02-05.無敵の綻び
ティアはどう思う?
『さっぱりなのだわ♪ 興味深いのだわ♪』
……まあ、ね。いつもその明るさには救われてるけどね。
『それはよかったのだわ♪』
……まいっか。何もわからないのは今までどおりだし。
『わかったこともあるのだわ♪』
と言うと?
『騎士様は着痩せするタイプなのだわ♪』
確かに♪ 良い目の付け所だね♪ 流石相棒♪
『えっへん♪ なのだわ♪』
「お♪ ナズナはもう元気になったみたいだね♪」
「うん♪ 良いもの見れたし♪」
「……」
ふふふ♪ 今更隠したって遅いんだぜ♪ 騎士様♪
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「ご飯~♪ ご飯~♪」
「ちょいと待ってな♪」
「手伝おう」
「おお♪ 手際良いねぇ♪ クラウ♪ やっぱ嫁に」
「ならん」
ふふふ♪
「ナズナがえらくご機嫌だね」
「うむ」
「あ、ルクス君♪ ブルーノさんも♪ 良いね♪ カッコいいね♪ 湯上がりのイケメン♪ マッスルも♪」
「あ、ありがとう」
「うむ」
ふふふ♪ 照れちゃってまぁ♪
『ルクスに聞いてみるのだわ♪』
ダメに決まってるでしょ。
『気になるのだわ!!』
私だって気になるよ。けど、今聞いたらお姉ちゃんが口を滑らせたってバレちゃうでしょ。
『気にする必要無いのだわ! アルバも喜ぶのだわ!』
なしてさ。
『ナズナとルクスをくっつけたがっているのだわ! 秘密の共有は大きいのだわ!』
まるでティアまで私たちをくっつけようとしているかのような物言いじゃんか。
『興味深いのだわ!』
むっ……。
……ティア。流石に私だって怒るんだよ。
守護霊としての矜持はどこへいったのさ。そんな理由で私の純情を売り渡そうだなんて。恥を知りなさい。
『心外なのだわ! わたくしが誰にでもナズナを任せるだなんて思われたくないのだわ!!』
お、おう……ごめん。言い過ぎた。
『わかればいいのだわ!』
寛大な守護霊様だ。
『勇者ルクスなら文句無しなのだわ! 何よりアルバの庇護下に入れるのが大きいのだわ!』
わ~お。合理的な守護霊様だぁ。
『真面目に考えるのだわ! これはチャンスなのだわ!』
何を焦ってるのさ。
『ナズナのためなのだわ!』
本気っぽい。
珍しく白熱している。我が相棒様が。
「ナズナ? 何か困りごとかい?」
爽やかで察しの良いイケメンだ。
確かにルクス君と恋人になれたら幸せなのかもしれない。
けれど彼は勇者だ。そして私は弱者だ。
如何に無敵の身体を持っていようとも、戦う力を持っているわけじゃない。暴走モードなら或いはとも思わなくはないけれど、魔王との戦いでも通用するとは限らない。
アルバお姉ちゃんだって私と同じことは出来る筈だ。それも意識を失うこともなく。私は絶対足手まといになる。確実にそうだと言い切れる。
「話せることかな?」
「ううん。何も困ってないよ」
「そっか」
「うん」
「何か困ったらすぐに言うんだよ。僕は君の側に居ると口にした。僕は君を守って見せるよ。それは身の安全の話だけじゃない。君の心もだ」
「……ふふ♪ ありがとう♪」
本当に良い人だ。ルクス君も。アルバお姉ちゃんたちも。
『……』
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「食事は食べられるんだねぇ」
「……だね~」
どういうこっちゃ?
「触るよ」
お姉ちゃんが私の口に指を突っ込んできた。
即断即決ぅ!
「あら」
うへぇ!? 初体験!?
「普通に触れるんだねぇ」
「何をやってるのさ。アルバ姉。いくら仲良くなったからって」
「羨ましいのかい♪」
何故か私の歯茎を撫で始めるお姉ちゃん。
いやん♪ 背筋がゾクゾクしちゃう♪
「あひゃっ!?」
……あかん……何か目覚めそう。
「……食事中だよ」
そういう問題かしら?
「やめろ」
あ、騎士様が助けてくれた。
「はぁーはぁーはぁー……」
「水を飲んで。ゆっくりと」
ルクス君が介抱してくれた。
アルバお姉ちゃんはそんなルクス君と私をニヤニヤ眺めている。
「アルバ姉。やりすぎだ。理由を聞かせてもらうよ」
「触っていて気付かないのかい?」
いつの間にか私の肩にルクス君の手が置かれていた。
「……暴走しているのか」
「鈍いねぇ」
「……」
まあまあ。
ルクス君は今まで私を触らないでいてくれたんだし。
ルクス君は決して察しが悪いわけじゃないと思うぜ♪
ふふ♪ 男の子に触られるのなんて初めてだね♪ 何の感触も感じないけど♪ けど……けど……けど……。
ぐぬぬぅ……。




