04-07.裏切り者
『猫耳美女なのだわ!』
突然どうしたの?
もしかして好きなの? 私も付けようか?
『つけられてるのだわ!』
??? 付けてないよ?
『違うのだわ! ストーカーなのだわ!!』
あ、なるへそ。
「ねえねえ騎士様」
「なんだ。まだ腹が減っているのか?」
「ううん。そうじゃなくてさ」
ティアが指し示す方向に"こっそりと"指を向けた。
「何者だ!」
騎士様ったら喧嘩っ早いんだから。
ちょっと様子見ようって言いたかったのに。
「やりますわね♪ もう気付かれるだなんて驚きですわ♪」
うっわ。激マブ美女だ。しかもやたらえっち。ごほん。扇情的な格好だ。
……けど猫耳じゃなくない? ライオン耳じゃない?
『似たようなものなのだわ!』
そこは拘ってほしかった。
『細かいのだわ!』
へいへい。
「私はモルレティア。金獅子と黒獅子の妹、と申し上げれば伝わりますかしら?」
「敵だな!」
「落ち着いて騎士様。どうどう」
しかたないなぁ。もう。
「このナズナちゃんに何か用? もちろん知ってて近づいたんでしょ? もしかして仲間になってくれるの?」
「話が早いですわね♪」
あら。本当に?
「いいよ。なら付いてきて。今から帰るところだから」
「ナズナ!」
「大丈夫だよ。騎士様。灰燼様を怒らせればどうなるかも理解してる筈だから」
「当然ですわ。私は思い上がってなどおりません。彼には勝てませんわ」
彼……ねぇ。果たして本当にアルバお姉ちゃんの正体には気付いていないのかしら? それとも用心深いだけかな?
『それはそれで不自然なのだわ。アルバはアルバと名乗り続けているのだわ。金獅子だって彼女を知っていたのだわ』
だよね~。
敢えて空気を読んで黙っているものかとばかり思っていたけれど。
『その方がパフォーマンスとしては面白いのだわ』
そう思うんよ。
けど違うのかな? 本当に魔族たちは気付いてない? そもそも勇者パーティーのメンバーの名前なんて把握してなかったとか?
『……金獅子が特別な可能性も無くはないのだわ』
だからお姉ちゃんもそのまんまな偽名を名乗ってるのかもしれないね。
『やっぱり考えづらい可能性ではあるのだわ』
だね。機会を見て彼女に聞いてみようよ。なんか色々教えてくれるみたいだしさ。
『かといってこちらから明かすのは危険なのだわ』
うん。気をつける。
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「たっだいま~♪」
「お邪魔いたしますわ♪」
「……おかえりなさい。ナズナ。クラウ」
「あ♪ ユーキちゃん♪ 戻ってたんだね♪ ちょうどよかったよ♪」
れっつ尋問た~いむ♪
「やはり見限りましたか」
「相変わらず嫌われておりますのね。我が兄は」
「違うのですか?」
「いいえ。合っていますわ。この期に及んで仕掛けぬ臆病者が新たな魔王に相応しい筈はありませんもの」
もしかしてお姉ちゃんのことも刺してる?
「それよりもユースティ」
「ユーキです」
「そうでしたわね。ユーキ」
「なんですか。モルレティア」
「気軽にレティとお呼びくださいな♪ これからは同じ主にお仕えする仲間ですのよ♪」
「ワタシたちはそのような関係ではありません」
「誤解なさらないでくださいまし」
「ナズナを主と崇めることは認めません」
「独占欲ですの?」
「魔王を継ぐのは灰燼アルバトロスです」
「もちろん弁えておりますわ♪」
ねえ、ティア。
『……なんなのだわ』
わかってるでしょ。
『キャラ被りだと言いたいのだわ』
なんか向こうの方が本物のお嬢様っぽいけどね。
『酷いのだわ……』
あらごめん。普通に傷つくとは思わなかった。
『あんまりなのだわ……』
ごめんて。よしよし。良い子良い子。
『あれをティアと呼んだら絶対に駄目なのだわ』
モルレ"ティア"だもんね。けどほら。本人はレティでいいってさ。よかったじゃん。被らなくて。
『モルと呼ぶのだわ』
りょうか~い♪




