05-03.肉食系研究者
「わるかったのだわ。ナズナ」
ティアが優しく頭を撫でてくれる。
モルモルから報告を受けたティアは、全ての業務を投げ出して私と共に寝室に籠ってしまった。
私がどんなに考え直すよう言っても、頑として取り合ってはもらえなかった。どころか、これが一番大切なことだからと、優しく抱き締めてくれた。
「ナズナを放っておいたら意味が無いのだわ」
「……モルモルを責めないであげてね」
「ふふ♪ こんな時にまで人の心配なのだわ♪ 本当にナズナは優しい子なのだわ♪」
そんなことないよ……。こうして困らせちゃってるんだしさ……。
「わたくしには夢が出来たのだわ♪」
「びっくりしちゃうよ。今までティアはずっと一緒に居てくれたのに。身体を得た途端にだもん」
「ふふふ♪ 本当にわるかったのだわ♪」
「ティアはずっと側に居てくれないとダメなんだよ」
……あれ? なんで私こんなこと……言うつもりなかったのに。困らせたいわけじゃないのに。
「嬉しいのだわ♪」
……そう……なの?
「やっとナズナが我儘を言ってくれたのだわ♪」
「わざと焦らしてたの?」
「そういう面もあるのだわ♪」
「本当に? 忙しくて手が回らなかっただけじゃないの?」
「伴侶を疑うだなんて酷いのだわ!」
「……だってぇ」
「怒ってないのだわ♪ そんな顔しちゃダメなのだわ♪」
「ティアぁ……」
「よしよし♪ なのだわ♪ やっと抱き締めてあげられるのだわ♪」
「もっと早く抱き締めてよぉ……」
「これからいっぱいいっぱい抱きしめるのだわ♪ 約束するのだわ♪」
「まだまだ足りないよ」
「望むところなのだわ♪」
……本当に良いのかな。
「もっと力を籠めるのだわ♪ ナズナが本気を出したって苦しくなったりしないのだわ♪ むしろ苦しめるくらいが丁度良いのだわ♪」
「ティアだって遠慮してるくせに」
「ぎゅ~~~~~~~~!!」
「ぐふっ!」
ヤバい! さっき食べた串焼きが! 迫り上がって!!
「まだまだ伝え足りないのだわ! ナズナ!」
え? 今? いや! ちょっ! 急に動かしたら!!
「ぐぼぉ!!」
「きゃぁ!!?」
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「初キッスはゲソ味だったのだわ」
「ごめんて……」
掃除大変だった……。
「やり直すのだわ」
「もうそんな空気じゃなくない?」
「空気は作るものなのだわ!」
強引だな~……。
「何より興味があるのだわ!」
「好奇心で迫られるのもなぁ~」
ティアったら全然照れてる様子もないし。
「一通り済ませるのだわ♪」
「それは嫌!」
「なんでなのだわ!?」
自分の胸に聞いてみてください。
「ティアは執着してるだけで恋なんてしてないじゃん」
「ナズナだってしてないのだわ!」
それはそう。
私はティアのこと、半身みたいなものだと思ってたし。
「伴侶はともかく、恋人って感じはしないよね。私たち」
「ぬかったのだわ!」
なんなら私は騎士様の方が……げふんげふん。
「今他の女を思い浮かべたのだわ!!」
ごめんて。
「デートするのだわ! いえ! やっぱその前に沢山口づけるのだわ!」
むちゅ~~~~~。
なんて強引な……。
「ぷはぁっ!! まだまだいくのだわ!」
「ストップストップ! これ以上しても意味ないから!」
「そんなことないのだわ! 続けていれば変な気分になる筈なのだわ!」
「ないない。それはない」
「酷いのだわ!?」
ごめんて。
「でも冷静になって考えてみてよ」
「うるさいのだわ! とにかく脱ぐのだわ!」
あ~れ~……。
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「……ぐすん。もうお嫁にいけない」
「何言ってるのだわ。ナズナはわたくしの伴侶なのだわ」
くっ……好き放題弄びおって……。
「とても興味深かったのだわ♪ 休憩はこれくらいにして再開するのだわ♪」
「待って待って待ってぇ!!」
「問答無用なのだわ♪ ……あら?」
……およ?
「トリスティア!! 今になって邪魔をするのだわっ!?」
私の身体に触れられないティア。
勇者パーティーに居た頃のように、全身を不可視の膜が覆っている。
……もうちょっち早く助けてほしかった。
「おのれ! トリスティア! 夫婦の仲に割って入るだなんて馬に蹴られてしまえばいいのだわ!!」
お口悪いよ。ティアちゃん。
「今日はここまでだね。いや~残念だね~」
いそいそ。
「待つのだわ! 服は着させないのだわ!!」
「あっ! ちょっと!?」
「やりようはいくらでもあるのだわ!」
まさか!? そんな高度な!?
「ついでに研究するのだわ♪」
絶対そっちが本音じゃん!
だから嫌なんだよぉ!
ティアのわからずやぁ~~~~!!




