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第21話
「……加賀、加賀ー」
「は、はい!」
「……」
国語の岩本先生が、僕の方を凝視した。その視線に釣られてクラス中の視線が僕に集まる。
必死に平静を装った。挙動を正解に導かなければと、精一杯表情は崩さないようにした。
「……やっぱり。何か顔色が悪いな。保健室行ってこい」
「い、いえ、大丈夫です」
何でこんなことを言うんだろう先生は、先生の発言でクラス中の人たちが僕の表情を見て、近くの人たちと話し、ざわつき始める。
「大丈夫です」
「いや、大丈夫じゃないだろ。汗もびっしょり掻いているし。倒れてからじゃ遅いぞ。おい保険委員、保健室まで連れて――」
「大丈夫です!!」
「……」
岩本先生の提案を遮った僕の声は、想像以上に大きく響いた。普段僕が声を出さない反動だろうか。目を大きく見開き、驚いたリアクションを取る人も何人かいた。
「……ホントに辛かったら自分で行きます。あと十五分で授業も終わりますし、だから、その……本当に大丈夫です」
「……とりあえず水か何か飲みなさい。それと、もし辛くなったら我慢せずにすぐ言いなさい」
「……はい」
周りの人たちは、あいかわず狐につままれたような顔をしていた。




