10.要塞-②
「あのぅ、本当に大丈夫でしょうかぁ?」
「大丈夫大丈夫!いつも通りやればいいわ。どーんとやっちゃって。うまくいかなくても、男共がなんとかしてくれるわ。」
私たちは、要塞の見える丘に来ている。初手は、要塞の壁の破壊だ。結構距離は離れている。この距離なら、要塞からは出てこない。私は設置型の魔法陣の準備。魔術師の人の周りに、いくつか楔を刺していく。
「無茶ぶりすぎるだろ…まあなんとかしてやるさ。」
うん、隣街の人たちも士気は高そうだ。さりげなく頼られて、まんざらでもないのだろう。魔術師の人が集中を始める。力強い、良い魔力だ。私も魔法陣を起動。魔法の威力・精度・維持を高める、汎用的なものだ。増幅率は、起動者によるらしい。
「う、うそぉ。」
「集中!」
「はいぃぃ!」
魔術師の人のワンドに、静謐な光が集まる。その間に、全員へ補助の魔法。持続回復と防護。隣街の人たちが、動揺してる。初撃のあとは、突っ込む作戦だよね?
「いっ、いきますぅ!」
紅蓮の球体が、一直線に要塞へ向かう。数秒後、爆裂の魔法が、要塞を半壊させた。さすが。私も使えたら、ストレス発散になるのに。
すばやく身体強化して走りだす。おっと、隣街の人たちがまだ浮き足だってる。えっと、こういうときは、ロングスタッフを両手で持って、に、にっこり。うまくできたかな?おお、必死で走っていった。リーダーさんが親指立ててる。成功だ。
「倒れろ!」「せやっ!」
順調に要塞を切り崩し、あとは上位種を残すのみ。強力な魔物ではあるけど、的を絞らせなければ大丈夫。それぞれが攻撃を重ねていく。
「…回復します。防護も無敵ではありません。無理はなさらないでください。」
「す、すまない。」
多少の失敗も、回復役がいれば問題ない。ただ、上位種は頭が良い。最後の力を振り絞って、私たちを潰しにくる。回避…だめ、怪我した人が逃げられない。覚悟を決める。
『止めます。総攻撃を。』
障壁の魔法で怪我した人を守り、身体中に魔力をめぐらせ、攻撃を受け止める。上位種の顔が驚愕にゆがむ。完全に止まった体に、攻撃を叩き込まれ、要塞はすべて光の粒子になった。
ふぅ…カウンターを選ばなくて良かった。嬉しいのは分かるけど、みんな感謝が大袈裟だと思う。あの、謝らなくていいから、拝むのもやめて。




