31.説明と空想科学の加速
8月3日午前0:10 1回目、1日目
時の鱗。
それは時を戻す事の出来る鱗だ。
発動するとその1日中を記憶して、周囲に2〜3kmくらいの大きな青い膜を貼る。
その中で、「時を遡り鯛」と叫びながら200ml以上の水を泳ぐと、膜内のみの時間が遡り、記憶した一日の同時刻に戻る。
膜に途中から入ったり、途中で出たりしている物は効果から除外される。
そんな効果のある鱗だ。
山斬は2年前病院で目が覚めてから、曖昧な記憶を保持していた。
彼はその天才的な工学の能力で何とか1人で生きてきている。彼は記憶が欠如していて、記憶喪失状態だが、記憶を取り戻す事も出来ず今に至る。
故に、鱗の効果を覚えているが、それはなぜ生えてくるのか、またなぜ自分が鱗が生えているのかなどを知らない。鱗の効果などから他の記憶にリンクして思い出せるかはもう試した後だった。
この2年、鱗の効果は知っているが、旅行中に山奥で遭難
した一度しか使った事が無い。
その理由は、この鱗は使い勝手が悪く、周りへの影響が大きすぎるからである。
まず一日中記憶する事が面倒だ。
そのさらに厄介な事は、周りへの影響が大き過ぎる事。
膜内の人間と外の人間では、過ごした時間が異なり、混乱は避けられない。
だからあまり使ってこなかった。
しかし、今回ばかりは使うタイミングがあるかもしれない。
そう思った山斬は、時の鱗を大事に持って寝た。
〜朝8:00〜
山斬は、宿の受付前にある3つの丸テーブルの内、真ん中のテーブルの椅子に座って、宿のサービスの飯を食べた。
宿の人に聞くと、他の仲間達は先に出て行っているらしい。
宿前には、自分以外の仲間達が集まっていた。
「遅いわよ〜山斬!」
アプシュルノは少し怒り気味に言っていた。
「さあ!みんな集まったね!今日から仕事を始めるよ!」
「仕事ッテ具体的ニ何ヲスレバイインデスカ?」
「君達には、この厭魂レーダーでこの村を調べて欲しいんだ!もし、厭魂を見つけたら慌てずに僕達上司に伝えてね!」
「我が質問して良いか?」
「いいよ!何?」
「厭魂とは何だ?」
「いい質問だね!厭魂とは、たけのこラズベリー軍の上層部が持っているエネルギーなんだ!厭魂はそれを受け入れようとする存在と融合し、その存在はたけのこラズベリー軍の生まれる竹や、花などを産む事が出来るようになる!だからとっても危険で、早く倒して、厭魂をその存在ごと倒すか、切り離さないといけないんだ!」
「なるほど...土から分身を作り出して増える魔物ロロルカディアのような物という事か!」
「多分ね!じゃあ厭魂レーダーを渡すね!」
そして、バイトの皆んなは、ソフィーから
ドラゴン○ールの球を探す時のレーダーの様な装置を渡された。
「レーダーは200〜300m以上離れていると方角までしか分からなくて、1km以上離れていると、方角も分からなくなって、2km以上離れると反応しないよ!後使い過ぎると直ぐに充電が無くなるから注意してね!」
そして皆んなは村に向かってバラバラになり、厭魂を探す事になった。
山斬は村の南を探していた。
村は昨日も見ていたが、田んぼに、木と藁で出来た昔ながらの家に、コーサム族が住んでいて、村の端から端まで続いている。
こんなド田舎に都会のビルを飲み込むあの竹を生み出す存在がいるのだろうか?
山斬は半信半疑でレーダーを起動した。
「ピィン」
本当に反応があった。
方角すら分からない1〜2kmの何処かにいる。
そしてしばらくして、仲間の皆んなは情報共有の為、族長の家へと向かった。




