た事ある筈よ!あれは粒生体(りゅうせいたい)を大量に産む、粒生体(りゅうせいたい)を放置なんかしたら村人が....皆んなが.....」

ソフィーの顔が喋っている内に、色々な感情で潰れていく。

悲しみや怒り、憎しみなどの感情が混在しているのが分かった。







その中に絶望も混ざっていた事を知るのは、しばし後だが。



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