02-02.旅は道連れ
「はぁっ!!」
お~~! 凄い! ルクス君めっちゃ強い!
魔物が一太刀で斬り伏せられた。
斬られたのは私を攫おうと近づいてきた怪鳥だ。これで何度目だろう。魔物に狙われるのは。いつも何かに狙われてはいるんだけども。魔物に限らず。騎士様とか。……あれ? 最近見ないね。騎士様。
「怪我は無いかな?」
「うん! ありがとう! ルクス君!」
「……ルクスでいいよ」
照れてる♪ か~わい♪
「なかなかやるじゃないか♪」
そこで何故私を抱きしめるのか。このお姉ちゃんは。嬉しいけど♪
「やっぱりナズナには見どころがあるねぇ♪」
何故私? ルクス君の話じゃなかったの?
私はただ、怯えて縮こまっていただけだよ?
「それより気付いているかい?」
「うむ」
「つけられているね」
まさかまた魔物? それとも魔物を指揮する魔族?
「あれはナズナの知り合いかい?」
「あれって?」
悪いけど私は気配なんて感じ取れないのだ。
『愛しの騎士様なのだわ♪』
ああ。そういうことか。
「知り合いです」
「なんだい。なら声かけておいで♪ 旅は道連れさね♪」
それはそれでどうなんだろう。
いや。これは良い機会かもしれない。勇者様御一行を通せばコミュニケーションも取れるかも。あわよくば私の守護騎士になってもらって♪ ぐっふっふ♪
「騎士様~~~!!!」
私は駆け出した。
「あっはっは♪ フラれちまったね~♪」
「そんなんじゃないし」
「うむ」
三人はそんなやり取りをしながらついて来てくれた。……というか追い抜いていった。
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「……げせぬ」
騎士様って意外と鈍臭いよね。
『決して弱いわけではないのだわ♪』
うん。私もよく知ってるよ。チンピラ三人くらいなら簡単に伸せる実力はあるんだよね。これでも。
『中途半端なのだわ♪ 今までよくぞ無事に生きてこられたものなのだわ♪』
私のお陰も多分にあるぜ♪ いつも一緒に捕まってくれるもんね♪
『ツンデレなのだわ♪』
「……何が目的だ」
「え? 騎士様の方こそ私に用があるんじゃないの?」
「……」
いつもついて来るのは騎士様の方じゃんか。
いい加減そこんとこも腹割って話し合おうぜ♪
今は勇者様たちがバックについてるからね♪ ナズナちゃんは気が大きくなっているんだぜぃ♪
「……話すことはない」
「そっか。まあ追々でいいよ」
「このまま連れて行くのかい?」
「ルクス君は反対?」
「本人が嫌がっているように見えるんだけど」
「私もよくわかんないの。いつもついてくるの。たぶん故郷からずっと。だから元は私の守護騎士様なのかなって」
「ひとごとだねぇ。ハッキリしないのかい?」
「私、記憶無くて」
「なんだと!?」
あれ? 騎士様知らなかったの?
「だからね、騎士様。騎士様がどうして私を殺そうとしてくるのかわからないんだよ」
「「「!?」」」
あ、やべ。口が滑った。
「あ! いや! 違うんだよ! 騎士様はたぶん私を止めようとしてるだけでね! 私無敵だから! 傷つかないの! 本当はちゃんとわかってるの! けど最初の理由が知りたくて! 私に恨みがあるようには思えなかったから!」
「つまり話し合いたいってわけだ」
「そう! そうなの! 流石お姉ちゃん!」
「彼女はそう言っているよ。君はどうかな?」
ルクス君が若干警戒しながら騎士様に問いかけた。
「……放ってはおけぬ」
「なら騎士様が守って! 私が暴走しちゃわないように!」
「……」
「暴走?」
「あ……えっと……私……ね。……私! たまに意識を失っちゃうの! そうなるとすっごい強い私になるの! それで回りをめちゃくちゃに破壊しちゃうの! けどいつもそうじゃなくて! 悪い人たちに捕まった時だけなる緊急避難的なやつなの! だからそもそもピンチにならなければ大丈夫なの! だから!」
「なら僕たちが側に居るよ」
「……え?」
「彼女は乗り気じゃないようだし。そんな話を聞いては放っておけないからね」
「よく言った♪」
ばしーん! とルクス君の背中を叩くアルバお姉ちゃん。
「っぅ~~~」
ルクス君が痛そう。涙目だ。
「あんたもついてきな♪ 少し様子を見ておやりよ♪」
アルバお姉ちゃんは騎士様にもそう告げた。




