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夢見の聖女はできるだけがんばる  作者: Nomu


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9.要塞-①

部屋で身支度をしていたら、私にお客さんが来ていると、宿の管理人さんから相談があった。珍しい。

管理人さんは、申し訳なさそうな表情。察するに、えらい人だろう。急患とかの場合は、彼の奥さんが、合鍵つかって入ってくる。


「ほほ。久しいのう、聖女殿。」

「…お久しぶりです。」

この街の管理者。領主のおじいちゃんだ。隙を見せると、おしりを狙ってくる、油断のならない人だ。

「相変わらず固いのう、減るもんじゃなかろうに。」

「…」

読まれた。正直苦手だ。街を心から愛する、立派な人物ではあるけれども。


「隣街への道のそばに、要塞ができてのう。すでに被害もでておる。2都市合同で、攻め落とすことになったのじゃ。聖女殿の、力を借りたい。」

要塞…魔物が作り出す、構造物の1つだ。名前の通り、防衛能力が高く、魔物も組織的に行動する。特に、要塞を統括する上位種は、非常に強力だ。しかも、時間がたつほど勢力を拡大する。人を集めても犠牲が増えるだけなので、少数精鋭で叩くのが定石。例によって私は、回復と支援だろう。


「…メンバー次第です。」

「ほほ。ありがたい。亜人の属性じゃ。今回も、雛どもをよろしくの。」

…なんだか会話が成立してない。でも、状況は分かった。おじいちゃんの手を払いつつ、領主の館へ向かう。


—————


「…回復と支援をやります。」

「この街はやる気あんのか!?」

私を見て、戦士の人が怒鳴る。大きな声。ちょっとびっくりした。前衛3人と遊撃の人は、おそらく隣町の人員。それなりの実績はあるのだろう。

「この上なく、やる気だと思うわよ。」

討伐組合でよく私に声をかけてくれる、リーダーさんだ。その近くにいるのは、緊張気味の魔術師さん。彼女が本来の力をだせれば、序盤の不安はないだろう。


「はいはい傾聴!要塞攻め、やったことある人は挙手。はい、私と聖女ちゃんだけね。気に入らないかもしれないけど、私が仕切るわ。」

リーダーさん、かっこいい。

「これから作戦説明するけど、ぜったい頭に叩き込んで。あのロングスタッフに、意識を飛ばされたくなかったらね。」

こちらを見てにっこり。あの、リーダーさん、誤解です。

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