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【独り立つ】  作者: 春の嵐
一章.カオス
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4話:動き

先に地図の挿絵を入れておこう。


あらすじ

書類仕事に忙殺されるハリコフは、休憩中に兵士、民の不安を目の当たりにし、板挟みとなってしまう。それでも、その後リエと風に吹かれ、決意を取り戻したのだった。

挿絵(By みてみん)挿絵(By みてみん)


本部が創設されて、一、二週間が経った。異能の調査はかなり順調に進んでいる。というのも、リーダーに掛け合った結果、人員の大幅増加が決定されたからだ。これを伝えたときの長官と部下たちの喜びようは尋常(じんじょう)ではなかった。怖いくらいに。そして、その人員というのは……


「君たち前までこんな業務量を自分たちだけでやってたの……!? そりゃクマもできるよ……」

細い腕を動かし業務を片付けながらリエはぼやいていた。そう、リエと彼女の部下たちが参戦してくれたのだ!


「手伝って欲しい、ということを伝えたら直ぐに快諾してくれましたからね」

「うぅ、しくじった……。内容詳しく聞かずに引き受けるんじゃなかった……」

「本当に似ているな、君たちは……」

得意げに笑う俺とげんなりしているリエを見やり、長官はため息をつく。リエの存在に大いに助けられていることもあって、長官はそれ以上深掘りをしなかった。


業務に戻ろうとする矢先、横にいる唯一の後輩ライアンから話しかけられた。

「それにしても先輩、よくリエさんのこと引っ張ってこれましたね。あの人達本来前線に駐屯する役目ですし、本人こんなに嫌がっているのに」

「あぁ、少し策を講じたのだよ」


「策?」、と戸惑うライアンに一部始終を説明した。

まずリエに手伝ってもらうよう頼み込んだ。前の自分を見ているリエは、快く承諾してくれた。言質を取った俺はすぐさまリーダーの下へ行き、調査に人員が必要なこと、既にリエの許可は得ていることを熱弁したのだ。


「その圧に負けて、リーダーは許可を出してしまったと」

「まぁ、戦闘が比較的沈静化していることとか、いろいろ理由はあると思うけどな。ともかくその事実によってリエの退路を断ったと言うわけだ。」

そう言って話を締めくくる。実際、連邦側の動きが小さいからこそこのスピードで進められているわけで、戦闘が本格的に始まればガクンと落ちるだろう。使えるものは使わなければならなかった。


「なら、今のうちに進めないとですね」

「あぁ。頑張ろう」

会話を終え、仕事に戻ろうとする、その時だった。部屋の扉が大きく開かれる。


「ミロ長官はいらっしゃるか」

黒の軍服を着た男が入ってくる。その色は情報局員の証である。


「ん、情報局のソリテール副長か。どうした?」

「連邦軍に動きがあった」


その場の空気がひりついた。長官の手が止まり、声のトーンが一段階下がる。


「場所は?」

「ピューリ川北部だ。二師団、25000ほど移動している。あそこが抜かれれば、前線は後退してしまう」

「了解した。要件はそれだけか?」

「もう一つ、西部の同志たちについてだ。あちら側の連邦軍は異能の使用を自粛しているらしく、今も既存兵器で戦闘を行っているそうだ。しばらくは持ちこたえられると」

「わかった、退出してくれ」

失礼する、と言い残し男は去っていった。


「話は聞いたな、お前たち」

「はい。師団編成はすでに半数ほど終えております。――それに、この二週間で集まった兵たちの”データ“も、すでに実戦で使えるレベルでまとまっています」

「よろしい。では作戦立案に進む。我々の異能対策本部が、ただの書類仕事の組織ではないことを証明してやるぞ」

長官は皆を見据えて宣言した。


「思い上がった(わし)を地べたに引きずり下ろしてやろう」

5月22日 筆を走らせることが心地よく思えてきた。彼らの反応を思うと、胸が踊るな。


当時の兵数でも記しておくことにしよう。


連邦軍:650000(内機械化師団兵数150000)

    内反乱軍対処300000(内機械化師団兵数50000)


連盟軍:140000(内北部、東部方面軍80000

         南部方面軍40000

         西部方面軍20000   )

    加え決起した同志約10000

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