04-02.シリアスクラッシャー・ナズナ
「さあ♪ 出発だ♪」
いざ! 魔族領が誇る大都市! 王都グランファリスへ!
ふふふ~♪ 楽しみだな~♪ 美味しいものいっぱいあるかな~♪
「「……」」
「ほらほら♪ 元気出して二人とも♪」
も~。騎士様はともかく、ユーキちゃんまでそんな顔しちゃってさ~。魔王が倒された事やっぱり気にしてるの?
『ナズナ……』
ティア。私は大丈夫だってば。
「ほら二人とも♪ 元気出して♪ そんな顔してたら会いたい人に会った時にも心配させちゃうよ♪」
「「……」」
ありゃ? どったん二人とも?
なんで私を抱きしめるの?
ちょー嬉しいけど、ちょっとだけ困っちゃう。
そういう空気は苦手なんよ。ナズナちゃんたらさ。
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「あまり走り回るな」
「そうですよ、ナズナ。またバテますよ」
なんだか二人が過保護だ。
これはこれでやっぱり嬉しいけれどさ。
「えへへ♪ 待ちきれなくて♪ ねえねえ♪ ユーキちゃんは王都に行ったことあるんだよね♪ どんなところなの? 美味しいお店知ってる? お風呂入れるかなぁ♪ 楽しみだなぁ~♪ もしかしたらルクス君とだっ……て……ごめん」
本当にごめんなさい。調子に乗りすぎました。
……騎士様。……そんな顔しないで。
「アルバは生きている。間違いなく」
騎士様?
「勇者パーティーは三人いたそうだ。魔族領に侵入した際にもな」
「そ、そうだね! お姉ちゃんだもんね! 絶対だよね!」
あのお姉ちゃんだもん! 絶対生きてるよ! 絶対だよ!
「アルバとはどのような人物なのですか?」
「えっとね♪ お姉ちゃんはね♪ すっごく強くてね♪」
私は語り続けた。お姉ちゃんのことだけじゃなく、ブルーノさんとルクス君のことも。
いっぱいいっぱい。語り続けた。
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「……ナズナは本当に居たのだな。あの時も」
「えぇ!? まさか騎士様疑ってたの!?」
今の今まで!? それは薄情じゃない!?
「忘れたのはお前のせいだ」
「トリスティアのせいだもん!」
「早く制御出来るようになれ」
「え!? それって!?」
「……何か誤解してないか?」
「えへへ~♪ 嬉しいな~♪ 騎士様、私のこと忘れたくないって思ってくれてるんだね~♪」
「……不毛だからだ。ナズナを忘れねば追う必要もなくなるだろう」
「ありがと♪ 騎士様♪ そこまで信じてくれるんだね♪ ほんっと~~~~~~~に! 嬉しい♪」
「……一々大げさなやつだ」
えへへ~♪ 騎士様デレたぁ~♪
『割としょっちゅうデレているのだわ。チョロいのだわ』
ちょろちょろ騎士様だ♪ あはは♪
「ねえ騎士様♪」
「……なんだ?」
「そんな嫌な予感したみたいな顔しないでよ♪」
「みたいな、ではない。実際にそう感じている」
「大丈夫♪ 変なことなんて頼まないって♪」
「早く言え」
「私の騎士様になって♪ お願い騎士様♪」
「……」
「もう! 『ほらな』って顔しないでよ!」
「……意味がわからん」
「なんでさ! 一生私に仕えてって言ってるだけじゃん!」
「ふざけるな」
「なっ!? そんな言い方する!?」
「お前は誅すべき悪だ。主になりたいなどと烏滸がましい」
「騎士様こそ何様のつもりなのさ! トリスティアの呪縛から逃れる術もないくせに!」
「貴様! なんだその開き直りは! 全て貴様らのせいだろうが!」
「だから責任取るって言ってるじゃん♪ きゃっ♪ これってプロポーズみたい♪ ナズナちゃん大っ胆♪ きゃは♪」
「どうしてそう巫山戯てばかりなのだ! お前は!!」
あかん。なんか突然ブチギレた。
『突然じゃないのだわ。しっかり順を追っていたのだわ。なるべくしてなったのだわ。パソコン壊して何もしてないって言ってるようなものなのだわ』
よくその例えパッと思いついたね。パソコンなんて私の記憶の中でしか見たことないでしょうに。
「だいだいお前はだな!」
あかん……長くなりそう……。
『ちゃんと聞いているのだわ。騎士様は正しいことしか言ってないのだわ』
はい……すみません……。




