15.孤児院-②
リュックに、水筒・お弁当・採集袋を入れて、みんなで西の森へ出発。私は少し眠いけれど、みんなは元気いっぱい。木漏れ日がキラキラしてる。
西の森は、魔獣の巣窟だけど、浅い部分であれば豊かな森だ。いつか孤児院をでたときに、なるべく多くの選択肢と、生き延びる力を与えたい。そういった意図で、ときどき私みたいな人を呼んで、知識と知恵を伝えているらしい。でも、子供たちと仲良くなりたいからって、私を生贄にしないでほしい。討伐組合の人かな?
お弁当を食べて、荷物を軽くしたら、採集開始だ。今回は、薬になる薬草ときのこを探す。慣れてる子は手際が良い、成長を感じる。慣れてない子も、図鑑を見ながら、よく観察している。おっと、その変な形のきのこは、さわってはいけない。止めよう。
「…!」
薄く広げていた検知の魔法に、動くものが複数かかる。そっと合図をだして、集合場所に集めてもらう。
「はーいみんな、いったん集まりましょうね。」
みんないる。とりあえずはこれで大丈夫。検知の反応から、獣の属性の魔物の群れと、負傷して逃げている人が数名。進路は…残念ながらこちらの方向だ。
「っ!聖女さんっ!?すまないしくじった。」
討伐組合の人、ひどい怪我だ。魔物は狼型、すでに囲まれている。奥には上位種の気配。想定外の事態なのだろう。
「ま…まもの…」
「ししょーの兄ちゃん…」
子供達に動揺が広がる。黒幕のお兄さんもいるらしい。ここで、立て直す。
「…討伐します。」
「えっ?」
治癒と防護の魔法で、組合の人に復帰してもらう。そして、準備しておいた、設置型の防護結界を起動する。孤児院の人たちを、豪華な結界が囲む。「それ」が協力してくれたらしい。こういうときには、この見ためが役にたつ。
「…抜けてきたのをお願いします。」
「ええっ?」
いつも通り、身体強化して突っ込む。いつもと違うのは、役割だけだ。ロングスタッフを一閃、魔物が1匹、光の粒子に変わる。本能で脅威と認識したのか、私を囲んで、次々と飛びかかってくる。ありがたい。攻撃に合わせて、体をさばきながら、カウンターを叩き込んでいく。
「…」
上位種だ。仲間を消されて、怒りに震えているようだ。さすがに、一撃ではしとめられない。逃がすと被害が増えるから、こちらから仕掛ける。足元に飛び込み、遠心力をのせて振り抜き、そのまま次の動きにつなげていく。攻撃のたびに、捕縛の魔法の糸が、上位種を絡めとっていく。気づいたようだけどもう遅い。上位種は光の粒子になり、森は静寂につつまれた。
「すごーい!」「かっこいいっ」「わたしにもできるかな?」
組合の人も、ちゃんと仕事してくれたようだ。森ににぎやかさが戻る。必要以上に、怖い思いをしなくて良かった。
「後衛だと思ってた…」「俺、死ぬのかな?」
どうして組合の人が怖がってるの?あと、私の治癒の魔法、ちゃんと効果あるから死なないよ。




