表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
八重結び  作者: KEI
第8話 八重結び

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
66/86

(三)第一段階:足跡

◆ 四 第一段階:足跡


地下道の累積霊障は、最初に足跡として現れた。


濡れた床に、誰もいない足跡が増える。


逃げ道を探す足跡。

出口を探す足跡。

閉じた防火扉の前で、行き場をなくした足跡。


それは、まだ怨霊というより移動の残滓だった。


白鳥が読み上げる。


「足跡群、拡散傾向」


篠宮が外側から状況を見て言う。


「境界固定、入ります」


八重士の一人が境界を仮固定する。

別の八重士が流れを封印路へずらす。


囲えばいい。

導けばいい。

封じればいい。


この段階は、まだ処理できる。


透は、自分の担当する隙間を見る。


固定が少し強い。

その前の偏向枝が、わずかに細すぎる。


このままだと、固定の反発が柱へ戻る。


透は言った。


「少し抜きます」


黒瀬が聞く。


「やれるか」


透は、担当枝だけを見る。


「ここなら約束できます」


透は、偏向を細く入れる。


逃がす。

ただし、逃がしすぎない。


白鳥が確認する。


「固定前偏向枝、圧低下」


「固定柱、安定」


篠宮が言う。


「流しすぎないでください」


「分かってます」


篠宮は、少しだけ間を置いた。


「今のは、分かっている人の流し方でした」


透は思わず顔を上げる。


「褒めてます?」


「作戦中です」


「ですよね」


足跡は、封印路へ流れていく。


出口を探す足跡は、出口ではない場所へ誘導される。

逃げ道を探していたものは、封じられるための道へ流れていく。


それは救いではない。


だが、これ以上迷わせないための処理だった。



※第8話「八重結び」は全十二回です。

続きます。

作者個人サイトでは、人物相関図・各話アイキャッチ・用語メモなどの補足資料を公開しています。

※ネタバレ範囲にご注意ください。


https://www.simulationroom999.com/blog/yaemusubi_top/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ