04-04.新参魔族と新米配下
「それでアルバお姉ちゃん、ルクス君とブルーノさんは?」
「ナズナ!?」
落ち着いて騎士様。こういうのは先に済ませておこうよ。
「……そうかい。ルクスが言ってたのはお前さんなんだね」
お姉ちゃんは私の質問には答えず、抱き締めてくれた。
「ごめんよ、ナズナ。アタシは忘れているんだね」
「そっか。ルクス君は覚えててくれたんだ」
「……ああ。そうだよ。自慢の弟さね」
「……ごめんね、お姉ちゃん」
私が……トリスティアが一緒に居れば……。
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「すっかり湿っぽくなっちまったねぇ」
「……何故魔王なんぞに?」
「意味を持たせたかったからさ」
ルクス君とブルーノさんの死に……。
「ブルーノは生きてるよ。生きて国に帰ったさ。全てを伝えるためにね」
よかった……。生きててくれて……。
『けど伝えることに意味があるかどうかは……』
ティア。
『……ごめんなのだわ』
「力を貸そう」
騎士様♪
「もちろん私もだよ♪ アルバお姉ちゃん♪」
「あはは♪ 嬉しいねぇ♪ 妹が二人も出来ちまったよぉ」
また瞳が潤んでる。
けれど潤ませただけだ。お姉ちゃんは立ち止まってなんかいないのだ。
「私は年上だ」
「もう♪ 騎士様ったら♪」
年上なら年上らしく空気読んで♪
『辛辣なのだわ』
別に怒ってるわけじゃないよ♪
『無理に茶化して明るく振る舞う必要はないのだわ。ナズナだって泣くべきなのだわ』
もう泣いたもん♪ お姉ちゃんが頑張ってるのにここでは泣けないよ♪
『そんなことないのだわ。きっとアルバは喜んでくれるのだわ。弟のために泣くナズナに悪意なんて抱かないのだわ』
そうだね。その通りだと思うよ。
けどほら。泣くのはもうちょっとだけ後にしようよ。魔王戦ももう少しで決着だからさ。アルバお姉ちゃんが新しい魔王に就任してからでも遅くないよ。きっとさ。
『……そうかもしれないのだわ』
うん♪ きっとそうさ♪
「ユーキちゃんはどうかな?」
「もちろん助力いたします」
「本当に良いの? ベルファディアに恨まれない?」
「恨むでしょうね。彼は」
まるでよく知っているかのような口ぶりだ。
「ですが心配は要りません。勝てばよいのです」
勝てばよかろうなのだぁ~♪
『ウィンウィン言いそうなのだわ』
ね~♪
「あっはっは♪ 豪気だねぇ♪ 気に入ったよ♪」
「これでユーキちゃんも妹だね♪」
「ワタシも年上ですよ。それも倍以上生きてます」
えぇ!?
「細かいことはいいじゃないか♪ アタシは魔王になる。魔王の側近も妹も似たようなもんさね♪」
うわ~お♪ 側近にもしてくれるんだね♪ 太っ腹ぁ♪
『これで将来安泰なのだわ♪』
だね♪ 夢が叶ったよ♪ 就職先が決まったね♪
「騎士様も落ちるところまで落ちたね♪」
エリート騎士様だった筈なのにね♪ 遂には人類を裏切って魔王様の側近入りだ♪ 酷い転落人生だ♪
「何もかもお前たちのせいだろうが……」
あはは♪ ごめんごめん♪
「でも悪い気はしないでしょ♪」
「……少しだけだ。付き合うのは」
「そっか♪ ごめんね、お姉ちゃん♪ 騎士様には先約があるの♪ 騎士様は私の騎士様だから♪ 代わりに私がお姉ちゃんの側近になるからね♪ 騎士様も好きに使ってね♪」
「そりゃぁありがたいねぇ♪」
「勝手なことを……」
「ならばワタシも。直接的にはナズナの配下に加わりましょう」
あらま♪ 早くも部下が二人も出来ちゃったぜ♪
「いいよいいよ♪ ナズナが側近長だ♪」
話のわかる魔王様だぜ♪
『まだ魔王じゃないのだわ』
誤差だよ♪ 誤差♪ 時間の問題だからね♪
「側近長の席が空いていたのですか? 他に部下はいないのですか?」
「皆取られちまってねぇ~」
「大ピンチじゃん!?」
軽く言うこっちゃないでしょ!?
やるな! 黒獅子!
あの金獅子の弟だもんね♪ いうだけのことはあるよね♪
「まあ心配は要らないさね♪ もともと一人でここまできたようなもんさ♪」
流石お姉ちゃん♪ 前より更に強くなってそう♪
「彼は狡猾で卑劣です。力で勝っているからと、油断なさらぬよう」
やっぱりユーキちゃんって詳しいんだね。
「ナズナ……いえ、ナズナ様。ワタシは」
「言わなくていいよ。それと様も要らないよ」
「……はい。ナズナ。それでもどうか忠誠だけはお受け取りを。どうぞ我が身もあなたの望むがままにお使いください」
「うん♪ そっちは遠慮なく貰っとく♪」
「はい♪ ナズナ♪」




