18.昔の話
ゆうあとあやめは隣り合わせになり、ゆうあは左手を、あやめは右手を上に挙げた
「あやめ、できるかわかんないけどやってみよ!」
「...うん」
二人が真剣に見つめ合っているのを見て、土藤と天風は身構えた
【異能力"戒雷"、"水"】
「目眩まし」
二人の混合技で土藤と天風の周りが囲まれる
「っく!見えねぇ」
【異能力"土操"】
「ソイルバリア!」
二人が土で囲まれ、土藤が尻もちをついた
土藤が痙攣しているのを見て天風は何かに気づいた
「上手く立てないな」
「あの水しぶきの中に高電圧の電気が流れてるんだと思う...」
"ピキッ"
土のバリアにヒビが入る、外ではあやめが雷を何度も放っていた
「...どうするか、なんか案あるかみな..と?」
天風の目にはハイライトがなくそれを見た土藤はゾッとしていた
「案?あるよ、力でねじ伏せる」
【異能力"水"】
「水壊」
数個の水の塊ができて土のバリアを壊し破裂した
「!?」
3人が驚いて固まっていると、天風があやめに向かっていった
「傷水!」
水が激しい勢いで噴射されあやめにかすった
「っく!殺雷」
周りを雷が囲って天風に向かって飛んでいった
「大水防!」
巨大な水のバリアが雷を吸収した
「水撃」
天風が手で銃の形を作り、「バンッ」っと言った
放たれた水はゆうあの頭に直撃したが勢いが弱まって、少しの痛みしか感じなかった
「...さすがに遠いか」
この一連を見ていた土藤はポカーンとしていた
ゆうあたちが少しひいたのを見て、天風の目にハイライトが戻った
呆然としている土藤のもとに駆け寄り壁を作るようお願いする
「ごめんなさい...先に説明しておくべきだった」
「あぁ...驚いたけど、まぁ、な」
「少し昔の話するね」
ーーー14年前ーーー
「みーなとっ!」
一人の女の子が飛びついてくる
「うわっ!玲奈、びっくりしたぁ」
天風が目を丸にしながら言った
「あそぼ!」
「いいよ、何して遊ぶ?」
「う〜ん、なんでも!」
二人は小さい頃から施設で育ち、一緒に暮らしてきた
女の子の名前は咲星玲奈といい、よく天風と遊んでいた
「みなとまだ異能力わからないの?」
「うん、まだわかんない」
異能力が発現するのは大体5〜9歳くらい
それまでに異能力が発現しない人は異能力なしとされていた
異能力が発現した者は13歳になると専用の学校に入り、使い方、伸ばし方、先の進路について
3年間勉強する
「みなとも異能力出て一緒の学校に行けるといいね!」
笑顔で手を掴んでくる咲星をみて、天風も自然と笑顔になっていた
天風が9歳になり異能力が発現した、二人で大喜びしてずっとはしゃいでいた
そして二人は同じ学校に通う...はずだった
「っ!なんで玲奈が!」
天風が泣き崩れているのを学校の先生がなだめていた
玲奈はテラス団によって行方不明となり、死亡したと断定された
当時のテラス団はできたばかりで、今よりずっと凶暴で最恐最悪の集団だった
その時のストレスと玲奈を守れなかった後悔で天風は二重人格になってしまった
ーーー14年後 現在ーーー
「そんなことが...」
あまりの壮絶な天風の過去に土藤は絶句してしまった
「...ごめん、そんなつもりじゃなかったんだけど」
「天風、後で話そう、今は責務を全うしよう」
二人は戦闘態勢を整えて土の壁を壊した




