05-05.王妃様の暇潰し
さて。今日はどうやって過ごそうか。
ナズナちゃんは暇を持て余していた。
ああは言ったけど、やっぱり頑張るティアの足を引っ張るのは気が引ける。ティアは自分の隣に席を用意してくれたけど、そこに座って一日過ごすのも退屈だ。
だから結局ブラブラしている。モルモルか騎士様かユーキちゃんの内、比較的手の空いている子が付いてきてくれる。
暇だぁ。
日課の屋台巡りも悪かぁないんだけどね。
何かここらで大きな変化でも欲しいものだよね。
「アルバお姉ちゃんはまだ帰ってこないの?」
「行方は誰も知りませんわ」
そっかぁ~。
「モルモル、なんか芸でもしてよ」
「ナズナ様♪」
あかん。キレてる。
「冗談だってば。めんごめんご」
「退屈ならばもう少しだけ散策範囲を広げてみては?」
「ダメだよ。皆忘れちゃうかもしれないじゃん」
だから城から大きくは離れられないのだ。近場の城下町を散策するのが精々なのだ。
「城内にも遊技場はございますのよ?」
「それを早く言ってよ!」
なんだよもう! あるなら行こうぜ!
「いっそキャバクラとかないの?」
「きゃば? なんですの?」
「かわいいお姉ちゃんたちが酌してくれるとこ」
「味を占めましたのね」
流石に怒られるかなぁ。
ティアが寛大だと言っても、それはあくまで騎士様とユーキちゃんに限った話だろう。実際モルモルとふしだらな関係になったらキレ散らかすだろうし。それはそれ、これはこれだ。私の側付きを命じたからといって、浮気まで許したわけではないのだ。当然ね。
「ナズナ様が望まれれば今すぐご用意致しますわ♪」
「え!? マジ!?」
「大マジですわ♪ では早速♪」
「待って待って!」
「あら? キャストのタイプにご希望でも? 事細かにお伺い致しますわ♪」
「くっ! 誘惑しおってぇ!」
けどダメなのぉ!
「他の案出して!」
「他の案? と仰いますと?」
「それを考えるのもモルモルの仕事だよ! 王妃様を楽しませてみせて!」
秘技! 丸投げ!
「浴室にてお背中を」
「そういうのでもなく!!」
「でしたらやはり遊技場へ参りましょう」
「そうだった!」
忘れてた! ついうっかりキャバ計画に夢中になってしまった!
「カラオケある!? ボーリングは!?」
「それはなんですの?」
なんてこったぁ!
「無いの!? この世界に存在しないの!?」
「さあ? そこまではわかりかねますわ」
「直談判に行こう!」
「遊技場はいいんですの?」
「後回しだよ! やりたいことが見つかったから!」
「うふふ♪ 張り切っておりますのね♪」
「ほら抱っこして! 走って! ほら早く!」
「はい♪ ナズナ様♪」
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「好きにするのだわ♪」
やったぜ♪ 話のわかる魔王様だぜ♪
「けどキャバクラはダメなのだわ」
ちくせう! こそっと混ぜといたのに!
「後は問題ないのだわ♪ 細かいことはモルモルに任せるのだわ♪ 『遊戯局』の発足を今この場で承認するのだわ♪」
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「国中の職人たちを集めて参りましたわ♪」
早い早い。話早すぎでしょ。移動時間とかどうなってるのさ。それあれでしょ。なんか別の目的で集めた職人さんたちでしょ。本当に私が自由にしちゃっていいの? 魔王の政務に差し支えない?
「心配要らないのですわ♪」
そう? ならありがたく頼んじゃうけどさ。
「まずはそうだね……ボードゲームでも作ろっか」
こういうのは小さいものから始めていくもんだよね。それが定石ってものだよね。
それにわざわざ部署を作ってもらったんだもん。少しくらいは収益を上げていかないとね。趣味に走るのはその後だ。
てことで先ずはリバーシとかお手軽でいいんじゃない?
「……それはもうありますわね」
あらま。
そういえば、私以外にも転生者っているんだもんね。ルクス君だってそうだったんだし。過去には他にもいたのかも。
「ならこっちは?」
カキカキカキ。
「つまりは人生ゲームですのね?」
「あるんだ……」
先ずはこの世界の遊戯を知るところから始めないと。
「ごめんね、皆。折角集まってもらったのに」
「気にんすんでねぇ♪ 王妃さんよぉ♪ 遊びのことなら俺たちが教えてやんぜ♪」
気の良いおやっさんだぜ♪
「なんだか誤解を生みそうな発言ですわね」
いや一瞬思ったけどさ。




