05-04.家族風呂
「どうした。喧嘩でもしたのか?」
「ちょっとね。それより騎士様はどうしたのさ」
「ご挨拶だな。様子を見に来てやったのに……お前臭うぞ」
「ひどっ!?」
「おい。風呂に行くぞ」
え? 騎士様?
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あっという間にお風呂場へ連れ込まれてしまった。
「痒いところはないか?」
……誰?
「……騎士様?」
「なんだ」
「……本物の騎士様?」
「当然だろう。なんだその問いは」
……だってぇ。
「私が世話を焼いたらおかしいか?」
おかしいでしょ!?
「ナズナは主君の伴侶だ。なんらおかしなことはあるまい」
……え? えぇ!?!!?
「主君って言った!? 今ティアを主君って言ったの!?」
「そうだ。何を今更驚いている」
寝取られた!? 私の騎士様なのにぃ!!
「ちょっとぉ! どういうことなのさぁ!!」
「どうとはなんだ。何を怒っている」
「騎士様は私の騎士様でしょぉ!?」
「いつからそうなった。一度も頷いてなどおらんだろう」
「そんなぁ!?」
「おかしなことを言っているのはお前の方だ。ナズナ」
「はぁっ!? おかしいのは騎士様の方だよ! なんでティアはあっさり主君として認めちゃうのさぁ! 私には靡いてくれなかったくせに! そもそも魔族は敵なんでしょ!? 魔王の手下になんてなっていいの!? 人類への裏切りじゃないの!? どうしてそうブレッブレなのさぁ!!」
「本当に失礼なやつだな」
「だいたい騎士様は!」
「ナズナのために決まってるじゃないですか。ねえクラウ」
「おいユーキ。余計なことは口にするな」
ユーキちゃん!? いつの間に!?
「私のためって!?」
「今更ナズナの騎士になるのは照れくさいのです。察してあげてください」
「ユーキ」
「クラウ。こういうのは早めに素直になっておくべきです。でないと後でもっと恥ずかしい思いをするものですよ」
「余計なお世話だ」
「はい♪ すみません♪」
「まさか二人!? 出来てるの!?」
「今度は何を言っているんだ」
「あらあら♪ ふふふ♪」
ユーキちゃん!?
「クラウ。ワタシたちも」
「ふざけるな」
「ならティアと!?」
「あら♪ それは初耳ですね♪」
「ふ・ざ・け・る・な」
「ダメだよ! 騎士様! ティアは私のなんだから! 私で我慢しておこうよ! 私なんでもするよ! 騎士様の喜ぶことなんでもする! だから!」
「放せ! どこを触っている!」
「騎士様ぁ~!!」
「あらあら♪」
「ユーキ! 見てないで助けろ!!」
「クラウなら簡単に引き剥がせるじゃないですか」
「ちっ! やむを得んか!」
うわっ!?
ばっしゃ~~~ん!
「ひどい……ぶくぶくぶく……」
投げることないじゃんさぁ……。
「ティアに言いつけるぞ!」
「騎士様ならきっと許してくれるよ! てことでユーキちゃん! 騎士様押さえておいて!」
「は~い♪」
「なっ!? ユーキ! 貴様!!」
「すみません♪ 主の命なので♪」
「放せ! 裏切り者!」
「裏切り者は騎士様でしょ! 私も人類も裏切って! そんな悪い子にはお仕置きだぁ!!」
「この! 誰のせいで!」
「私のお陰だね♪」
「ふざけるなぁ!!」
「「きゃっ!?」」
うわ!? 何今の!? 騎士様こんな強かったっけ!?
「まったく。風呂くらい静かに入れんのか」
あ、普通に浸かり直した。よかった。本気で怒らせちゃったのかと思ったよ。
「騎士様。ごめんなさい。燥ぎすぎました」
「別に怒ってなどおらん」
「ありがとう♪ 騎士様♪ 残ってくれて嬉しい♪」
「待遇が良かっただけだ。それだけだ」
「うん♪ ならティアにはくれぐれも言っておくね♪ 絶対騎士様を逃さないでねって♪」
「ふん。好きにしろ」
やったぁ♪
「ナズナ? ワタシの事では何か言ってくれないのですか?」
「ユーキちゃんは~♪ 正式にナズナちゃんの配下として認めます♪」
「やりました♪」
あはは♪ ごめんね♪ 今更で♪
けど私も覚悟を決めたよ! ティアを見習うことにする!
「ユーキちゃんは私の直属だからね♪ なんでも言う事聞くんだよ♪」
「望むところです♪」
ふっふっふ♪ な~に頼んじゃおうっかなぁ~♪
「先ずはここ座って」
「おい。何故私の隣に座らせる」
「いいからいいから♪ そんで♪ 私はここ♪」
騎士様とユーキちゃんの間だぜ♪ 両手に華だぜ♪
「ティアに言いつけるぞ」
「大丈夫大丈夫♪ ティアも認めてくれるって♪」
「ハーレムを作るのは王の方だろうが」
「これはただの家族風呂♪ けど騎士様がどうしてもって言・う・な・ら♪」
「やかましい。大人しく座ってろ」
「は~い♪」
ふふふ♪ 騎士様が素直になるのはもう少し先みたい♪
「大好きだよ♪ お姉ちゃんたち♪」
「はい♪」
「……うむ」
あはは♪ 意外とすぐかも♪




