表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結済】不可侵少女は触れ合いたい  作者: こみやし
04.新参魔族の王位争奪戦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/52

04-05.最後に嗤う者


「戦況は絶望的だな」



 ね~。困っちゃったね~。


 まさか本当にアルバお姉ちゃん一人で戦ってるとはね~。


 びっくりだよね~。


『呑気にしてる場合じゃないのだわ。いくらアルバが強いからって無理があるのだわ』


 だよね~。実質的に先代魔王の勢力が全部敵に回るようなものだしね~。



「ねえ、お姉ちゃん。どうしてこんなに追い詰められるまで放っといたの?」


「あはは~♪ 参ったねぇ~♪」


 全然参ってなさそうなんだよなぁ~。



 あれだよね。お姉ちゃんがここまで勝ち残ってきたのは、単純に強すぎるからなんだよね。個としてさ。


 だからこそ敵対勢力からすれば、わざわざ危険を冒してまで先に倒す必要が無かったんだよね。


 確かに強いから戦えば犠牲は避けられない。けれどだからといって、お姉ちゃんが本当に脅威だったわけじゃない。なにせお姉ちゃんは一人だったから。魔王とはその名の通り王様だから。一人の強さだけで勝ち取れるものではないから。王として配下を率いるのも大切な才能だから。



 皆わかってたんだ。他の魔王候補者たちは。


 お姉ちゃんとは最後に戦うので構わない。その前に他の候補者たちを潰していくべきだ。むしろ個として強いお姉ちゃんは、最後に倒すことにこそ価値があるのだ。


 魔王対勇者の構図と同じだ。最後の一人はただ準備を整えて待ち構えていればいい。最高の戦力を揃えてお姉ちゃんの挑戦を受けるのだ。お姉ちゃんを新生魔王軍お披露目のデモンストレーションに利用するつもりだったのだ。


 だから今までお姉ちゃんは無事でいられたのだ。そうでなければ真っ先に潰されていた筈だ。複数の候補者たちが徒党を組んで挑んできていた筈なのだ。



 つまりお姉ちゃんは舐められていた。


 意図的に泳がされていた。この状況に至るまで。


 大勢の民が盛り上がるこのタイミングだって重要だ。


 序盤は勢力が多いから王都は危険地帯と化す。だから私たちも来られなかった。それはこの王都の民だって同じだ。今みたいにお祭りムードになったのは、勢力の数が減り、小競り合いが落ち着いたからだ。大勢が決したからだ。



 お姉ちゃんは敵対勢力を潰しても、何故か自分から仲間を増やしていくことはなかったそうだ。


 逆に自ら志願した魔族たちは迎え入れていたみたいだけど、大して相手もしていなかったから、結局黒獅子に奪われちゃったらしい。



「お姉ちゃん。魔族は嫌い?」


「あはは~♪」


 ルクス君を奪った魔族が憎い? だからまともに管理もしていなかったの? もしかして魔王になりたいのは復讐のためなの? ルクス君の死を無駄にしないっていうのは建前なの? 彼の死を言い訳に使ったの?


『ナズナ』


 わかってる。わかってるよ。ティア。


『怒ってはダメなのだわ』


 わかってるってば!!


『……ごめんなさい』


 ……大丈夫。わかってる。本当だよ。


 お姉ちゃんにやる気が無かっただなんて思っているわけじゃない。形振り構わず動くべきだったと言いたいわけじゃない。暴れる口実が欲しかっただけだなんて思ってない。


 思ってないんだよ。本当に。


『……そうなのだわ』


 ……ごめんね、ティア。


 ありがとう。やっぱり少し冷静になれたよ。


『……うん』


 ふふ♪ 大丈夫大丈夫♪ 私たちが力を合わせればいくらでも巻き返せるよ♪


『そうなのだわ』


 ティアも知恵を貸してね♪ それと偵察は任せたぜ♪


『もちろんなのだわ。けれど必要なさそうなのだわ』


 ね♪ ユーキちゃんの情報収集能力には驚いたよね♪


『あっという間に集めてしまったのだわ』


 ユーキちゃんにはまだ部下もいるみたいだね♪


『もしかしたら四天王……』


 ダメ。探らないよ。ユーキちゃんは私の仲間。私の家族。勇者ルクス君の仇一味とは何の関係もないの。そういうことにしておいて。


『了解したのだわ』


 ふふ♪ あんがと♪



『けれど』


 わかってる。だからこそ私に出来ることもあるんだよ。


 お姉ちゃんが魔族を許せないなら。魔族を配下として信頼出来ないなら。……私が代わりに務めるよ。ユーキちゃんにも手伝ってもらうよ。


 でなきゃ魔王にはなれないからね。だって魔王は魔族の王様なんだから。私がお姉ちゃんと魔族の間に入るよ。


 お姉ちゃんがやっぱり復讐したいって言うならそれでもいい。そのための覚悟は私がする。一時的に魔族と手を組んででも、ルクス君の仇討ちを成し遂げるよ。お姉ちゃんに背負えないものは私が背負ってあげる。今のお姉ちゃんを中途半端だと罵るくらいなら、私が埋めてあげれば済む話しだよ。


 大丈夫。私は無敵だから。どんな重荷を背負ったって潰れることはないんだから。


『わたくしも背負うのだわ』


 ありがとう、ティア♪ お願いね♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ